山根貞男
【文章の長さについて】 山根「長い文章だとたくさん書けるから上野さんがいきいきと書いてるのが判ります」
【上野批評の特性 (3)】 山根「(『黄昏映画館 わが日本映画誌』〈国書刊行会〉では)大島渚について書いた文章は多いですね。でも何本も書いたなら作品や姿勢を支持するのかと思ったら、反感とまではいかなくてもちょっと違うんじゃないですかっていうのも…
【上野批評の特性 (2)】
『魯迅』(三一書房)や『映画全文』(リトルモア)などの著作、伊地智啓プロデューサーの『映画の荒野を走れ プロデューサー始末半世紀』(インスクリプト)といった編著のある評論家・上野昂志。
【映画の定義】 山根「本当は10年前に出てるとよかったと思うんですね。20年くらいの間に映画ってどういうものだという規定が揺らいできてる。
【正確性について (1)】
【事典制作の裏側 (3)】 寺田「分冊でなく1冊というのがね。『家庭の医学』(主婦の友社)ではないけれども(笑)決して高いものではない。どこから読んでも面白い」 山根「面白く書いてるわけではないんですが(一同笑)面白くなってるのかな」 寺田「無人…
【事典制作の裏側 (2)】 山根「戦後は判るわけですよ。ところが1920年前後は資料がほとんどないし、あっても信用できるか判らない。事典ですから裏をとるわけで、それもひとつじゃなくていくつかの資料を合わせてこれでいけると。例えば何分っていう長さが、…
100年以上の日本映画のデータを収めた『日本映画作品大事典』(三省堂)は1998年から22年の歳月をかけて制作され、今年6月に刊行。
にっかつロマンポルノ50周年の特集 “私たちの好きなロマンポルノ” がシネマヴェーラ渋谷で開催中。38作品が上映されるが、そのセレクトもユニークである。11月に加藤彰監督『女教師 汚れた噂』(1979)が上映され、編集者の遠藤倫子・樽本周馬両氏のトークシ…
【ビジュアル面と装幀(2)】 山根「経済的な問題ではなくてですか。書籍や雑誌でスチールを使うと1.3万円とられる」
【本文レイアウト(2)】 瀧本「かな文字は詰めることができます」 鈴木「最初の見本組みでは作品名と本文との行送りを半行にしてるんですね。それを全部同じフラットな1行送りにしちゃった。メインタイトルとサブタイトルとみたいな階層を減らして、組版も…
【シリーズ物の扱い】 瀧本「プログラムピクチャーのシリーズものはすごく重要で、しかし監督インデックスで扱っても作品の五十音順の配列にしても、どっちにしてもシリーズはバラバラになっちゃうと。どういうふうにシリーズが判るようにするかで議論しまし…
【監督インデックスと作品解説(3)】 鈴木「2010年に原稿執筆が終わってたんですが、ぼくのところに舛田利雄が来たのは2010年(笑)。まだこんな大物が残ってたのか」 瀧本「申し上げにくいんですけどお願いした方に書いてもらえなかった項目がいくつかあり…
【監督インデックスと作品解説(2)】 山根「ぼくが最初に呼ばれて、三省堂で鈴木さんとふたりで話したときは監督で仕分けるしかないと思ってました。すると編集部が牧野省三とか黒澤明とか書いたカードをつくってくれたんです。鈴木さんと会議室で、この監…
100年以上の日本映画のデータを収めた大著『日本映画作品大事典』(三省堂)が22年の歳月を経て完成。編集は映画評論家の山根貞男で、ブックデザインは鈴木一誌が担当している。刊行を記念して山根、鈴木両氏と滝本多加志・三省堂社長によるトークショーが行…
【『ロケーション』について(2)】 森崎東監督『ロケーション』(1984)でのロケ隊は新宿を出発して、あちこち経由して福島へ。
ピンク映画のカメラマン(西田敏行)の妻の主演女優(大楠道代)が自殺未遂。撮影は中断したが、たまたま出会った連れ込み宿の女中(美保純)を代役にすることに。しかし今度は監督(加藤武)が倒れ、主人公が現場を仕切る羽目になった。女中の秘められた過…
『仁義なき戦い』シリーズで知られる脚本家・笠原和夫の選集『笠原和夫傑作選』(国書刊行会)。
北海道の町の実力者(夏八木勲)に目をかけてられている主人公(萩原健一)は、その妻(倍賞千恵子)と不倫関係に。実力者の夫は豪快に笑って黙認する。主人公は釧路に向かう列車の中で、赤字のバーを経営する別の女性(倍賞美津子)とも出逢い、平行してつ…
『映画俳優安藤昇』(ワイズ出版)の中で安藤さんは、加藤泰はとても面白い人でいい監督だったと言っています。安藤さんの記憶違いで『阿片台地』(1966)でってと言ってますけど、『男の顔は履歴書』(1966)の殴り込みで安藤昇は日本刀で迫っていく。フル…
かつて安藤組を率いて極道の世界で幅を利かせ、服役後に映画俳優に転身した安藤昇。渋谷では、その安藤昇の出演作品の特集上映が行われている。筆者にはよく判らなかったが、その筋の方々も見えていたようである。
『ピストルオペラ』(2001)につづく『オペレッタ狸御殿』(2005)は人間の男(オダギリジョー)と狸姫(章子怡)との愛を描いた異色作。浦沢義雄による脚本・劇中歌には笑ってしまう(浦沢によるノヴェライズ〈河出文庫〉も傑作)。
『野獣の青春』(1963)、『殺しの烙印』(1967)、『ツィゴイネルワイゼン』(1980)などでカルト的な人気を誇る鈴木清順監督のトークショーが2年前の2012年1月に池袋にて行われた。諸事情(!?)により、いまさらのアップである。