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私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

遠藤茂行 トークショーレポート・『Wの悲劇』(3)

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【角川三人娘について (2)】

遠藤「(大林宣彦監督の)『時をかける少女』(1983)では、キャメラを普通の3倍くらい(の台数を)置いて撮るやり方で、薬師丸(薬師丸ひろ子)さんはワンキャメで集中するけど、原田(原田知世)さんはどこから撮ってもいいタイプ。結果的に、原田さんは最初が大林さんでよかったかな。可憐さとか、言葉にするとチープですけど、いままでになかった。原田さんも周囲に気づかいをする方で、薬師丸さんは自分のことを自分で喋る感じでした。

 角川(角川春樹)さんが(『愛情物語』〈1984〉を)監督したとき、ぼくは反対した3人のひとり。角川映画のトップだったし、プロデューサーでいてほしくて。そのころは言いたいこと言わせてもらえる雰囲気だったので。でも監督もやってみたいという思いが膨らんじゃったんでしょうね。常連のスタッフで固めましたので、現場は回ってました。独特のアイディアを必死に実現してました。原田さんをどうつむいでいくか、丁寧にやられてましたね」 

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 渡辺典子は『伊賀忍法帖』(1982)や『晴れ、ときどき殺人』(1984)、『いつか誰かが殺される』(1984)などに出演。筆者は『いつか誰かが』が好きです。

 

遠藤「渡辺典子さんは目力。グランプリ(受賞者)が真田広之くんの『伊賀忍法帖』のヒロイン役と決まっていて、時代劇のヒロインにうってつけでした。演技をやったことがなくともすくすく育ってきた感じでしたので、時代劇によかった。東映京都撮影所にはルールがあるというか、時代劇は自分がつくるんだってプライドの塊みたいな人が当時は多くて。渡辺さんは馴染んでいて、いじめられてたわけではないけど、彼女は騒ぐタイプでもないので(気を遣った)。

 このころは黒字ばかりで、目標までどのくらいいくかなって。

 ストロング小林さんってプロレスラーの方、(『伊賀忍法帖』の)金剛坊役が気に入られて、リングネームもストロング金剛に。ご自宅に挨拶に行くときに、車で迎えに来てくださって、こんなでっかい方が運転されておもしろかったですね(笑)」

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【『戦国自衛隊』の想い出】

 遠藤氏は、『戦国自衛隊』(1979)の記憶が色濃いという。薬師丸ひろ子真田広之が小さな役で出演していた。

 

遠藤「『戦国自衛隊』では、当時は戦車を貸していただけなくて、つくろうよって。戦車を発注して、20トンくらい。協力が得られない時代なので、手作業でした。馬もいるし。ヘリコプターがホバリングして、馬から真田くんがヘリに飛び移って、それがワンカットで、見ていて鳥肌が立つくらい。アナログであそこまで…。CGを使うという発想はない時代でしたから。戦車は『ぼくらの七日間戦争』(1988)でも活躍して、遊園地へ行ったそうです」

 

 『戦国自衛隊』の監督は斉藤光正だが、アクション監督は主演の千葉真一。 

 

遠藤「千葉さんは芸能生活20周年で、千葉さんがアクション監督。クランクイン前の合宿で、よかれと思ってやったことで随分怒られました。

 千葉さんのお宅に行ったときは、運転手が道を知らなくて迷って「え、知らないの?」って。20分遅れて、野際陽子さんと暮らしていたころで「機嫌悪いわよ」って言われて土下座(笑)。(以後は)事前に(ルートを)確認するようになりました」

 

 他に現場でも千葉に怒られ、「役者さんってこういうふうにしなきゃいけないんだと。これ以上に勉強した作品はないですね(笑)」という。

 自衛隊がタイムスリップして戦う映画は、宣伝も破天荒だった。

 

遠藤「20トントレーラーに戦車を載せて通行許可を取り、スタッフが使用許可を取って、下ろして。それで天神の地下街に入って、地下の看板をキャタピラでバババと剥いでしまって、真っ青に…(笑)。

 まだ河田町にあったフジテレビの下が食堂で、そこをタイトルコールに合わせて戦車が通る。それでまた始末書。とにかくまともなことやってたら何も伝わらないと教え込まれて」

 

 多数の作品を世に送り出してきた剛腕・辣腕の宣伝マンは、顧問となったいまも快活なオーラを感じさせた。

 

遠藤「ぼくは新入社員に当時のことを話してくれってよく言われるんですが、彼らは22、3歳でその時代には生まれてないけど、聞きたがってくれる。『あまちゃん』(2013)の小泉(小泉今日子)さん、薬師丸さんだと。先輩たちのいいところを継承してほしいですね」

 

【関連記事】鎌田敏夫 トークショー レポート・『戦国自衛隊』(1)

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