ブックハウス神保町にて毎月行われてきた小原乃梨子とおはなしフェアリーズの朗読会が、今回で最終回を迎えた(ブックハウス神保町が今年2月で閉店するゆえ)。昨2016年は、筆者は朗読会の日に所用の入ることが多く、久々の観覧となった(久々で最終回…)。
最後だけあって親子連れや関係者などで満員。会の冒頭に小原氏が「きょうでこのおはなし会は終わりです」と挨拶する。
小原「愉しんでくださいね。約束してくれる人ー」
みなが「はーい」と手を挙げると、小原氏は「ちっちゃい子、前に来てー」と子どもたちを前方へ。
小原「2006年の4月から(毎月)第4週(の土曜日)を受け持つことになりまして、声優さん、声優さんの卵、みんなプロになって。私たちもここで成長させてもらいました」
まずはトルストイ『おおきなかぶ』(福音館書店)をフェアリーズのメンバー7人で分担して読み、小原氏が見守る。おじいさんやおばあさん、みんなで力を合わせて「うんとこしょ、どっこいしょ」とかぶを引っぱる話。ラストでかぶが抜けたところで、小原氏は「みんなで力を合わせれば、こんなかぶも抜けるのよ」。
つづいて西本鶏介『おにはうち ふくはそと』(ひさかたチャイルド)。もうすぐ節分なので、それに合わせたチョイスである。
朗読後は鬼つながりで「鬼のパンツ」を手遊びも交えて、みなで熱唱。
普段はフェアリーズの方々が2冊、小原氏が1冊朗読するのだが、今回は通常よりもう1冊多く、中村翔子『しりとりのだいすきなおうさま』(鈴木出版)も読む。
その後で、ウルトラマンと怪獣の手遊びもみなで行う。
締めはいつものように小原氏。演目はモーリス・センダック『かいじゅうたちのいるところ』(冨山房)で、ラストに相応しい(怪獣の手遊びはこの伏線だった)。小原氏が朗読し、他のメンバーは怪獣のジェスチャーを担当。
小原「センダックの絵が素晴らしいですね。世界中で読まれています。映画にもなりましたね」
小原氏はいつものように少年と怪獣の声とをそれぞれ演じているが、今回のマックス少年の声は、代表作である『ドラえもん』(1979〜2005)ののび太などより甲高い演技だった(より幼い少年という解釈なのだろうか)。朗読を聞いて『かいじゅうたちのいるところ』の面白さを再認識。
小原「いつも終わると淋しい気持ちになる。でも今晩、目を閉じると会える。その気持ちを歌にしました」
小原氏作詞の「またね」をみなで唄って終了。小原氏が「長い間ありがとうございました」と挨拶。ホームページを新しくするそうで「どっかで何かやってますから、見つけてください」。思わず感傷的な気持ちになった。
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