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私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

大森一樹監督 × 上田耕一 トークショー レポート・『継承盃』(1)

大森一樹 映画

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 今年3月に、フィルムセンターにて行われた大森一樹監督のレトロスペクティブでは、『継承盃』(1992)の上映後に大森作品に多数出演した上田耕一氏のトークショーが行われた。

 

 上田耕一氏は、にっかつロマンポルノからゴジラ映画、テレビ『相棒 Season 3』(2005)に至るまで、膨大な数の作品に出演してきたベテランである。筆者が上田氏を初めて知ったのは大森監督の『ゴジラvsビオランテ』(1989)で、若い指揮官(高嶋政伸)と口論になったりしながらも最後には彼を認めたそぶりをする自衛隊幹部役が素晴らしかった(下の写真は『ゴジラ × メカゴジラ』〈2002〉)

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 上田氏は、『ビオランテ』以降のゴジラシリーズの常連で、『ビオランテ』や『ゴジラ × メガギラス G消滅作戦』(2000)のような自衛隊のお偉方から、『ゴジラvsキングギドラ』(1991)のラーメン屋、『ゴジラvsデストロイア』(1995)の警備員、『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001)の村長役など多彩な役所を演じた。『相棒 Season 3』では、シリーズ屈指の名エピソード「ありふれた殺人」に出演しているが、その熱演にゴジラを思い出して、失礼ながらつい吹き出したりした。

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 『継承盃』(けいしょうさかずき)は、アイドル主演の青春コメディやゴジラ映画などを撮っていた大森監督が東映やくざ映画に挑戦した作品である。興行的に不入りでネット上の評価も低いので、全く期待していなかったのだが、面白かった。

 元証券マンのやくざ(真田広之)が組長の継承式のために悪戦苦闘するさまをコミカルに描く快作で、控え役を担当する親分(緒形拳)とその妻(古手川祐子)に振り回されるのには笑ってしまう。『たそがれ清兵衛』(2002)などで重いイメージになってしまった真田広之が、当時はまだ若く、明るく跳ねていて、緒形拳もアル中の男を好演。全編笑いとアクションにあふれている。

 上田氏は、暴れて継承式の式場をめちゃくちゃにする男の役で、すごいインパクトだった。

 上映終了後、客席で映画をごらんになっていた上田氏と大森監督が登壇された。上田氏のトーク参加は、急遽決まったようである(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや、整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。

 

大森「(特集の)最初の週に、今回いちばんたくさん出ている俳優さんは誰かってみんなで話してたら、上田さんがいちばんたくさん出ていらっしゃる。いま新宿で(主演映画が)上映中ってことで、上田さんも東京に来られていて」

 

 過去に膨大な映画・テレビで脇を固めてきた上田氏の初主演映画『友だちと歩こう』(2014)が、このトークの数日前に封切られた。

 

大森「今回(上映されるの)は7本ですが、(組んだのは)全部でいくつ?」

上田「テレビも含めると、19本お世話になりました」

大森「上田さんを知ったのは、根岸吉太郎さんの『キャバレー日記』(1982)のキャバレーの店長役。こんな面白い人がいるのかと。一生懸命やればやるほど笑いを醸すというか」

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 大森作品初参加は、吉川晃司主演の『すかんぴんウォーク』(1984)だった。

 

大森「『すかんぴんウォーク』のときに岡田裕プロデューサーに上田さんがいいって言ったら、“上田さん、撮影所の近くに住んでるよ”って」

上田「にっかつの近くの団地、いまも住んでます」

大森「出てないときはスケジュールの都合だけで、それ以外は全部出ていただいて」

上田「ひとつひとつ精いっぱいやるっていう。だから掛け持ちができないんです」

 

 大森監督のテレビ作品『法医学教室の午後』(1985)、『女優時代』(1988)にも出演。前者では、大森監督が脚本も執筆した。

 

上田「『法医学教室の午後』では、自分の娘が子宮外妊娠で亡くなって、公表するかどうか、保険金は欲しいけどっていう。愁嘆場をやりました。若かったから、現実ならこうだろうと思ってやってみて、監督もダメを出しませんでした」

大森「自分でホンも書いているんですが、その台詞がこんな言い回しになるのかって(笑)。そこから上田耕一さんにはまっちゃって、どんなふうになるのかなって」

上田「監督は、ぼくを励ましてくれたんですよ。このシーンでは上田さんが主役ですよって。『「さよなら」の女たち』(1987)のときとか」(つづく)

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