テレビ『ウルトラセブン』(1967)が今年で55周年を迎える。記念プロジェクトとして『セブン』のうちの5本が4Kリマスターで上映され、55年前に第1話が放送された10月1日に池袋でトークイベントも行われた。主演でモロボシダン役の森次晃嗣、映画『シン・ウルトラマン』(2022)を監督した樋口真嗣、『ウルトラマンZ』(2020)に出演した黒木ひかりの各氏が登壇し、司会は『ウルトラマンZ』や『仮面ライダー電王』(2007)など多数の特撮作品に出演している関智一氏が務める(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。
【パネルトーク】
まずは樋口・黒木・関の各氏のトーク。
樋口「ぼくはここにいるみなさんと同じで見てた人なので…『セブン』が好きだという話をすればいいんですか。みなさんの知ってることしか判らないですが。これが新たな関係の一歩になればと企んでおります」
黒木「(『ウルトラマンZ』の)オーディションを受けるときに初めて『セブン』を拝見したんですね。「♪セブン、セブン」ってこれか!」
『ウルトラマンZ』のメカのモチーフは『セブン』関連。
黒木「そうですね。セブンガー、ウィンダム、キングジョーにはお世話になったんですけど。いちばん思い入れがあるのはセブンガーですね。出撃時にいっしょに乗ってったり。私も操縦したり」
帯番組『ウルトラファイト』(1970)を解説する『ウルトラファイトクラブ』でも、樋口・黒木両氏は共演されたという。
樋口「地獄のような長い収録でした。朝から夜まで」
黒木「丸1日撮ってました。ずっといっしょにいましたね」
樋口「おれはいいけど黒木さんは…」
黒木「そんなことないですよ(笑)。樋口さんのおかげでいろんな情報を」
樋口「生きてて必要のない情報(笑)。『ウルトラファイト』はメッセージ性もないからね。道歩いてたら殴られるとか」
黒木「(笑)シュールですごく面白いなという感じでした」
樋口「この時間で黒木さんに『ウルトラファイト』を好きになってもらわないといけない。責任重大だった」
黒木「好きになりました(笑)。『ウルトラマンZ』でも(スピンオフ作品の)『セブンガーファイト』をやらせていただいたので、これが本家だったんだなと」
樋口「あまりオンエア見ないんですけど心配になって見たら、会話が途切れるのをおれがものすごく恐れてて」
関「監督、間が怖いタイプですか(笑)」
樋口「退屈してるんじゃないかと」
黒木「そんなことないです(笑)」
樋口監督の『シン・ウルトラマン』は海外の映画祭でも上映され、樋口氏も立ち会った。
樋口「いまだに時差ぼけが治らず、眠いですよ。年とると時差ぼけがだめなんですよ」
関「ぼくも徹夜できないですよ」
樋口「(海外の観客は)めちゃくちゃ受けるんですよ。ネロンガのことを「透明の意味ねえじゃん」って言ったらどかんと受けるんですよ。日本ではコロナもあってしーんとしてて、面白いつもりで仕掛けたところもしーんとしてるじゃないですか。だんだん自信がなくなってくる」
関「そうですか(笑)。でもぼくも劇場で笑ってましたよ」
『セブン』の前に『ウルトラマン』(1966)も4K化されている。
樋口「ブルーレイを買ってたけど過去のものになりますね。また買い直しかよ(一同笑)」
関「ほんとですよ。何Kまで出るのか」
樋口「レーザーディスクのころから買ってますからね」
関「特典も変わっていくから棄てるに捨てられない」
セブン像についてファンの立場から語られた。
関「ウルトラマンは人間に乗り移ってるんですけど、セブンは自身がモロボシダンの姿になる」
樋口「人間を騙っているわけですよね。(当時は)子どもでそっかって感じですけど、最終回は帰っちゃうのって。疲れたから帰るみたいな。最終回で突然ふらふらになるんですよね。ロケ先で仲良くなっちゃった女の子に「帰っちゃうの?」って言われるみたいな」
関「(笑)雪山の回で消耗するのがありましたよね(第25話「零下140度の対決」)。あそこからビームランプも点滅するようになって、あのへんから徐々に」
樋口「弱っていったのかな。セブンの故郷のM78星雲には冬がない」
関「常夏でハワイみたいな」
樋口「ハワイでもオンエアしましたし」
関「そういうつながりがあるんですか」
樋口「ないと思います(一同笑)」
黒木「ないんだ(笑)」
関「初期のセブンは無邪気ですよね」
樋口「イノセントな。今回やる「超兵器R1号」(第26話)は核戦争がテーマのいい回ですけど、最後に廃絶しようとなったときにダンは「やった!」みたいな顔をしますよね」
関「いまのセブンのイメージと全く違う」
樋口「少年みたいな」
関「恐竜戦車の回(第28話「700キロを突っ走れ!」)でもおれも激走したいぜ!みたいに」
樋口「ちょっと浮ついた感じで」
関「そういう子どもっぽいところもありながら頑張って守ってくれたんだなと」
樋口「恐竜戦車の回は人気ですよね。立川で上映されて、つくってもいないのにゲストで呼ばれたんだけど、すっごく盛り上がるんですよ。爆弾恐怖症のアマギ隊員(古谷敏)をしっかりしろって殴るところはほんとに殴ってるみたいで、殴られたアマギ隊員のリアクションもウルトラマンっぽい(一同笑)」
黒木「ギャップがあるといいですね。普段かっこいいのにかわいらしいところを見ちゃうときゅんとなりますね。強い人ほどかわいくあるべきだと思います(笑)」
樋口「最終回では甘えっぱなしで、甘えといて帰る」
関「すごい突き放し方ですね」(つづく)