テレビ
『今朝の秋』(1987)は脚本の山田太一にとって愛着のある作品のようでトークイベントでも自薦の1作として挙げて「家族全員の心は通っていない。でも最期だから芝居を、家族団欒の芝居をしようと」「(ラストシーンの)笠さんと杉村さんも、心が通っていない…
前妻(杉村春子)に男と去って行かれ、蓼科にてひとりで暮らす80代の主人公(笠智衆)。彼のもとへ息子(杉浦直樹)の妻(倍賞美津子)が訪れ、息子ががんで余命わずかだと告げる。息子とその妻は不仲で家庭は冷え切っていた。
『シャツの店』(1986)の主人公はあくまで時代遅れでコミカルで、たしかに『男たちの旅路』シリーズのように作者の意図を越えてヒーロー化してしまう懸念はなさそうではある。しかしそれでも鶴田浩二の目つきやたたずまいにはかっこよさを感じさせるものが…
任侠映画などで存在感を放った名優・鶴田浩二。その鶴田の遺作になったのが山田太一脚本によるテレビ『シャツの店』(1986)である。筆者は幼いころからこの作品をくり返し見ており、その制作過程を改めて振り返ってみたい。
【『ウルトラマン』の想い出 (2)】
【『ウルトラマン』の想い出 (1)】 古谷「俳優になったらやりたいポーズのひとつで、ジェームス・ディーンの『理由なき反抗』(1955)のときの構えるポーズ。東宝の俳優になっていつかはやりたいと。ウルトラマン役でできた(笑)。(飯島監督にそのことは)…
【特撮現場の飯島監督(2)】 『ウルトラマン』(1966)の第5話「ミロガンダの秘密」では植物怪獣が登場。 古谷「初日は目が見えなくて、なかなか慣れないし。カメラも35ミリででかいし、照明も熱かったしねえ。(最初の相手は)グリーンモンスで(植物怪獣…
【『ウルトラマン』での飯島監督】 『ウルトラマン』にて飯島監督は第2・3・5話をまず撮っていて、その3本はシリーズのクランク・インで第1話よりも先に制作された。 桜井「『ウルトラマン』になると毒蝮(毒蝮三太夫)さんと小林(小林昭二)キャップはTBS…
『ウルトラQ』(1966)、『ウルトラマン』(1966)などで監督・脚本を務めた飯島敏宏。2021年に逝去した飯島氏を追悼する上映とトークイベントが2021年12月に鶴川にて行われた。
がん告知を受けた患者たちは老夫婦(山内明、橋本妙)や働き盛りの男性(塩野谷正幸)など、さまざまな人びとがいる。医師(岸部一徳)は患者や家族たちと静かに語らう。
脚本家・作家の山田太一先生の未発表作品を集めた『ふぞろいの林檎たちⅤ/男たちの旅路〈オートバイ〉 山田太一未発表シナリオ集』(国書刊行会)が10月20日に発売されます。収録内容は『ふぞろいの林檎たちⅤ』『男たちの旅路 オートバイ』『今は港にいる二…
昨年11月、池袋の自由学園にて “実相寺昭雄メモリアルコンサート2022 陰影礼讃、夢中遊行” が行われた。この自由学園明日香講堂は重要文化財だという。
三谷幸喜と西村雅彦(西村まさ彦)との関係が、再度ぎくしゃくしたのがシリーズ第3作『古畑任三郎』(1999)の時期である。西村はレギュラーの今泉役を演じていたが、三谷は「今泉のおもしろさが行き着くところまで行った」として退場させて、西村が全く無関…
舞台『笑の大学』(1996)の映像をふと見返していて、西村雅彦(西村まさ彦)の好演に改めて感嘆した。この戯曲を手がけた三谷幸喜と西村とは名コンビであったが、やがて袂を分かつような…微妙な形に至っている。
「白い夜があった……」 1975年に発表された藤子・F・不二雄「どことなくなんとなく」は、同じ会社や同じ家族でも何かが違う…という恐怖短篇である(『箱舟はいっぱい』〈小学館文庫〉所収)。主人公は不思議な「白い夜」の夢を見て以来、日常に違和を覚える…
「この数年、地道にやってきた仕事に少しずつ評価がついてくるようになった一方で、鋭くこちらを揺り動かしてくれる放送批評にめぐり逢いたいと切実に思うようになった」(「新潮45」1999年2月号)
テレビ『眠れる森』(1998)は全11回かけて謎を解くミステリードラマとして、当時大きな話題を呼んだ。かつての大映ドラマや近い時期の『家なき子2』(1995)など数か月の放送期間を経て犯人を突きとめるスタイルはあったが、謎解きを前面に謳うのは画期的だ…
【55年前の想い出】 ここで『ウルトラセブン』(1967)に主演した森次晃嗣氏が登場。
テレビ『ウルトラセブン』(1967)が今年で55周年を迎える。記念プロジェクトとして『セブン』のうちの5本が4Kリマスターで上映され、55年前に第1話が放送された10月1日に池袋でトークイベントも行われた。主演でモロボシダン役の森次晃嗣、映画『シン・ウ…
【第8シリーズ (2)】
1985年から1991年にかけてNHKで放送された朗読番組『テレビ文学館』。文学作品を俳優が朗読して作品の舞台となった土地の映像が流れ、登場人物はイラストで描かれる。フェードイン・フェードアウトでゆったりした映像と老練な朗読とが独特の印象をもたらすシ…
傑作ドラマ『シャツの店』(1986)の舞台となった東京・中央区。主にはセットだがロケ映像も差し挟まれている(撮影は1985年7月から9月にかけて行われた)。 【中央区湊】 第1話
彼女(原田美枝子)との交際を両親(内田良平、市原悦子)に反対された青年(水谷豊)は、ふたりを殺してしまう。死体を遺棄して、主人公は彷徨をつづけるのだった。
ガイド本『NHK大河ドラマストーリー 花の乱』(NHK出版)には『花の乱』(1994)の出演俳優のインタビューが多数掲載されている。三田佳子など主演級は自身の役柄について所見を述べているけれども、あまりなじみのない室町時代が舞台ということもあってドラ…
1994年に放送されたNHK大河ドラマ『花の乱』(1994)。室町時代を舞台に応仁の乱を描いた異色作で、幼い筆者はこの作品を面白く見ていたのだが、放送直前に出演者の島田陽子が降板するアクシデントがあった。四半世紀を経たいま、改めてこの問題に触れてみた…
【ウルトラマンというフィクション】
【中盤以降の『エース』(2)】 白石「『仮面ライダー』(1971)の敵と違って(『ウルトラマンエース』〈1972〉の)ヤプールは何がしたいんだかもよく判らない。そのあたりは演じていていかがでしたか」 沖田「いろんな超獣が出たんだけど1回も会ったことはな…
【『エース』序盤の想い出 (2)】
謎の異次元人ヤプールが超獣を操り、地球侵攻を開始した。勇敢な北斗星司(高峰圭二)と南夕子(星光子)は合体変身でウルトラマンエースに変身し、侵略に立ち向かう。
【現場での想い出 (2)】 寺田氏は、実相寺監督は役者を育てなかったとよく語る。