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飯島敏宏 × 小倉一郎 × 仲雅美 トークショー(2018)レポート・『鳴門秘帖』『月曜日の男』『泣いてたまるか』(1)

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 木下惠介脚本『冬の雲』(1971)のプロデュースなど、多数のテレビ・映画作品を手がけた飯島敏宏。

 昨年10月、『冬の雲』に出演した小倉一郎仲雅美と飯島プロデューサーのトークショーが行われた。このお三方のトーク一昨年8月につづいて2度目(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。

 

【『鳴門秘帖』】

 飯島氏はテレビ『鳴門秘帖』(1959)にて初めて演出としてクレジットされた。

 

飯島大河ドラマ、歴史物を撮りたいディレクターはいたけど、ぼくはチャンバラをやりたい。ディレクターもやってたけど親方の名前が出てて、『鳴門秘帖』で企画もキャスティングもやった。飯島敏宏という名前も出たね。原保美さんとか。平幹二朗が新人で、背が高いのに刀が抜けない。俳優座だけど。だからチャンバラを教えましたよ」

小倉「この原作は大長編ですね」

飯島「スタジオドラマで生放送だけど、チャンバラだけフィルムで撮ってた。タイトルバックの渦は(ひとつ下の)大山勝美くんが四国で撮って、3泊4日で渦のアップだけ(笑)」

小倉「昔のスタジオドラマはロケになるとフィルムでしたね。画質が変わる」

飯島「チャンバラをスタジオでやると難しい。斬られて倒れるのも間が空いちゃう。

 時代劇のロケは伊豆の温泉が多い。そろそろ行きませんかって言われる(笑)。宿に泊まってると、東宝の時代劇の連中もいて。曇ってたの。映画は太陽が出ないと映らなくて、こんなでっかいカメラ持ってきてる。テレビは曇ってても綺麗に映って、測量するみたいな小さなカメラ。それで行こうとすると映画の連中が上から「テレビ屋さん、きょう何しに行くの?」。そのころまでが映画全盛で、テレビは下に見られてた」

小倉電気紙芝居とか言われてました」

飯島「このときは16ミリの小さいカメラにデバイザーっていうでかいやつをつけて。役者は(カメラで)芝居が違うって言うの。大映から来たキャメラマン。劇場映画を撮ってたもんだから。本体はちっちゃいのにデバイザーが大きい。確かにそれは言えるね。ミッチェルのときとデジカメのときとで、芝居は違う」

小倉「カメラ小さくなってるから、ぼくも映画撮ってるの?って気になりますね」

飯島「『鳴門秘帖』のころは16ミリだったけど、円谷プロは35ミリ。合成したりするからね。木下惠介さんの人間の歌シリーズも35ミリで、ロケのときは松竹からキャメラマンが来てたね」

「それもすごいね」

 

【『月曜日の男』】

 『月曜日の男』(1961)では脚本・演出・主題歌の作詞。

 

飯島「曲はできてた。歌詞もできてたけど、お水(水原弘)がスタジオに入ってこない。詞が気に入らないと。それで仕方なく書いた。いわゆる落としどころで、1番を書いて。」

「この歌入れも生で放送したんですか」

飯島「当時は1話1話が生」

「歌もそうだったんだ! 水原さんが毎回その場所に行って!?」

飯島「普段の劇伴は生の楽団が入って、木下忠司さんもそう。画面見ながらやるわけ。最後に女優さんが泣いてたら、音符を伸ばして。毎回やってたの」

「TBSが始めたレコード大賞の第1回受賞者が水原さん。その2年後ですから、大変なことですよね」

飯島「主題歌っていろいろあるんですよ。このフレーズ使うとヒットするとか。このころは音楽が先っていうのは珍しかったね。いまは逆だけど。詞があって次に音楽があったけど、詞が気に入らない。バンドもつれてきちゃってて。それで歌わないんだもの。仕方ないので書いた。いまだに年に800円くらい入ってくる。機械的にそういう数字になるんだね。作詞は(主人公の役名の)持統院丈太郎になっています」

「奥さまが(『月曜日の男』で)相手役だったと?」

飯島職場結婚。プロデューサーでディレクターでもあるから、降ろしちゃった。自分とそういう関係になったから出してはいけないかなと」  

【『泣いてたまるか』(1)】

 渥美清主演『泣いてたまるか』(1966)は、渥美が毎回異なるキャラを演じる一話完結のシリーズ。

 

「ゴールデンもゴールデン、日曜日の夜8時にTBSで飯島さんが担当されました。NHK大河ドラマの裏で、最初は “負けてたまるか” というタイトルをつけたそうで」

飯島「裏番組に負けてたまるかという。橋田壽賀子さんの旦那さんの岩崎嘉一ちゃんが編成の担当で、そのタイトルを。それで浅草から出て来た役者で渥美清という面白いのがいると。毎回、渥美清が違う役をやる。

 最終回が「男はつらい」。山田洋次脚本で。花沢徳衛さんは絵が上手で、自分の役の衣装や小道具の絵を全部描いてくる。前田吟ちゃんはまだ新人だったね。最終回だったんで、撮ってる最中にもう打ち上げやってるの。

 中村嘉葎雄さんのシリーズもあって。渥美清のは国際放映と松竹で、後に青島幸男のも。何年か経って西田敏行のもあったね。

 後半は先生が多くなったんだけど、主人公の職種変えると予算かかるんですよ。セットも違うし、途中から先生シリーズに」(つづく) 

 

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