私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

肝付兼太 トークショー “Pump Up!!” レポート・『ジャングル黒べえ』(2)

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【若き日の想い出(2)】

 ラジオ聴いてると「ただいまの出演、どこどこ劇団」ってのが多い。こういうとこに潜り込むと、もしかしておこぼれがと。

 青野武くんとか、すごい酒飲みで。ぼくは飲めないので長生き(笑)。ぼくは何かの打ち上げで、ビールをコップ1杯飲んだら痛風に。

 昔は中小の劇団をつくっても、すぐ解散でした。イデオロギーが違うとか、方向が違うとか。ぼくが浪人してふらふらしていると、音響監督の千葉耕市さんが自分でプロを立ち上げるけど参加しないかって言われて。

 いまはコンピュータでリップノイズも消せる。当時、洋画の吹き替えは生でした。中村正さんとか小林恭治さんとか、あの人たち宇宙人じゃないかってほどぴたっと合う。英語と日本語の口は違うのに。

 ぼくは『地方検事』を生でやりましたけど、アナウンスブースに8人入って、マイクは1本だけ。アナウンサーが喋るみたいに。いまは誰も買わないような14インチのテレビが置いてあって、それを見ながら声優たちが押し合いへし合いの芝居。ぼくは暴走族のフルフェイスの青年役。口が見えなくて、どこで喋ればいいのか。

 レギュラーになると自分のマイクの位置が決まってきちゃう。「私のマイクよ!」みたいにね(一同笑)。

 動きを見て台詞を入れるんですが、きっかけがずれるとどうすればいいか判らない。慌ててるもんですから7ページくらい飛ばしてた。そこは英語になりましたから、日本語と英語を使う器用な声優(一同笑)。

 30分とちらないようにしないといけない。台本のラスト見て、自分の台詞がないとばんざーい! いちばんラストでとちると、怖い先輩にいろいろ言われるんですよ。いまのほうが朗らかで明るいし、全然リラックスしてます。昔はまずとちらないこと。滝口順平さんは絶対とちらない。みんな緊張してましたね。どこでどういうふうに出ればいいのかは慣れ。慣れれば、合わせること自体は難しくない。

 新人はスタートの時点でみんな、これだっていうのは弱い。そこからどのくらい考えてやるかで差がついてくる。自分が若いころは演出家に怒鳴られたこともありました。スリッパで叩かれたり。昔の劇団はオカルト、宗教団体みたいだったね。

 昔はステレオが流行ってて、レコードでラテンのものとか聴いてました。サミー・デイヴィスJr.の物まねのレコードも買って、毎日聴いてました。ハンフリー・ボガートの映画のものまねとか、そっくりでしたね。いまはあまり聴いてない、劇団で使う音楽だけ。古い人間ですね。

 ぼくの物まねのレパートリーは、みなさんの生まれる前のもの。徳川夢声、円生とか。知らないかな。

 

【その他の発言】

 畑仕事はやってないけど(笑)年齢のせいもあって早起き。3時くらいに起きたり。夜は12時くらいに寝る。年齢を重ねるとそんなもので。起きたら自分の部屋でパソコン開いて、世の中の情勢はどうとか。ひと通り見て、劇団のホームページ開いて。後はコーヒー飲む。スタバのコーヒーいただいたりもしますね。二度寝すると長くなって、すると疲れる。

 いただいたDVDは(梱包を)切れないで飾ってありますね。これだけ仕事をやったんだなと…。無駄づかいしなきゃ、もっとたまったのかな(笑)。 

 最近ゴルフもやめまして。いまは無趣味ですね。オフの日はほとんど寝てます。稽古やって、あそこが面白くないって考えると眠れない。布団蹴っ飛ばしたり。

 最近、名前が出てこない。一日それが気になって、布団に入ったときに「〇〇だ!」。みなさんもきっとそうなります。そのときですよ、頑張るのは(笑)。