私の中の見えない炎

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園子温 × オカモトレイジ トークショー レポート・『エッシャー通りの赤いポスト』(2)

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「『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』(2021)って映画が先送りになっちゃってぽかんと空いたときに、たまたまワークショップをやってみないかと。それって若者のお金を吸い取りながら大人たちがあははははってイメージ(笑)。

 彼らが授業料を払った分だけ落とし前をつけられたらと思って、映画をつくろうと。それが通ってしまって。授業をやったらバイバイみたいなのは厭だった。やった分の成果として映画(『エッシャー通りの赤いポスト』〈2021〉)をつくって、傷跡をつくりたい。レイジくんとトークショーやるぐらいの発表会が訪れるとは思わなかった。自宅でスクリーンかけてみんなで見て終わりぐらいの気持ちだったんで、それでよかった。すごく純粋につくったんでよかったといま思って」

オカモト「ひとりひとり気合入ってるのが映像から伝わってくる」

「それは彼らの力で、ぼくのせいではなくて。ただ『愛のむきだし』(2009)のころのパワーを注入したのは間違いない。最近は「こらっ!」とかやると傷ついたとか言われそうで「こら…」みたいに(笑)。ただ今回は授業料もらってるから、演技については厳し目に。いろんな相乗効果があったかもしれない」

オカモト「この人たちはものづくりじゃなくて人つき合いをしてるんだなってことはどの業界にもあるんじゃないですか。映画の途中(劇中)でこの子を主役してくれとか同じことは音楽業界でも全然あるし、どの職業でもある」

「悪い人たちは最後に叫びまくってたね」

オカモト「あの感じは最高ですね。なんか判らないけどめちゃくちゃになっちゃう。めちゃくちゃになれる環境というのは(現実には)ほぼほぼつくれない」

「(劇中で)監督が死んだ彼女に「ちゃんと逃げられないの」って言われて逃げる。あれは何回かおれにあったこと。帰りたいなって。『×××』という作品です。邪悪なプロデューサーに「あなたはすわっているだけでいいんです。モニター前にすわっててください。演出もしなくていい」って言われた」

オカモト「そんなことあるんですか」

「何のためにおれはすわっているんだろう、やーめたと。これはほんとに秘密なんだけど…撮影中に漫喫へ行きました(一同笑)。ほんとにトラウマ。これに反映されてる」

オカモト「厭なことが起きると自分の中にエネルギーがたまりますね。それをポジティブにうまく放出したいですね」

「それだよ! ここ2日間、自宅へ帰れないのは鍵を失くしたんですよ」

オカモト「DJの日にね。クラブ初心者ですね(笑)」

「このいらだちをアパホテルで貯め込んで、フィードバックしたい。午前11時までは安くなるんで、きょうもそこを活用するかも。DJの呪いだね」

愛のむきだし

愛のむきだし

  • 西島 隆弘
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 ラストでは渋谷のスクランブル交差点付近で叫ぶ。

 

「1993~1994年ぐらいに東京ガガガっていうパフォーマンス集団をやってたんですが、渋谷のハチ公を囲んだり。渋谷警察署ににらまれて、毎回逮捕寸前まで行って。署長に「お前ら何やってんだ」と。毎週やってると「また来たな」。1回飲もうみたいになって「お前らはどうして駄々こねるんだ」「駄々じゃない。ポエジーだ」。だんだん彼らも理解を示してきて「天皇誕生日だけはやめてくれ。その代わり来週は暴れていい」とかね。家族ぐるみで参加して、署長の娘さんがガガガの男とつき合い出したり(一同笑)。娘さんも反抗期。

 ぼくは『自殺サークル』(2002)とかいろんな映画で渋谷ハチ公を使ったけど、今回署長が代わったんでこれは逮捕されるかもなって思ってやってました。前の署長だったら安泰だけど」

オカモト「いいですね、その関係性」

 続編の構想もあるという。

 

「パンフレットに応募用紙があるんでそれで応募していただければ、来年(2022年)撮る「エッシャー2」に。それと今回51人を選ぶために700人の人が落ちたんだけど、敗者復活戦の映画も撮ります。落ちこぼれ映画なんで、お前は関係ない」

山岡「あ、応募できない(一同笑)」

 

 場内には黒河内りく、佐藤鯨氏など役者さんも多数来られていた。

 

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