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海外公演などの経験はあっても「旅がそんなに好きではない」三谷幸喜にとって単独渡航は挑戦であっただろう。それにしても「気分転換」をしたい折りは過去にもあっただろうに、ロンドン行きが何故この2010年というタイミングだったのか。本人の言う通り取材…
新作映画『スオミの話をしよう』(2024)の脚本・監督を務める三谷幸喜は「普段は、あの役者にあの役をやらせたら面白いぞ、みたいなところからストーリーを考える」(『三谷幸喜のありふれた生活3 大河な日日』〈朝日新聞出版〉)とジョークまじりで語った…
ヒット映画や秀逸なドキュメンタリー番組により改めて特攻隊が注目を集めている。特攻隊というと筆者が思い出すのはテレビ『3年B組金八先生』の第2シリーズ(1980)で、特攻への言及が『金八先生』全体を貫く精神にもよくも悪くもつながっているように感じら…
言葉として好き、根拠なく嫌い ――『たまご和尚』などで、「同情が好き」というようなフレーズがありますが。
『ペットントン』(1983)や『どきんちょ!ネムリン』(1984)などの東映不思議コメディーシリーズやアニメ『忍たま乱太郎』(1993)などで知られる浦沢義雄先生。2013年2月に「京都の某ホテルにて」行われたという浦沢先生のインタビューを以下に引用したい…
2017年から2023年まで、山田太一先生(昨年11月に逝去)の全作品インタビューが行われています。
最近は『ベイビーブローカー』(2022)や『怪物』(2023)などで知られる是枝裕和監督。是枝氏は20代のころに、長野県にある伊那小学校春組に2年半通ってドキュメンタリー『もう一つの教育 伊那小学校春組の記録』(1991)を撮った。
【不登校について】
中学生のこころ(声:當真あみ)はいじめが原因で不登校に。ある日、鏡に吸い込まれたこころは謎の孤城に迷い込み、リオン(声:北村匠海)ら同じく不登校の少年少女に出会った。孤城は仮面をつけた女性・オオカミさま(声:芦田愛菜)が君臨する不可思議な…
――山本周五郎賞の審査員もされていましたね。
山田太一原作のイギリス映画『異人たち』(2023)が公開された。原作となったファンタジー小説『異人たちとの夏』(新潮文庫)により山田先生は1988年度の山本周五郎賞を受賞。そのときの経緯のほか、ファンタジーなどに関して語られたインタビューが、2006…
「ユリイカ」2024年4月号(青土社)が、昨年11月に逝去した山田太一先生を特集しています。
本能寺の変で織田信長を討った明智光秀。その生涯を描いた意欲的な大河ドラマ『麒麟がくる』(2020)。脚本を手がけた池端俊策氏は『昭和四十三年 大久保清の犯罪』(1983)や『仮の宿なるを』(1983)、『夏目漱石の妻』(2016)などでも知られる名匠である…
『今朝の秋』(1987)は脚本の山田太一にとって愛着のある作品のようでトークイベントでも自薦の1作として挙げて「家族全員の心は通っていない。でも最期だから芝居を、家族団欒の芝居をしようと」「(ラストシーンの)笠さんと杉村さんも、心が通っていない…
前妻(杉村春子)に男と去って行かれ、蓼科にてひとりで暮らす80代の主人公(笠智衆)。彼のもとへ息子(杉浦直樹)の妻(倍賞美津子)が訪れ、息子ががんで余命わずかだと告げる。息子とその妻は不仲で家庭は冷え切っていた。
『シャツの店』(1986)の主人公はあくまで時代遅れでコミカルで、たしかに『男たちの旅路』シリーズのように作者の意図を越えてヒーロー化してしまう懸念はなさそうではある。しかしそれでも鶴田浩二の目つきやたたずまいにはかっこよさを感じさせるものが…
