読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

角川春樹 インタビュー “角川春樹の逆襲 地震も止める男が再び文化を変える”(2000)(1)

f:id:namerukarada:20170518001841j:plain

 2005年に刊行された角川春樹『わが闘争』(ハルキ文庫)を、文庫版を書店で見かけたのを機に再読して、日本においてメディアミックスを確立した春樹のカリスマ性とトンデモぶりに改めて唸った。そこでこの『わが闘争』刊行の5年前(2000年)に行われた春樹インタビュー(「TVチョップ」Vol.2)を思い出したので、以下に引用したい。

 1993年に逮捕され角川書店社長を辞任した角川春樹は、1995年に角川春樹事務所を設立。1997年にハルキ文庫を創刊し、映画『時をかける少女』(1997)を監督。この2000年にハルキ・ホラー文庫を創刊するなどの活動を展開していた(明らかな誤字は訂正し、用字用語を統一した)。

 

修行と恋愛について 春樹大いに語る

春樹 あ、煙草2つ。あと、フィルターも用意して。うん。そう。それ。

 

 女性秘書(美人!)が運んできた赤キャビンに火を点けた角川春樹は、美味そうに煙を吸い込みながら我々の前のソファーにどっしりと腰を下ろした。

 

春樹 はい。今日はよろしく。

 

 力強い、よく通る低い声だった。

 

――煙草は1日に何本くらい吸われるんですか?

 

春樹 昔は1日3箱くらいだったんだよ。一時、結核にかかったこともあったけど、でもそのときでも止めなかった。気合いで治したんだ(笑)。

 

 氏は結核を気合いで克服したというガッツの持ち主だ。

 

春樹 だが今は秘書からきっちり管理されててね。2日に1箱。

 

――制限があるんですね。

 

春樹 データがあってね。10本まではいいというんだ。10本まではガンにならないというんですよ。

 

――しかしかえって10本で止めるほうが難しいんじゃないですか?

 

春樹 そこは節制心ですよ。この間も池内恵観さん(鹿児島県在住の高名な宗教家。あの巨人軍の清原選手も行に参加)という有名な炎の行者のところで行をしてきたんだけど、炎との距離が30センチぐらいしかなくてね。ヤケドするんだよ。しかし護摩を焚いている1時間半弱の間、微動だにせず、まばたきもせず、むしろ顔を突き出してじっとしていた。それで行者たちもびっくりしたんだね。だってその行で死んだ人間も4人いるんだよ。恵観さんも驚いて「こんな人物見たことない。真言密教のすべてを角川先生に伝えたい」と言ってくれてね。

 

 肉体を極限に追い込む炎の行で、氏はこれまでになかったような“魂の浄化”感を得たという。そして恵観師はさらに今までの肉中心の食生活を玄米と野菜中心の食生活に改めるよう角川氏に命じた。

 

――食事療法を始められて、何か変わったことはありましたか?

 

春樹 まず胃が痛くなくなってきた。それまでは胃の中が血だらけだったんだ。もちろんストレスもあった。仕事は生き甲斐だからストレスにはならないよ。しかしつまらない人間のトラブルだとかね(苦笑)。恋愛もエネルギーいるじゃないか。恋愛自体はいいけど、悪い方向に走ると深みにはまったり(さらに苦笑)ろくなことないからね。もちろんプラスに転化すると、恋愛は超能力よりも良い方向に行くよ。つまり超能力より良い出会いのほうが大事だってことだ。

 

――! 角川さん、恋愛されてるんですか!?

 

春樹 恋愛? してますよ。

 

 そういって氏は照れたように小さく笑った。

 

西暦2002年 全メディア征服宣言

春樹 そもそもホラーという言葉を作ったのは角川なんですよ。

 

――日本に“ホラー”という言葉を定着させたということですか?

 

春樹 そう。その前はファンタジー作ったのね。その前はミステリ手がけた。その前はSFを手がけた。その前は翻訳を手がけたのね。その全部をヒットさせたのね。だから次に何の時代が来るかは、もうはっきりとわかってる。

 

 そして氏は我々に、今後展開していく予定のコンテンツ(すでに稼働しているものもある)をいくつか教えてくれた。その内容は実に多岐に渡っていた。iモードと連動した句集や歌集。ネットで公開する電子小説。占い。映像ソフトのインターネット配信etc…。まさに怒濤のラインナップだった。なかでも自信作と言い切る(引用者注:『アレクサンダー戦記』につづく)アニメーション第二弾『果しなき流れの果に』(原作/小松左京 監督/富野由悠季 脚本/大河内一楼 キャラクターデザインン/のっち)は、話題になること間違いなしの大作であろう。本稿に「角川春樹の逆襲」なるタイトルをつけた意味もこれでわかっていただけたはずだ。「地獄だった」と自ら語る獄中体験、旧・角川書店での内紛劇を経て、今ここに角川春樹は華麗に復活を遂げた。いや、もしかしたら以前よりも遙かに大きな存在になっているのかもしれない。

 

春樹 もっと大きな、根本的なことを言うと、角川春樹事務所は今日(この取材は9月1日に行われた)から、5万円株を第三者に50万円で売ってるわけだ。そして来秋に株価を1株100万円までにする。そして再来年の4月に株式公開する。そしてその資金で全メディアを制覇する!(つづく) 

 

【関連記事】鎌田敏夫 トークショー レポート・『戦国自衛隊』(2)

わが闘争 (ハルキ文庫)

わが闘争 (ハルキ文庫)

 
いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命

いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命

 

にほんブログ村 本ブログへ