私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

大海赫 × 松井周 トークショー レポート・『ビビを見た!』(2)

松井「文章を書かれてから絵を思いつくんでしょうか」

大海「頭の中にイメージが湧いてくる。それを筆記するだけで間に合わない。考えてる暇がないです」

松井「絵のほうに文字が書いてあることもありますよね。『ビビを見た!』(復刊ドットコム)に特急コガラシ号というのが出てきますけど、絵に走れいもむしって文字が書いてあります。でもいもむしって表現は文章の中には出てこないですね。思いついたら書くということなんですね」

大海「そうですね。電車って遅いなあとよく思う気持ちが、いもむしになったんですね(笑)。もっと速くてもいいのになと思っちゃう」

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山田洋次 × なべおさみ トークショー レポート・『吹けば飛ぶよな男だが』(3)

【『吹けば飛ぶよな男だが』(3)】

山田「この映画(『吹けば飛ぶよな男だが』〈1968〉)をつくってるときは、関西と関東のことは考えなかったね。蛾次郎(佐藤蛾次郎)見てると関西の人間は面白いな、いままでぼくはイメージしたことのない人間がここにいるなという面白さは感じたけれども。犬塚弘さんは全く関西じゃないよね、どう考えても関東の人」

なべ文化学院出ですから」

山田「何代もつづいた江戸っ子で、ああいうタイプは、本当は関西にいない。近ごろになってとても感じますね。関西の役者の特徴というか、藤山寛美も森繁(森繁久弥)さんもふにゃふにゃしてて、体型的にもね(一同笑)。考え方もふわっとしてる。関東以北の人はストレートにとんとんとんっと行くみたいなところがあって、顔つきも体つきも違う」

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山田洋次 × なべおさみ トークショー レポート・『吹けば飛ぶよな男だが』(2)

【『吹けば飛ぶよな男だが』(2)】

なべ「三郎(主人公)の役がいなくて、先生戻られた。おそらく(撮影の)高羽(高羽哲夫)さんあたりが “ハナちゃんについてる付き人がいたじゃないの”と。ぼくね、先生の映画にハナ肇の付き人として行くと先生がかわいがってくれて、そこんところ歩けとかね。仕出しで使ってくれたんです。付き人にとってはものすごい喜びですよ。それを高羽さんがちょろっと言ったか、プロデューサーとか」

山田「高羽さんかもしれないよ。この作品は既成のスターを使うって意識はなかったんだよね。乱暴なことをやってます」

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