三谷幸喜
海外公演などの経験はあっても「旅がそんなに好きではない」三谷幸喜にとって単独渡航は挑戦であっただろう。それにしても「気分転換」をしたい折りは過去にもあっただろうに、ロンドン行きが何故この2010年というタイミングだったのか。本人の言う通り取材…
新作映画『スオミの話をしよう』(2024)の脚本・監督を務める三谷幸喜は「普段は、あの役者にあの役をやらせたら面白いぞ、みたいなところからストーリーを考える」(『三谷幸喜のありふれた生活3 大河な日日』〈朝日新聞出版〉)とジョークまじりで語った…
(承前)三谷幸喜と西村雅彦(西村まさ彦)との関係が、再度ぎくしゃくしたのがシリーズ第3作『古畑任三郎』(1999)の時期である。西村はレギュラーの今泉慎太郎役を演じていたが、三谷は「今泉のおもしろさが行き着くところまで行った」として退場させて、…
舞台『笑の大学』(1996)の映像をふと見返していて、西村雅彦(西村まさ彦)の好演に改めて感嘆した。この戯曲を手がけた三谷幸喜と西村とは名コンビであったが、やがて袂を分かつような…微妙な形に至っている。
監督映画『記憶にございません!』(2019)は大ヒット、2021年には初のネット配信ドラマ(『誰かが、見ている』)に挑戦、2022年度の大河ドラマの脚本を手がけることも発表され、変わらずヒット作を送り出している三谷幸喜。
ゴミ処理会社の産業廃棄に苦しめられる村。村役場の青年(香取慎吾)は、奇妙な成り行きによって売れない俳優(役所広司)を弁護士に仕立てて処理会社に挑戦する。
――料理番組ばっかり(笑)。自分でも作るんですか? 三谷 テレビを見て、これはおいしそうだと思うと作りますね。今まで意識せずに食べていたものも「ああ、こうやって作るんだ」というのがわかって面白いですよ。この前、きんぴらを作ったんですけど、あの…
以下に引用するのは「WEEKLYぴあ」1999年2月8日号に掲載された三谷幸喜インタビューである。映画『ラヂオの時間』(1997)の脚本・監督、テレビ『今夜、宇宙の片隅で』(1998)のシナリオなどを手がけていた三谷氏が、2年ぶりに発表した舞台が『温水夫妻』(…
ニューヨークのアパートを舞台に日本人男女(西村雅彦、飯島直子、石橋貴明、梅野泰靖)の応酬を描き、シットコムの笑いを狙ったのがテレビ『今夜、宇宙の片隅で』(1998)。脚本を手がけたのは三谷幸喜。以下に引用するのは、月刊誌「ザ・テレビジョン」199…
初監督の映画『ラヂオの時間』(1997)が好評を博した後、脚本家・三谷幸喜がシナリオのみを担当したのがテレビ『今夜、宇宙の片隅で』(1998)。野心的な前作『総理と呼ばないで』(1997)は不評であったが、次作『今夜』は主要登場人物が4人のみ(西村雅彦…
――ところで、三谷さんは、来年の仕事を一度、白紙にしたそうですね。つい最近、思い直したそうですが、引退を考えてた?(引用者註:舞台『巌流島』が、台本の遅れにより初日延期。主役級の陣内孝則が降板したゆえ)
近年は舞台や映画監督のイメージの強い三谷幸喜は、1990年代から2000年代前半までテレビドラマのシナリオを多数手がけていた。『古畑任三郎』シリーズ(1994〜2006)や『王様のレストラン』(1995)などは代表作だが田村正和、鈴木保奈美、筒井道隆、鶴田真…
今年喜寿を迎えた伊東四朗主演( “伊東四朗生誕?77周年記念” と銘打たれている)の舞台『吉良ですが、なにか?』(2014)が、討ち入りの12月14日に千秋楽を迎えた。脚本は三谷幸喜で、伊東四朗とのコンビによる舞台は、『その場しのぎの男たち』(1992)か…
昨2013年には原作・脚本・監督を務めた映画『清須会議』が大ヒット、今年は作・演出を手がける舞台(再演含む)が目白押し、2016年には大河ドラマの脚本を担当することが発表されるなど三谷幸喜の人気ぶりは近年も相変わらずである。これほどの知名度を持つ…
長い年月を経たいま、三谷幸喜氏は「ファンタジー的で心温まるコメディじゃなくて、もっと “乾いた笑い” をやりた」かったのだが、やはり意思疎通ができていなかったゆえに『総理と呼ばないで』(1997)はうまくいかなかったと『三谷幸喜 創作を語る』(講談…
今年大ヒットした映画『清須会議』(2013)の原作・脚本・監督を務めてまた注目を集めた感のある三谷幸喜。その三谷が、ロングインタビューで自らのキャリアを振り返ったのが『三谷幸喜 創作を語る』(講談社文庫)である(聞き手:松野大介)。