私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

山田洋次 × なべおさみ トークショー レポート・『吹けば飛ぶよな男だが』(3)

【『吹けば飛ぶよな男だが』(3)】

山田「この映画(『吹けば飛ぶよな男だが』〈1968〉)をつくってるときは、関西と関東のことは考えなかったね。蛾次郎(佐藤蛾次郎)見てると関西の人間は面白いな、いままでぼくはイメージしたことのない人間がここにいるなという面白さは感じたけれども。犬塚弘さんは全く関西じゃないよね、どう考えても関東の人」

なべ文化学院出ですから」

山田「何代もつづいた江戸っ子で、ああいうタイプは、本当は関西にいない。近ごろになってとても感じますね。関西の役者の特徴というか、藤山寛美も森繁(森繁久弥)さんもふにゃふにゃしてて、体型的にもね(一同笑)。考え方もふわっとしてる。関東以北の人はストレートにとんとんとんっと行くみたいなところがあって、顔つきも体つきも違う」

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山田洋次 × なべおさみ トークショー レポート・『吹けば飛ぶよな男だが』(2)

【『吹けば飛ぶよな男だが』(2)】

なべ「三郎(主人公)の役がいなくて、先生戻られた。おそらく(撮影の)高羽(高羽哲夫)さんあたりが “ハナちゃんについてる付き人がいたじゃないの”と。ぼくね、先生の映画にハナ肇の付き人として行くと先生がかわいがってくれて、そこんところ歩けとかね。仕出しで使ってくれたんです。付き人にとってはものすごい喜びですよ。それを高羽さんがちょろっと言ったか、プロデューサーとか」

山田「高羽さんかもしれないよ。この作品は既成のスターを使うって意識はなかったんだよね。乱暴なことをやってます」

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山田洋次 × なべおさみ トークショー レポート・『吹けば飛ぶよな男だが』(1)

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 チンピラの主人公(なべおさみ)と仲間(佐藤蛾次郎)は、家出した若い女緑魔子)をつれて逃げた。彼女は妊娠しており、主人公は彼女を思いやりながらも、取り返しのつかない事態を引き起こしてしまう。

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