演劇
【『ひめゆりの塔』】 渡辺美佐子氏の映画デビュー作は、今井正監督『ひめゆりの塔』(1953)。
山田太一先生は、2003年に福島県いわき市にて講演を行なった。小説作品『異人たちとの夏』(新潮文庫)などについて述べられており、いまはなくなってしまったのでいわき市のサイトより引用したい(明らかな誤字は訂正した)。なお文中に「40代の終わり」と…
――一方で売れない劇はダメな劇だと思われる傾向もありますが
以下に引用するインタビューは、昨年亡くなった劇作家の別役実が2001年に不登校や家族について語ったものである。90年代から2000年代にかけては不登校が社会問題として取り上げられることの多い時代だった。
その小さな一本の木と同様、そこに登場するものも、「生身の役者」であれ、劇世界の規定する特定の「登場人物」であれ、どちらでもよい。あくまでも、それの対応しようとしているものが無限の、そして無性格な空間である限り、それは自由なのである。或いは…
今年3月に逝去した別役実は、サミュエル・ベケット的な不条理演劇を日本で成立させた巨匠である。その別役が自らの理念について述べた1971年の文章を、追悼として以下に引用したい。
2008/7/29 『崖の上のポニョ』と世代を超えた友人
“何でもない時間”を最初に劇の俎上に上げた人 岩松 やっぱりチェーホフは、演劇の流れから言うと、かなり画期的な劇作家になるんですか?
地下道で暮らす人たちの三人姉妹 岩松 ところで、別役さんは最初から『三人姉妹』がいいなと思っていたんですか? 『かもめ』や『桜の園』ではなく? 別役 『三人姉妹』がいいなと思ってましたね。要するに僕は、チェーホフを翻案したかったんですよ。そのま…
アントン・チェーホフ没後100周年を記念して上演された、別役実作『千年の三人姉妹』(2004)。そのパンフレットに、別役と岩松了の両氏の対談が掲載された。
——やはりその影響下にはあったと?
アントン・チェーホフの没後100周年に、劇作家・別役実がチェーホフの『三人姉妹』を翻案した『千年の三人姉妹』(2004)を発表した。音楽は東儀秀樹で、タイトルロールの三姉妹は別役夫人の楠侑子、三田和代、吉野佳子が演じている。
――そうですね。私たちの会社も、一見デジタルな世界ではありますが、やっていることは非常にアナログだったりします。コミュニティなども結局は人と人とのつながりというアナログな関係性から成り立っていますし。ただ、世の中にたくさんあるいろんな情報を…
「小説で食えるのに、何も芝居にまで手を出すことはないじゃないか、と陰口をたたかれる世界である。
戯曲に小説、評論、映画・テレビ脚本など多彩な仕事を遺した、故・井上ひさし。この偉大な作家は喜劇的な趣向やヒューマニズムあふれる作風、啓蒙精神に満ちた言動などから温厚な印象を感じさせるが、その生涯はトラブルで彩られていた。
舞台『ビビを見た!』(2019)では、目が見えなくなった人びとを演じる役者陣は、実際に目隠しされている。
大海赫の傑作童話を舞台化した『ビビを見た!』(2019)。唯一無二の原作世界にさまざまな趣向・技巧を駆使して挑戦しており、原作の読者としてああこうなるのかと素直に感嘆した。
松井「大海さんが普段何を考えているというか、哲学的なことを考えられていた時期があったんでしょうか」
松井「文章を書かれてから絵を思いつくんでしょうか」 大海「頭の中にイメージが湧いてくる。それを筆記するだけで間に合わない。考えてる暇がないです」 松井「絵のほうに文字が書いてあることもありますよね。『ビビを見た!』(復刊ドットコム)に特急コ…
大海赫の傑作童話『ビビを見た!』(復刊ドットコム)。伝説的・衝撃的な作品が刊行から45年を経て、神奈川芸術劇場にて舞台化されている。
近年は映画『シン・ゴジラ』(2016)や『万引き家族』(2018)などでも存在感を示す名優・柄本明。その柄本の21年前のインタビューを以下に引用したい(朝日新聞のPR誌「暮らしの風」の “わが青春の一枚” 欄に掲載されたもの)。この当時は今村昌平監督『カ…
1980年代に過剰なまでに供給された反動か、90年代に入ると原爆を描いた作品は激減。冷戦が一応終結して、核戦争の危機が去ったように思われたのもあっただろう。
2017年に惜しまれつつ活動休止した堀北真希。その堀北が2010年に舞台初主演した『ジャンヌ・ダルク』は、いまも印象深い。
朗読やナレーションの仕事でも知られる俳優の江守徹が、10月に別役実作の舞台『鼻』に主演する。その江守氏がかつて朗読したり声優のひとりとして参加したりした音源(新潮カセットブック)を聴きながら、トークをするという催しが神楽坂であった。日曜日だ…
【新人育成について】 1975年からは無名塾を主宰している。
寺田「『でっかく生きろ』(1964)の後、360日会ってるくらい。実相寺はひとりっ子で、ぼくは姉と妹がいたけど男ひとり。ひとりっ子同士みたいで合いましたね。お前らモーホーだとか言われて、それくらい仲が良かったね」
ドキュメンタリーでもフィクションでも深く立ち入ってつくると、1回見ただけでは判らない。作者の思いのほうが多様で、佐藤(佐藤真)さん生きていれば、もっと深いことがひとつひとつのショットに込められてて。聞いたふうなことは言わないほうがいい(笑)…
【一難去ってまた一難だった「カノックス」の経営】 会社経営は大変だったね。今のカミさんとのプライベートな問題がキッカケで、TBSから独立することになったのは44歳の時。TBSにいる19年より今のほうが長いんですが、あの頃はまだ若造、思い上がっていたん…
【若き日の想い出(2)】 ラジオ聴いてると“ただいまの出演、どこどこ劇団”ってのが多い。こういうとこに潜り込むと、もしかしておこぼれがと。
7月11日に肝付兼太演出・出演の舞台『おしいひと』を見に行った。