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私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

和田誠 × 平山秀幸監督 トークショー レポート・『快盗ルビイ』(1)

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 イラストレーター・エッセイストなど多彩な活動で知られる和田誠は生粋の映画マニアで、1980年代から90年代には映画監督としても作品を発表している。6月、『和田誠シネマ画集』(ワイズ出版)の刊行を記念して、池袋の“文芸坐”にて特集上映が行われ、和田監督とゲストとのトークもあった。また、本年は和田氏が『麻雀放浪記』(1984)にて監督デビューしてから30周年でもある。

 デビュー作の『麻雀放浪記』は比較的リアルなタッチの作品であるが、第2作『快盗ルビイ』(1988)はヘンリイ・スレッサーの原作小説を日本を舞台に映画化したフィクショナルな内容となった。

 マンションに越してきた主人公(小泉今日子)が階下に住む男(真田広之)を引き入れ、さまざまな犯罪に挑戦するが、ことごとく失敗する。

 『快盗ルビイ』は時代を感じさせる部分もあるものの、往年のアメリカ映画を日本に巧みに移植した佳品である。主演の小泉・真田コンビと母親役の水野久美に加えてゲスト出演の豪華さもいい。

 和田氏は監督・脚本だけでなく主題歌作詞や挿入歌の作詞作曲まで担当。主題歌の作曲は、昨年末に急逝した大瀧詠一である。

 『快盗ルビイ』の上映後、和田監督と当時助監督だった平山秀幸氏のトークショーがあった。平山氏は、『学校の怪談』(1995)や『愛を乞うひと』(1998)、『笑う蛙』(2002)、『OUT』(2002)、テレビ『ヒトリシズカ』(2012)など多彩な作風の作り手で、現在は『エヴェレスト 神々の山嶺』を準備中。平山作品では、知名度の高くない『ターン』(2001)も秀逸で忘れ難い(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りなので、実際の発言とは異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承下さい)。

 

【企画段階】

和田「久しぶりに見て、うまくできてるなと(笑)。

 彼はチーフ助監督だったので、監督よりはるかによく知っています。質問があったら、こちらに訊いて(笑)」

平山「最後に助監督をやったのが、『快盗ルビイ』です。88年ですね。麻布にある(制作会社の)サンダンスカンパニーへ行ったら、真田くんと小泉さんの曲(和田氏が作詞作曲した挿入歌「たとえばフォーエバー」)はもうできていました。

 『ルビイ』は大きな事件の起こらない淡々としたホンなんですけど、唄を聴いてホンを読むと、これからつくる映画の色が判る気がしました。唄の力ですね」

和田「ホンを書いてるときから、ヘンリイ・スレッサーの原作を、これそのまま映画にしたいなって。原作はニューヨークの話ですから、東京に置き換えてつくったんですけど」

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 小泉今日子主演というのは、最初から決まっていたわけではないらしい。

 

和田「原作ではルビイが男性で、自分の従兄弟を子分にして、何をやっても失敗する。それをそのままやるのでなくて、アクセントとして女性にして書きはじめて、それで小泉今日子が浮かんだんですね」

 

和田誠伊丹十三 (1)】

 平山氏は、前作『麻雀放浪記』でも助監督を務めている。

 

平山「『麻雀放浪記』と『お葬式』(1984)のチーフ(助監督)もやってます」

 

 俳優・エッセイストであった故・伊丹十三監督の第1作『お葬式』と『麻雀放浪記』は同じ年であった。

 

平山「まず助監督をやって運が良ければ監督をやるという時代でしたから、1983年ごろは伊丹さんや和田さんみたいな(助監督出身でない)異業種の監督が出てきてむかむかしていました(笑)。(その後に)北野武さんも出ていらっしゃって、(異業種監督では)この3人が抜きん出ていると思います。和田さんも伊丹さんも、ものすごい映画ファンですし」

和田「伊丹さんは俳優さんでもあったから、アメリカ映画にも出てるし。テレビも、ドキュメンタリー演出とかいっぱいやってるね」(つづく)

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