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佐野史郎 カカクコム15周年記念インタビュー(2012)(1)

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 映画『夢見るように眠りたい』(1986)、テレビ『ずっとあなたが好きだった』(1992)や『限界団地』(2018)などで知られる名優・佐野史郎。筆者としてはテレビ『私が愛したウルトラセブン』(1993)や『青い鳥』(1997)、映画『ちぎれた愛の殺人』(1993)や『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001)、舞台『シャケと軍手』(2008)なども忘れ難い。最近はバラエティー番組の企画で負傷したが、その後の対応にも彼の人柄のよさが感じられた。

 その佐野が2012年に価格.comのサイトでインタビューに応じており、面白い内容だったので以下に引用したい。

 聞き手はカカクコム上席執行役員の鎌田剛氏が務めている。 

ふたりだけの秘密―あるいは、自転車・写真機・警報器

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――佐野さんは、非常に趣味が広くていらっしゃって、音楽だとか写真だとか、さまざまな分野でご自身の才能を発揮されていますが、カカクコムのサービスは何かお使いになられていますか?

 

佐野 もちろん「価格.com」は知ってますけど、実はあんまり価格.comで買い物したことはないんですよね。インターネットで買い物はしますが、書籍にしてもCD、レコードにしてもコレクターというわけでもないし、どちらかといえば、買えればどこでもいいやというか。でも「食べログ」はよく使いますね。仕事の打ち合わせや、仲間同士での飲み会などある時には、これは便利ですよね。ただ、食べログでお店の評判を調べて初めてのお店に行くということはあまりないです。やはり、知人に勧められたお店の場所を食べログで確認して行く、みたいな使い方がメインですかね。

 

――佐野さんは以前から「橘井(キッセイ)堂」というサイトを公開されていますし、最近では「Twitter」や「Facebook」でもかなり積極的に情報発信されていますね。インターネットに対しても、積極的に駆使しているという印象ですが。

 

佐野 「橘井堂」のサイトのほうももう10年以上やってますし、TwitterFacebookも結構ガンガン使ってます。でも、いろいろ手は出してますけど、僕自身は本当にアナログ人間なんで、デジタルが好きというわけではないんです。あくまでもツールとしてつきあっているだけで。仕事柄、写真とか音楽データとかを送らなくちゃいけなかったり、原稿を書かなくちゃいけなかったりするので、パソコンやインターネットは毎日使ってますけどね。それ以上のことをやろうとすると、たとえば、写真を作品レベルにプリントするとか、バンドでレコーディングするとかっていう話になってくると、仕事としてプロに頼んでやるし、宅録もやろうと思えばできる環境だけど、時間の使い方の優先順位からいくと、ちょっとそこまでやる余裕はないですね。

 SNSでは番組の宣伝とか、ライブなどのイベントのお知らせなんかを流したりしてます。Facebookはすでに友達が5000人(最大値)とかに達してますし、Twitterもフォロワーが2万5千人近くいらっしゃいます。そうなるとバカにはできない数字ですよね。好きなことを発信できるのは楽しいし、写真が好きなんで、気軽に観ていただけるのもうれしいですね。でも、一字一句にとても神経を使います。それは、もしかしたら表現者の一人として、とても良い訓練になっているのかもしれません。

 

――確かに、佐野さんのTwitterなどを拝見していると、すごくコアな情報が流れていますよね。一般の芸能人の方がよくやるような番組宣伝とかだけじゃなく、普通の会話的な情報が流れているというか。

 

佐野 そう。多分、昔の俳優さんやコアな映画監督、ミュージシャンの名前とかがバンバン上がってくるので、興味のない人にはさっぱりわからないんだけど、わかる人にはすごくよくわかるという(笑)。そういう意味では、FacebookとかTwitterって、広く公開はされてるんだけど、本当にコアな人たちだけがわかる暗号のようなものをやりとりしている「秘密結社」的な雰囲気がありますよね。僕自身、元々、自分が俳優の仕事をしていることや芸能人とか言われることに対して日常は特別だとは思わないようにしているし、名前や顔が知られることは確かにあるけれど、SNS上ではみんなが対等にやりとりできるので、SNSのようなツールは僕には合っているのかもしれません。

 

――そのように聞くと、先ほどご自身のことを「アナログ人間」とおっしゃいましたが、やはりかなり「デジタル」的なツールもうまく活用してらっしゃるように思います。

 

佐野 僕は、デジタルだから便利でいいとか、アナログだから味わい深いとか、そういう風には思わない。どちらにもいいところはあるわけだし。しかも、最近のデジタルツールのアナログのシミュレーション機能たるや、ものすごい進化を遂げているじゃないですか。よっぽど目や耳がよくないと、もはやアナログかデジタルかなんてわからない。映像のプロが見たって、「あの映画、フィルムで撮ったの?」なんて言いますからね。この先、ますますその差はわからなくなっていくかもしれません。アナログ素材もデジタルデータ化することが普通になり、結局デジタルのアウトプットで触れることが多いからでしょうが。となると、ますます「ものを受け止める感覚」が重要になってくるでしょうね。要するに、ツールなんてどちらだっていいんです。僕自身も、日々もそうですが旅に行く際にはノートパソコンの傍らにペンとノートを持って行きますし、その場面場面で使い分けます。どこで使い分けているかというのは非常に感覚的なものなんで説明しづらいんですが、やはり創作とか創造に関することには手書きの鉛筆とか万年筆を使うことが多いですね。瞬発的なひらめきに対しては特に。ギターの弦を弾くのも、声を出すのも、カメラのレンズを通して構図を決めるのも、この身体を駆使して向かいあうわけですから。 メールや原稿をキーボードや画面で打つ時は、推敲しながら進めますが、紙に筆を走らせる時は振り返らずに書き進めているような気がします。つづく

 

以上、価格.comのサイトより引用。 

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