【基調講演 “家から連へ” (3)】
自分の子どもでなくてもいいはずで、少子化で日本人が減ると言われていますが、どこかの国の子どもを育ててもいいわけです。それが連という可能性です。新しい家族をつくっていくということが、これからの社会を豊かにしていきます。少子高齢化の日本だからこそ、新しい家族が出てきて、ふたつとして同じ家族がいないってぐらいの。そうやって助け合っていくということを思っています。
続きを読む【基調講演 “家から連へ” (2)】
私たちは個人と家とを対立的に考えてしまいます。家族制度から逃れたい人も出て来て、個人を中心にした文学、私小説があるんですね。江戸時代は家対個人という構図ではなく、家と家でないものという関係でした。幕府は徳川家で、藩も家。国家は存在しません。日本という概念はイメージとしてはあるけれど、法律にはない。いろんな家が組み合わさっているんですね。でも家でないものもたくさんあって、若衆組や年寄組、結。村にみなし子がいたら、周辺の人が結を組んでその子を育てる。女性だけの組の娘組、若い男性だけの組とで話し合って、ふたりを結婚へ持っていくとか。組、結、座、衆は村で連とかは都市。連は10〜20人。江戸時代の組織は大きくならないで、連がたくさんできる。
続きを読む花王芸術・科学財団主催で2016年から行われているシンポジウム“これからの家族を考える” 。第1回の山田太一氏の講演を聴講し、第2回は行きそびれたが、2018年11月の第3回は参加することができた。
続きを読むでも、今回はそれでもいいから、一人の人間に二つのことをやらせてみました。そうやって人間の真実に迫っていった結果、今度は逆に悪役というものも居なくなってしまった。それもまた人間の真の姿ですよね。実は、この映画を撮った後にTVドラマの脚本も書いているんですが、それは「人は素晴らしい」と描いているんですよ。ただ今回、この映画ではあくまでも “人間の真実” を描こうと思ったんです。