任侠映画などで存在感を放った名優・鶴田浩二。その鶴田の遺作になったのが山田太一脚本によるテレビ『シャツの店』(1986)である。筆者は幼いころからこの作品をくり返し見ており、その制作過程を改めて振り返ってみたい。
【小熊秀雄との出会い(2)】 原田「昭和10年代になると戦争のほうへ引きずられていくんですね。だから小熊さんの文章も悲しげな調子なのかもしれません。戦争の機運を盛り上げていこうということで、帝展は大流行します。国が在野の団体からいい作家を引き…
【池袋モンパルナスの誕生】 原田「絵描きたちがフランスに留学して研鑽しながら仲間意識も高めて、帰ってから1930年協会をつくる。その面々がパリで学んできたのはフォービズム。ひとつの表現主義で、ナイフを油絵に叩きつけてキャンバスに吐き出すという描…
戦前戦中に若い画家や彫刻家、詩人などが集ったアトリエ村 “池袋モンパルナス”。その中には画家・寺田政明や詩人の小熊秀雄もいた。2022年12月に政明の子息である俳優・寺田農氏と岩手県立美術館の館長などを務めた美術評論家・原田光氏とのトークショーが行…
脚本家・作家の山田太一先生の未発表作品を集めた『ふぞろいの林檎たちⅤ/男たちの旅路〈オートバイ〉 山田太一未発表シナリオ集』(国書刊行会)が10月20日に発売されます。収録内容は『ふぞろいの林檎たちⅤ』『男たちの旅路 オートバイ』『今は港にいる二…
森本:ロバのそばのアズ・スーン・アズというライブ・ジャズ・スナックがあって、小銭が貯まると菅野沖彦さんや本田竹彦さん達を聴きに行ってた。そこで、若き日の村上春樹さんが、ボーイさんをやってたんだって。俺、もしかしたら春樹さんにカレーライス運んで…
映画『青春の蹉跌』(1974)や『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(1987)、テレビ『人形劇 三国志』(1982)や『人形歴史スペクタクル 平家物語』(1993)の声の出演、『きかんしゃトーマス』(1984)のナレーションなど多彩な仕事で知られる森本レオは長年、高…
もとは盟友関係でやがて非難し合い、いまはまた共著を出したりするようになった佐高信と田原総一朗。ふたりには冠婚葬祭をめぐる共通点がある。
(承前)三谷幸喜と西村雅彦(西村まさ彦)との関係が、再度ぎくしゃくしたのがシリーズ第3作『古畑任三郎』(1999)の時期である。西村はレギュラーの今泉慎太郎役を演じていたが、三谷は「今泉のおもしろさが行き着くところまで行った」として退場させて、…
舞台『笑の大学』(1996)の映像をふと見返していて、西村雅彦(西村まさ彦)の好演に改めて感嘆した。この戯曲を手がけた三谷幸喜と西村とは名コンビであったが、やがて袂を分かつような…微妙な形に至っている。
「白い夜があった……」 1975年に発表された藤子・F・不二雄「どことなくなんとなく」は、同じ会社や同じ家族でも何かが違う…という恐怖短篇である(『箱舟はいっぱい』〈小学館文庫〉所収)。主人公は不思議な「白い夜」の夢を見て以来、日常に違和を覚える…
「この数年、地道にやってきた仕事に少しずつ評価がついてくるようになった一方で、鋭くこちらを揺り動かしてくれる放送批評にめぐり逢いたいと切実に思うようになった」(「新潮45」1999年2月号)
テレビ『眠れる森』(1998)は全11回かけて謎を解くミステリードラマとして、当時大きな話題を呼んだ。かつての大映ドラマや近い時期の『家なき子2』(1995)など数か月の放送期間を経て犯人を突きとめるスタイルはあったが、謎解きを前面に謳うのは画期的だ…
テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(1995)、映画『シン・ゴジラ』(2016)などによって不動の地位を確保している庵野秀明監督は、天賦の表現力を駆使して世態を描いてきた。