切通理作
2020年1月初旬、脚本家の上原正三が逝去した。『ウルトラセブン』(1967)や『怪奇大作戦』(1968)、『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975)、『宇宙刑事シャリバン』(1983)など幾多の傑作・ヒット作を送り出した巨匠だが、代表作として語り継がれたのが『帰っ…
『美女と液体人間』(1958)や『ガス人間第一号』(1960)のような変身人間物では、液体人間はほぼゴジラと同じ。『ゴジラ』(1954)の発想のもととなったのは『原子怪獣現わる』(1954)と当時起こった第五福竜丸事件で、『ゴジラ』も最初は被曝した船が戻…
『ゴジラ』(1954)の企画は、いちばん最初は撮影所の重役の森岩雄さんが、でかいものが東京をめちゃくちゃにするものと言ったと、本多さんが証言しています。恐竜みたいなものはどうだということで、香山滋さんに原作を依頼して。小説も2バージョンあります…
『宮崎駿の〈世界〉』(ちくま文庫)や『山田洋次の〈世界〉』(ちくま新書)などで知られる批評家の切通理作氏は『怪獣使いと少年』(洋泉社)や『怪獣少年の〈復讐〉』(同)など特撮作品にも造詣が深い。その切通氏が2014年に発表したのが、映画『ゴジラ…
【ヒーローとは (2)】 小中千昭氏は『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術』(朝日新聞出版)にて、かつて『ウルトラマングレート』(1990)にて組んだ脚本家の會川昇氏と対談。
【原田昌樹監督の想い出 (2)】 小中「第50話「もっと高く!」を十何年ぶりに見たら、音を抜いてて、ちょっと異常な演出をしている。ダイゴが苦悩して、レナが気にしてるとか。男女が映っているだけなんだけど何かが起こっているという、業界人が見たら放送事…
50年近くに渡って、子どもたちの人気を集めてきたウルトラマンシリーズ。そのウルトラが、『ウルトラマン80』(1980)以降、テレビでの新作をつくれず16年間停滞するという時代もあった。長い沈黙を破って送り出されたのが、『ウルトラマンティガ』(1996)…
【『魔弾戦記リュウケンドー』】 原田昌樹監督がメインディレクターを務めて立ち上げから手がけた『魔弾戦記リュウケンドー』(2006)。脚本の大西信介、イメージボードの奥山潔、助監督の塩川純平の各氏が登壇した。
【『ブースカ!ブースカ!!』】 『ウルトラマンガイア』の終了後、原田昌樹監督がメインディレクターとして手がけた『ブースカ!ブースカ!!』(1999〜2000)。ブースカの声の高戸靖広、ゲンツキ役の北岡龍貴の両氏が登場。撮影の倉持武弘、脚本の右田昌万…
【『ウルトラマンティガ』(2)】 『ウルトラマンティガ』(1996〜97)の第49話「ウルトラの星」は、往年の『ウルトラマン』(1966)の制作現場が描かれる、異色のバックステージ編。
夕焼け空を盗もうと暗躍する怪人、宇宙人の少年の旅立ち、10年に1度だけ“冬の国”からやって来る女の子。
【市川森一の人間像 (2)】 真船「プロテスタントは、どっかの教会の教会員になる。市川さんは、麻布にあるぼくと同じ教会に移ってこられて。長崎の新聞に、天草四郎が徳川幕府に反逆したという小説を書いていらして(『幻日』〈講談社〉)それが終わったら教…
【「悪魔と天使の間に…」(2)】 切通「『帰ってきたウルトラマン』(1971)は恐竜型(の怪獣)が多くて、でも途中で市川さんの脚本ですけど宇宙怪獣が出てきた(第18話「ウルトラセブン参上!」)。そして当時幼年誌に、今度は宇宙人が出てくると。でも(第31…
テレビ『淋しいのはお前だけじゃない』(1982)など多数の作品を遺して、2011年に逝去した脚本家・市川森一。若き日の市川は『ウルトラセブン』(1967)や『帰ってきたウルトラマン』(1971)などウルトラシリーズのシナリオも執筆しており、『ウルトラマン…
映画『赤々煉恋』(2013)のラストは、観客の解釈が分かれるものになっている。 切通「最後はさわやかに終わった。救いを用意してないので、もっと陰々滅々としていてもいいのに」 小中「見る方によって、受け止め方が違う。(主人公が)成仏したって思う人…
家で、学校で、街で、周囲の人と言葉を交わさず、ひとりふらつく女子高生・樹里(土屋太鳳)。彼女はこの世の人ではなく、すでに自殺して魂だけの状態で、現世をさまよっていた。そして、生きている人間には見えない死神・虫男を見ることができる。