2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧
『快盗ルビイ』(1988)以後の3本の和田誠監督作品(『怖がる人々』〈1994〉、『真夜中まで』〈1999〉)には、ラストのタイトルバックで出演者がひとりずつ再登場するカーテンコールがある。
【和田誠と伊丹十三(2)】 平山「ご両人とお仕事させてもらって。スタッフは40〜50人いるんだけど、スタッフから出てきたいろんなアイディアに伊丹監督はまずクエスチョンをつけて、スタッフの言うことを疑ってかかる。これは悪い意味じゃないですけど。
イラストレーター・エッセイストなど多彩な活動で知られる和田誠は超絶映画マニアで、1980年代から90年代には映画監督としても作品を発表している。6月、『和田誠シネマ画集』(ワイズ出版)の刊行を記念して池袋の “新文芸坐” にて特集上映が行われ、和田監…
【 “かたち” と気持主義】 実相寺昭雄監督は、俳優が演じる役のキャラクターがどんな気持ちなのかを気にすることに関して非難していた。以下の件りでは、そこが改めて強調されている。
【映画と徒弟制度】 実相寺監督は、自分と合うスタッフを集めて “コダイグループ” を率いた。自身では、その組織体のありように疑問を抱いていたようである。
テレビ『ウルトラマン』(1966)などで知られる故・実相寺昭雄監督は、1970年代にATGで自主制作の映画を撮っていた(『実相寺昭雄研究読本』〈洋泉社〉参照)。そのころに詩人・小説家の富岡多恵子氏と「現代詩手帖」1974年10月号にて対談している。タイトル…
【子育てについて(2)】 子どもといっしょに暮らしているだけで、すごく影響を与えてると思うんですよね。年上の男、年上の女がどういうものか、いるだけでどういう矛盾、どういう悪いところがあるか伝わってくる。夫婦で「死ね」とか罵り合ってても、1時間…
【生きるリアリティ (2)】 どっちか選ばないと、飢える、死ぬ、殺されるっていう社会だとほんとのことが見えてくる。でもそうでないとどんどんリアリティがなくなってくる。たしかに夢を描ける装置のおかげで、どれだけ助かってるか判らない。でもぼくたちの…
脚本家の山田太一先生の講演会へ足を運ぶ。“ゆっくり子育て講演会” という触れ込みだが、子育てなど終わっていそうなご年齢のお客さんが多かった。それゆえか、子育ての話も出たけれども、大半は時代の批評のようなお話であった。
【『極道の妻たち 死んで貰います』(2)】 高田「『極妻』シリーズは女主役で、でも男も立てなきゃならないから時間が長くなっちゃう。彼は上手い。ぼくは彼が大好きで、彼が××さん(脚本家)とやったとき、何でぼくにやらせてくれないかと嫉妬したんです。
映画『極道の妻たち』シリーズと言えば、やくざのおかみさんを主人公にした人気シリーズ。その主役としては1986年から1998年まで10本中8本に主演した岩下志麻のイメージがやはり強いが、98年に岩下シリーズがひと区切りした後、翌99年から高島礼子主演で新シ…
3.『蛍の宿』(1997)脚本:山元清多 蛍の宿 [DVD] 岸恵子 Amazon 海辺の町・風の浦で遊郭を営む母(岸惠子)とその娘(清水美砂、田畑智子 )。あるとき、航空隊の士官(椎名桔平、山本太郎ら)が店に現れた。特攻隊として死を目前にする男たちと女たちの束…
故・向田邦子の遺した小説・エッセイをもとに、1985年から2001年まで継続した “向田邦子新春シリーズ” 。そちらと並行して、同じTBSのスペシャルドラマ枠で1995年の夏に “向田邦子終戦特別企画” がスタート。新春シリーズと同じく向田作品からヒントを得て創…
【シナリオと小説 (2)】
【新作ドラマ『青い鳥』 (2)】 これは制作発表でも言ったことなんですけど、豊川(豊川悦司)氏が演じるのは平凡な男なんです。長野の特急が停まらない駅の駅員さん。非常に平凡な人生を送ってきた。それが人生をやり直したいと思う。とりたてて悲惨な日々を…
脚本家・小説家の野沢尚氏が逝ってこの6月で丸10年。野沢氏は1997年に『破線のマリス』(講談社文庫)により第43回江戸川乱歩賞を受賞。その年の秋から、脚本を手がけたテレビ『青い鳥』(1997)が放送された。