私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

田中優子 講演会 “家から連へ” レポート (3)

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【基調講演 “家から連へ” (3)】

 自分の子どもでなくてもいいはずで、少子化で日本人が減ると言われていますが、どこかの国の子どもを育ててもいいわけです。それが連という可能性です。新しい家族をつくっていくということが、これからの社会を豊かにしていきます。少子高齢化の日本だからこそ、新しい家族が出てきて、ふたつとして同じ家族がいないってぐらいの。そうやって助け合っていくということを思っています。

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田中優子 講演会 “家から連へ” レポート (2)

【基調講演 “家から連へ” (2)】

 私たちは個人と家とを対立的に考えてしまいます。家族制度から逃れたい人も出て来て、個人を中心にした文学、私小説があるんですね。江戸時代は家対個人という構図ではなく、家と家でないものという関係でした。幕府は徳川家で、藩も家。国家は存在しません。日本という概念はイメージとしてはあるけれど、法律にはない。いろんな家が組み合わさっているんですね。でも家でないものもたくさんあって、若衆組や年寄組、結。村にみなし子がいたら、周辺の人が結を組んでその子を育てる。女性だけの組の娘組、若い男性だけの組とで話し合って、ふたりを結婚へ持っていくとか。組、結、座、衆は村で連とかは都市。連は10〜20人。江戸時代の組織は大きくならないで、連がたくさんできる。

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君塚良一 インタビュー(2005)・『MAKOTO』(5)

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君塚:ただ、僕は今回の映画では、それを引きの画で撮るべきだと思いました。それに東山東山紀之さんと和久井和久井映見さんが見詰め合ってくれているのに、カメラをその間には入れられないですよ。でもそれも僕の思い入れとか好みというだけですよ。全員がそうするべきとか、その他を否定しようという気は全くありません。分かりやすいということも大切ですから。でも、今回はやりたくなかったんですね。

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君塚良一 インタビュー(2005)・『MAKOTO』(4)

 でも、今回はそれでもいいから、一人の人間に二つのことをやらせてみました。そうやって人間の真実に迫っていった結果、今度は逆に悪役というものも居なくなってしまった。それもまた人間の真の姿ですよね。実は、この映画を撮った後にTVドラマの脚本も書いているんですが、それは「人は素晴らしい」と描いているんですよ。ただ今回、この映画ではあくまでも “人間の真実” を描こうと思ったんです。

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