小百合婦警(鈴木美司子)は「美しくロマンティックに死ななきゃ」と予行演習。幻想の中で、彼女はいつもの制服ではなくて、ブルカか羽衣のような美しい衣装を身にまとっていた。
ナナコ(富岡香織)は、男友だち4人からプロポーズを受けたので、4人と結婚したのだという。
「新婚旅行はどこへ行くと思う? 天国よ! すごいでしょう」
それを聞いたロボ丸(声:曽我町子)は、何としても地球爆破を阻止することを決意する。
そのころ、地球を脱出するためにロケットへ乗り込んだカンチャン星人(石井喧一)とネクラゲ(声:上田敏也)だったが、突如はしゃぎ始めたネクラゲがロケットを破壊。結局彼らも逃れられなくなってしまった。爆弾の止め方は、カンチャン星人も判らないのだという。
みなは落ち込むカンチャン星人と記念撮影した後、最後のパーティに興じていた。
ロボ丸は、爆弾の分解を試みるも失敗。そこで、爆弾が地球の表面をくすぐる前に、自分が爆弾にくすぐられればいいのだと思いつく。
爆弾は「コチョコチョ」と言いながらロボ丸をくすぐり始めた。
やがて、ずどーんという爆発音。
窓から光が差し込み、寝ていたナナコは「ママ、パパ、天国よ!」と飛び起きる。みなが外へ出ると、くすぐられて疲れ果てたロボ丸の姿があった。
ロボ丸の活躍で、地球は救われた。町には平和なお正月の光景があった。
終末ものの作品としては、アメリカ映画『地球最後の日』(1952)や『2012』(2009)、手塚治虫『鉄腕アトム/地球最後の日』、藤子・F・不二雄『モジャ公/地球最後の日』などを筆者は想起するのだけれども、同じタイトルでも作風は異なっていた。映画や『アトム』がドラマチックに盛り上げてみせるのに対して、『モジャ公』は登場人物が動じずに、「人間あきらめると水のようにすみきった心になるものだ」と諦観の境地に達しており、ブラックな魅惑を強烈に放っている。
今回の『ロボ丸』は、『モジャ公』の系譜(?)に属する作品であろうが、レギュラー陣の描写のリリックな味やクライマックスの場面での荘厳さ(!)を感じさせる映像など、忘れがたい独自の魅力がある。
本作の演出を手がけた坂本太郎監督は、この第13話がデビュー作。『仮面ライダー電王』(2007)など多数の作品を手がけ、2011年の『海賊戦隊ゴーカイジャー』を最後に、現役を退かれたとのことである。脚本の浦沢義雄とは、引退作の『ゴーカイジャー』でもコンビを組んでおり、そちらではひたすらばかばかしい笑いが横溢していた。