読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

山根貞男 トークショー(安藤昇特集)レポート・『阿片台地 地獄部隊突撃せよ』(1)

f:id:namerukarada:20150405122654j:plain

 かつて安藤組を率いて極道の世界で幅を利かせ、服役後に映画俳優に転身した安藤昇。渋谷では、その安藤昇の出演作品の特集上映が行われている。筆者にはよく判らなかったが、その筋の方々も見えていたようである。

 初日の『阿片台地 地獄部隊突撃せよ』(1966)、『昭和やくざ系図 長崎の顔』(1969)の上映後に、評論家の山根貞男氏のトークショーがあった。山根氏は『阿片台地』の加藤泰監督の研究でも知られ、生前の加藤監督の聞き書きなどの仕事もある。

 『阿片台地』は、中国戦線の囚人部隊で活躍する主人公(安藤昇)を笑いも交えて描いた作品で、岡本喜八監督『独立愚連隊』(1959)を想起させる。加藤監督の『沓掛時次郎 遊侠一匹』(1966)や『瞼の母』(1962)などに比べるとマイナーであるが、中国人女性(ペギー・潘)との情愛などしっとりした味わいもある(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。

沓掛時次郎 遊侠一匹 [DVD]

沓掛時次郎 遊侠一匹 [DVD]

 

 いっぱいのお客さん、加藤泰さんが生きていらっしゃったら、安藤昇さんもご高齢できょうはいらっしゃらないですが、いらっしゃったら喜んだろうと思います。高倉健特集、菅原文太特集はあるけど、安藤昇特集はぼくの知る限りない。ほんとによくぞ考えたと思います。

 『阿片台地』は、『男の顔は履歴書』(1966)、『懲役十八年』(1967)と同じ加藤泰監督と安藤昇の組み合わせで、戦中派三部作として連続してつくられた。『阿片台地』はその2本目です。松竹にはぼろぼろのプリントがあるだけで、とても上映できない。2年前ですから2013年、『加藤泰、映画を語る』(ちくま文庫)という本を出して、筑摩書房の人とせっかく文庫化したのだからどこかで連続上映しようと(話した)。ぼくはこの『阿片台地』が長い間上映されてないので、それを何とかやろう。友だちみんなでひとり1万円ずつ集めて30万くらいあればニュープリントできるかなって。そしたら松竹の人が、“ネガがないんで”って。ぼくはなんでやねん、と。松竹の人も一生懸命さがしてくれて、見つかった。映画のネガは、映画会社でなくて現像所に保管されるんです。『阿片台地』は、松竹配給だけど制作プロダクションは別の会社で、その会社の名前でネガがあって、結びつかなかったみたいですね。今年の初め、ここのオーナーさんがネガを修復して安藤昇特集をやりたいと。それで上映が実現しました。

 現像所にネガがあって、長い年月の間にクライアントが判らなくなって、持ち主不明のネガが現像所にたまっていく。倉庫代もかかるので、イマジカでは特別チームをつくって持ち主不明のネガを調べているそうです。制作会社がなくなっていることもあって、連絡したら映画界と無関係の人で、いまさらネガを引き取ることもないので、“処分してくださいよ”みたいなことも。フィルムセンターは、寄贈すれば保管してくれます。『阿片台地』はニュープリントで上映できたけど、これ1本で終わらせないで、現像所に眠っている“仮死状態”のフィルム、それらが甦るきっかけになってくれればいいと思っています。

加藤泰、映画を語る (ちくま文庫)

加藤泰、映画を語る (ちくま文庫)

 

 加藤泰監督は東映で仕事をしてきて、1966年に初めて松竹の大船撮影所に呼ばれて撮ったのが『男の顔は履歴書』。加藤さん自身が語っていますけど、松竹の野村芳太郎監督、山田洋次監督と親しくて、いつか加藤泰を松竹に招きたいということで、『男の顔は履歴書』で実現したんですね。

 加藤監督は、安藤昇と大変親しくなる。『男の顔は履歴書』『阿片台地』をやって、安藤さんが東映に移籍すると加藤監督は東映で『懲役十八年』を撮る。(つづく)

あの頃映画 松竹DVDコレクション 男の顔は履歴書
 

にほんブログ村 映画ブログへ