私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

高田宏治 × 伊藤彰彦 トークショー レポート・『笠原和夫傑作選』(3)

笠原和夫の作家性 (2)】

高田任侠映画はやむなくそういう世界に入ったけど、美意識を持っていたやったら受けたわけや。あの人の『博奕打ち 総長賭博』(1968)でも如実に出てますよ。血のつながりをぶち破るジレンマに目をつけて、書いた。肉親を殺すときに、けちな人殺しと言ってしまうと任侠道は成り立たない。やくざにとっては正義のはずなのに、それを否定してかかる。あの人は任侠道をつぶしていく。ぼくらは受けることばかり考えてたけど、あの人は冷たい眼を持っていて、世代的なものかな。愛国ってことで死を覚悟した。強い人は拒否するけど、彼は拒否しなかった」

続きを読む

高田宏治 × 伊藤彰彦 トークショー レポート・『笠原和夫傑作選』(2)

笠原和夫の人間像 (2)】

高田「ぼくは戦後派というか半端で、終戦で11歳。笠原さんは幼年学校ですから、一応戦争体験があって私よりひと世代前。食べるために映画会社に入って書いて、ひばり(美空ひばり)ちゃんをやったり、やくざ映画を書いたり。やくざは唾棄するほど好きじゃなかった人なのに、それで食べていかなきゃならん。ジレンマとしてあったんですよ。だから他人のはずかしい部分を暴いて商売するから、自分の本性もさらけ出さなきゃだめだと。そうして初めて他人のことで食べられる。他人の悪いとこ、はずかしいとこも書かなきゃならないじゃないですか」

続きを読む

高村薫 インタビュー(2002)・『晴子情歌』(3)

f:id:namerukarada:20181125193248j:plain

Q:どうしても書けなくて、困り果てることはありますか? 書いてる途中の息抜きや気分転換にピアノを弾くことはありますか? また、最近、ご趣味の山登りはされているのですか?

続きを読む