読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

品田冬樹 × 長谷川圭一 × 仁科貴 トークショー レポート・『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(1)

f:id:namerukarada:20170504225646j:plain

 太平洋戦争の怨霊を背負って、日本を襲撃するゴジラ。謎の老人によって眠りから覚めた護国聖獣モスラキングギドラ・バラゴンが、ゴジラを迎撃する。

 

 平成ガメラシリーズを成功させた金子修介監督がゴジラシリーズに登板した『ゴジラモスラキングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001)は、怪獣映画にパニックドラマや伝奇物の味わいが付与された屈指の異色作。リアルタイムで見た筆者にも、強い印象を遺している。4月に横浜市にて『大怪獣総攻撃』(以下GMK)のリバイバル上映と造型の品田冬樹、脚本の長谷川圭一、出演の仁科貴のトークショーが行われた(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。

 

【企画・脚本】

 長谷川圭一氏は、シナリオライターになる前は美術スタッフとして『1999年の夏休み』(1988)など金子監督の映画作品に参加。『ウルトラセブン』(1967)のフリークで、『セブン』の脚本も書いていたという。

 

長谷川「最初は美術部で『1999年の夏休み』とか、わりと初期からやってて、ガメラに参加させていただいて。ガメラを撮ってるのにゴジラの話題とかしてて、飲んでるときに撮りたいと。そしたら後で電話来て“書く?”と。

 金子監督はちょっとときどき、表情が読み取りにくい。目を見て話さないと」

 

 当初はバラン・アンギラス・バラゴンの三怪獣がゴジラと戦う構想だった。

 

長谷川「最初に金子さんがプロットつくって、見せられて。3人で書くところをチョイス。ぼくと横谷(横谷昌宏)さんが書いて。最初は海底軍艦を出してたんだけど(一同笑)、その名残りがドリルミサイル。

 ぼくが書いた初稿では、新山(新山千春)さんと渡辺裕之さんの役が兄妹で、そういう構造で書いてたけど、監督が准将(宇崎竜童)と親子にしたいと。

 ぼくはバラゴンが暴走族殺してDQN殺して(一同笑)というのを書いて、横田さんが人物関係を書く。

 監督には台詞にこだわりがあって、「防人」とか金子さんの国防論ですね」

 

 冒頭に、前世紀末にアメリカに怪物が出現したが日本の学者は認めていないという『GODZILLA ゴジラ』(1998)を思わせる台詞がある。

 

長谷川「あの台詞は学者が認めないんじゃなくて、金子監督が認めない(一同笑)」

 

 池田湖のイッシーがバランという設定に。

 

長谷川「監督が池田湖にしようと」

品田「もともと伝説があって、いそうなところから出そうと」

長谷川「もとは“バラン バラゴン アンギラス ゴジラ 大怪獣総攻撃”というタイトルで、ちゃんと名前が入ると。(タイトルは)監督が最初から総攻撃と。“総攻撃でいくから”って。

 (ラストに)人間の力でゴジラを倒すっていうのは、最初からでした。もとは海底軍艦でしたから(笑)」

品田「人の思いから生まれたものなので、人で断つという。銀座の東宝映画に行ったら、白板にマグネットで子犬みたいなバランとバラゴンとアンギラスゴジラにかみついてる。これは合成? パペット? 大人と子犬みたいで、一発では撮れないですよ。バラゴンは小さい人を入れてって考えてました」

 

 品田氏は『ゴジラvsビオランテ』(1989)や金子監督の『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)や『ガメラ 邪神〈イリス〉覚醒』(1999)などにて怪獣造型を手がけているが、ゴジラをつくるのはGMKが初。企画段階から参加を要請されていた。

 

品田「『ガメラ2』『ガメラ3』と相手怪獣をつくっていて、金子監督に直接お会いしたのは『3』のとき。イリスが本編に出るのでお会いしたのが最初で。2000年の4月か5月かにアメリカでアジアンフィルムフェスティバルみたいなのがあって、金子監督とぼくとゲストで呼ばれて。飛行機で隣になって、ゴジラをやるから怪獣つくってと。断られないように慌てていろいろ喋ってたら、後で監督が品田さん興奮してぼくを寝かせてくれなかったと(一同笑)」 

ガメラ2 レギオン襲来
 
ガメラ2 レギオン襲来 [Blu-ray]

ガメラ2 レギオン襲来 [Blu-ray]

 

 だが前作『ゴジラ × メガギラス G消滅作戦』(2000)の興業が前作から下がっているという結果を受けて、急遽人気怪獣が投入されることとなった。

 

品田「脚本が長谷川さんから上がって、『メガギラス』公開から何日かで(金子監督から)電話があって、ちょっと声が冴えない。微妙な声。一応決まったと。ただバラゴン、アンギラスがマイナーなので、これをキングギドラモスラにすれば決まると。日本古来の設定でバラン、アンギラスなのに、キングギドラにしたら原理主義者に何を言われるか(一同笑)。カイザーギドラにしたらいろいろ言われたのに。

 バランが風でアンギラスが水、バラゴンが熱という属性があって、バラゴンが赤いのはその名残りです。

 決定は『メガギラス』が公開された後で、変更はこのときです。年をまたいで改稿作業」

 

 モスラ(南の島出身)とキングギドラ(金星出身)の設定は日本生まれに変更されている。

 

品田キングギドラも有史以前に宇宙から来たのかもしれないですね」

長谷川「最初に聞いたとき、ぼく20分くらい食い下がりました。金星はなしなのか。宇宙怪獣であって、何が護国だ」

品田「2ちゃんを読むのが怖い(笑)。読まなきゃいいのに、20個にひとつくらい正論があるかなと」

長谷川「ああいう場合、どこかで自分で乗り越えないと。(老人役の)天本(天本英世)さんが言うならそうだろうと(笑)」

 

 アンギラスとバラン、バラゴンが協力してゴジラと戦うシーンも構想されていたという。

 

品田「最終決戦で、バラゴンも生きてるシーンがあったんです。3匹のトリオ攻撃とか。結局バラゴンはあそこ(大桶谷のシーン)で終わりに」

長谷川「3匹は同等だったんですが、でもキングギドラ出すことになると、格上なのでそれで変更」

品田「GMKって言って、バラゴンは無視(笑)。変更のせいでモスラが人殺すのはちょっとっていうのも…。もともと湖にいたのはバランで」

長谷川「変更が間に合わなかった」(つづく) 

 

【関連記事】長谷川圭一 × アベユーイチ × 川久保拓司 トークショー レポート・『ウルトラマンネクサス』(1) 

にほんブログ村 映画ブログへ