私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

山根貞男 × 鈴木一誌 × 瀧本多加志 トークショー レポート・『日本映画作品大事典』(5)

【本文レイアウト(2)】

瀧本「かな文字は詰めることができます」

鈴木「最初の見本組みでは作品名と本文との行送りを半行にしてるんですね。それを全部同じフラットな1行送りにしちゃった。メインタイトルとサブタイトルとみたいな階層を減らして、組版も階層を減らしてフラットに。フラットにすると1行空けや作品名の太いタイトル文字が効いてくる。組版も本文に見合ってフラットにしていった。

 日本語は詰め打ちをしないと、漢字の画数によって濃淡のでこぼこができる。例えば鬱という字があるとそこだけぼこっとなったりして、誌面がなかなかフラットにならないというのが日本語の組版の宿命なんですね。解消するために文字詰めをする。文字のピッチによって詰めて、均等なグレーに近づいていく」

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山根貞男 × 鈴木一誌 × 瀧本多加志 トークショー レポート・『日本映画作品大事典』(4)

【シリーズ物の扱い】

瀧本「プログラムピクチャーのシリーズものはすごく重要で、しかし監督インデックスで扱っても作品の五十音順の配列にしても、どっちにしてもシリーズはバラバラになっちゃうと。どういうふうにシリーズが判るようにするかで議論しました。結局、巻末にシリーズ名の索引をつけるということで処理しました」

山根「それしかなかった」

鈴木「『日本侠客伝』シリーズがどういう順番だったか知りたいという需要もある」

山根「そういうふうにはなってないですね。だからシリーズだけの事典もこしらえようと思えばできる。

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山根貞男 × 鈴木一誌 × 瀧本多加志 トークショー レポート・『日本映画作品大事典』(3)

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【監督インデックスと作品解説(3)】

鈴木「2010年に原稿執筆が終わってたんですが、ぼくのところに舛田利雄が来たのは2010年(笑)。まだこんな大物が残ってたのか」

瀧本「申し上げにくいんですけどお願いした方に書いてもらえなかった項目がいくつかありまして、そういうのが山根さんや鈴木さんのところに行ってしまいました」

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山根貞男 × 鈴木一誌 × 瀧本多加志 トークショー レポート・『日本映画作品大事典』(2)

【監督インデックスと作品解説(2)】

山根「ぼくが最初に呼ばれて、三省堂で鈴木さんとふたりで話したときは監督で仕分けるしかないと思ってました。すると編集部が牧野省三とか黒澤明とか書いたカードをつくってくれたんです。鈴木さんと会議室で、この監督は重要だとか分けて。監督の格付けではなくて選別するために重要度のグループをつくったほうがいいだろうと。するとDあたりがいっぱいあった」

瀧本「SABCくらいまでは、完成するまで中身は変わってないです。Dランクは大きく変わって、作品をどうノミネートするかという議論でDランクの監督が少数になったり多数になったり収縮を繰り返した」

山根「500人の監督を選ぶとき300人にフィルモグラフィーがついて200人は代表作だけ、という案も出てきたんですが、それもおかしいんじゃないかということになって。落とすのではなく作品事典にしようというところに戻っていって、全部入れよう」

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山根貞男 × 鈴木一誌 × 瀧本多加志 トークショー レポート・『日本映画作品大事典』(1)

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 100年以上の日本映画のデータを収めた大著『日本映画作品大事典』(三省堂)が22年の歳月を経て完成。編集は映画評論家の山根貞男で、ブックデザインは鈴木一誌が担当している。刊行を記念して山根、鈴木両氏と滝本多加志・三省堂社長によるトークショーが行われた。山根氏と鈴木氏は旧知の間柄で、山根氏は「キネマ旬報」に「日本映画時評」を30年以上連載しているが、そのデザインは鈴木氏(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。

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