私の中の見えない炎

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角川春樹 インタビュー “角川春樹の逆襲 地震も止める男が再び文化を変える”(2000)(2)

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ハワイで受信した宇宙人のメッセージ

――それにしても文庫やノベルスに “ハルキ” という名前を冠するのはなぜなんですか?

 

春樹 だって角川とは言えないじゃない、今(笑)。新・角川文庫とも言えないわな(一同爆笑)。

 

――ハルキ文庫はシンボルマークがイルカですよね。あれにはなにか意味があるんですか?

 

春樹 意味はないよ。

 

――ニューエイジっぽいなと思ったんですけど。

 

春樹 ニューエイジなんて信用してないし、そもそも机上で愛を語ったってしょうがないんだ。もっと具体的なことを言っていかないと。そして具体的なところでこれからどう変わっていくかっていうのは、もうわかってるから。自分の運命以外はすべて見えてるからね。

 

――すべて見えるんですか?

 

春樹 簡単に見える。そういう能力も持ってるし、世の中がどういうふうに変わるかもわかってる。どういう地震がいつ来るかっていうのもわかってるし、それを止めることもできるし。

 

――角川書店にいらっしゃった頃、会議中に地震を止めたという伝説は本当なんですか?

 

春樹 そう。「止まれ」って言った。

 

――…誰に言ったんですか?

 

春樹 地球に対して言ったんだね。

 

――そうすると止まるんですか?

 

春樹 ピタッと。

 

――UFOもよくご覧になるとうかがったんですが?

 

春樹 3歳のときから見てる。コンタクトしたのは1回だけ。グレイ星人とだな。

 

――そのグレイ星人とは、どこでお会いになったんですか?

 

春樹 ハワイにいたときにね、ある日、「アラモワナショッピングセンターに行け」と、そこに石屋があるからというメッセージを受けたんだ。なんのことだろうと思いながらショッピングセンターに行ったら、確かにオベリスク(石柱)状の水晶があった。あ、これを買えと言うんだなと思って買って、ホテルに持って帰ってきたら彼らがコンタクトしてきたんだ。

 

――どんなふうにですか?

 

春樹 ここにメッセージ入れてくれ、とテレパシーで伝えると、ビカビカッと光って “OK” のサインを送ってきた。

 

――彼らは我々に向かってなにかメッセージを発してるんですか?

 

春樹 もちろん。

 

――どんなメッセージなんですか?

 

春樹 ただ彼らも2つに分かれてるんだ。銀河連合と宇宙連合にね。だからすべていいメッセージとは限らない。必ずしも近寄ってくるETがいいものとは言えないわけだよ。

 

――見えた見えたって喜んでいるだけではだめなんですね。

 

春樹 そう。だからUFOそのものには意味はないし、ETも神じゃない。本来、人間の意識の領域を拡げていくと150億光年先まで見えてくるわけなんだけど、その人間が認識し得る領域の外、つまり宇宙の外側にさらに宇宙があるわけだ。もう人間にも何物にも介在してこない宇宙。それが宇宙の本当の創造主なんだ。だからそれは宗教の言う創造主とは意味が違う。そして人がダイレクトに天(宇宙の本当の創造主)とつながれば、宗教という組織は必要ないんだ。

 

――宗教が必要なくなってしまう時代がやってくるんですね。

 

春樹 むしろ宗教者の “自分を変えたくない” という、変化に対する拒否感が逆に死をもたらしてしまう可能性もあるね。

 

――宗教を信じていたゆえに死んでしまうんですか?

 

春樹 意識変容に恐怖を抱いている人間は滅んでしまうだろう。

 

――天変地異も起こるんですか?

 

春樹 太陽のフレア(爆発)、放射能、隕石、さまざまな問題が起きる。それで淘汰もされるだろう。

 

――日本でもかなりの人が死ぬと?

 

春樹 もちろん。

 

――何年くらいからですか?

 

春樹 2001年5月から7月にかけて始まり出す。しかしそれは悪いことじゃないんだ、決して。

 

――だけど死ぬのは嫌ですよ(笑)。どういうふうに対処すれば我々は生き残ることができるんですか?

 

春樹 まずはウェルカムという姿勢。どんな変化に対しても受けとめていくと。それが基本ポイント。茶髪ガングロヤマンバスタイル、あれが一番目覚めるのが早いんだよ(笑)。だってあいつら何も考えてないんだもん。(取材・文:島田文昭)

以上、「TVチョップ」No.2より引用

 

 角川春樹は同時期の「キネマ旬報」2000年10月下旬号でもインタビューに答えており、そちらは宇宙人などの無茶な話はしていない。

 『わが闘争』(ハルキ文庫)によると、この「TVチョップ」のインタビューの2か月前の2000年7月に胃ガンが発見されていた(煙草は10本までならガンにならないとか言っていたが)。そしてインタビュー後の11月に最高裁の上告が棄却され、実刑が確定。それゆえなのか、豊富な企画はほぼ凍結されることになった。

 

ガンになり、上告棄却、二回の手術と、次から次へと問題が降りかかってくるのには、さすがのおれでも、やはり参った」(『わが闘争』)

 

 2004年に出所後は角川春樹事務所の社長に復帰。この10年くらいに春樹の功罪も冷静に再評価されてきたように思う。