私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

雨宮慶太 × 井上敏樹 × 若松俊秀 × 岸田里佳 × 成瀬富久 × 三輝みきこ トークショー レポート・『鳥人戦隊ジェットマン』(5)

【その他の発言 (2)】

 『鳥人戦隊ジェットマン』(1991)は視聴率も好調だった。

 

井上「14パーセント越えたら自分の脚本で監督もやらせてくれって言って、鈴木さん(鈴木武幸プロデューサー)は「いいよいいよ」って言ってたけど。13まで行ったら、鈴木さんが「話がある。寿司でも食いなよ」って。それで「あの話はなかったことにしてくれ」(一同笑)」

 

 雨宮氏は他の『仮面ライダーZO』(1993)や『人造人間ハカイダー』(1995)などでは監督とデザインを兼任した。

 

若松「『ジェットマン』では雨宮さんはデザインはやってたんでしたっけ?」

雨宮「いや、ベロニカ(第43~45話に登場)だけ。キャラクターデザインができなくて、それはすごくストレスだったね。監督業のみなんだよ。普通当たり前なんだけど、監督業で呼ばれて、自分のビジュアルイメージを画に反映する場所がなくて。ベロニカは雨宮監督のデザインも見たいっていう声があって、鈴木さんがそれを見て1体やるかって」

井上「デザインは野口(野口竜)さんだっけ? でも野口さんも愚痴ってたよ。「雨宮監督だとデザイン描きにくい」って(笑)。しょうがないよね、お互いね」

雨宮「やりにくいのは判る」

 

 20年後の『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011)の第28話「翼は永遠に」ではジェットマンがフィーチャーされた。井上脚本で若松氏がゲスト出演。

 

若松「ラストから20年後に私、もう1回変身するんですけど」

雨宮「それ、おれ知らないんだよ」

若松「あるとき、井上さんから「お前もう1回ブラックコンドルに変身しろ」って言われて。「やだよ」って言った」

雨宮「まださまよってんの」

若松「「おれが書くのにお前出ないのかよ」って」

井上「プロデューサーから電話かかってきてさ、ジェットマン編をやりたいと。凱の話なら書くって答えて。「凱は死んでるじゃない?」って言われたから「どうにでもなるからおれにまかせろ」って(一同笑)。あれは結構愉しかったな。女神といちゃいちゃしてギャンブルしてな」

若松「(『ゴーカイジャー』の劇中では)飲めなかったけど、『ジェットマン』の1年間で本物のマッカランずっと飲んでますからね。いま思い出した。あなた方に1991年のマッカラン贈りましたよね」

井上「だから?(一同笑)」

若松「普通は、お前飲みに来るかとか」

雨宮「ああ、そういうこと」

若松「その2本しか買えなかった」

井上「いつまでもそんな酒のこと言ってんじゃないよ(一同笑)。酒は飲んだら忘れる」

若松「雨宮さんのは『牙狼』(2005)で、おれが贈ったマッカランを螢雪次朗さんが飲んでましたよ」

雨宮「何でだろう」

若松「今度チェックしてみてください(笑)」

 雨宮監督 × 井上脚本 × 若松氏のトリオは『衝撃ゴウライガン!!』(2013)にも登板した。

 

井上「何で『衝撃ゴウライガン!!』の話になるんだよ(一同笑)。とても愉しかった番組ですよ」

雨宮「本直しが1回もなかった。ホン打ちが2秒ぐらい。「はい、お願いします」と」

井上「じゃあ飲みに行くかと(笑)」

若松「私の秘書役は壇蜜ですよ」

井上「まだブレイクする前だったね」

【キャスト陣も登壇】

 筆者は聴講していないが、この日は昼にイエローオウル/大石雷太役の成瀬富久、ホワイトスワン/鹿鳴館香役の岸田里佳、小田切綾長官役の三輝みきこの各氏のトークもあった。その場に残っておられた俳優の三氏も登壇された。

 

雨宮「ラディゲ(舘正貴)も?」

若松「ラディゲは天からですか」

雨宮「ラディゲは地獄だよ」

成瀬「完成したものを脚本家の目線だと、どういうところを見るんですか。カメラマンの人はこうとか監督の人はこうとか聞いたことがあるんですが、脚本家の人に1回訊いてみたかった」

井上「台詞だね」

成瀬「『ジェットマン』では多少アドリブがありましたよね」

井上「気になんないね。理解してアドリブしていれば」

成瀬「そういうところに目が行くんですね」

岸田「井上さんと雨宮さんの関係性とか作品に対する深掘りとかを聞いて。私はあまり現場で考えてなかった(笑)。そういうタイプなのかな。改めて聞くと私の感じで合ってたのかな、合ってなかったのかな。いまさらいろいろ思い返して。きょう50話と51話を見たとき、この中に1年間いられたということですごく感動しましたね」

三輝「東映(特撮)では女性初の長官、いまもまだいないですね。私だけでしょうか(笑)」

雨宮「きょう見直してて長官は結構いっしょにいるのね、絵面の中に。そういう長官なんだね。駆けつけてくるとか」

三輝「私、変身したくてしょうがなかったんですよね。でも最後のほうに長官の体内に入るっていうのがあって(第43話「長官の体に潜入せよ」)、そのとき化け猫のような変身をして私が変身するとこれかと(笑)。『ジェットマン』のような台本と人間関係を大事にする作品に出会えたこと、ご縁があったことは他に絶対ないことで幸せだと思います」

若松「人間ドラマが先行しているからアクションも活きるというか」

井上「それはおれの責任だね、よくも悪くも」

 

 最後にメッセージ。

 

成瀬「この会が来年、再来年と言わず、10年後も20年後もつづけられるようにわれわれ元気で頑張ります」

井上「死んでるような気がする(一同笑)」

三輝「この作品に出会えて幸せでした。『ジェットマン』は永遠に不滅でーす」

岸田「きょうは同窓会みたいな気持ちで、ものすごく嬉しいです。『ジェットマン』という作品に関われて本当に幸せだと思えた1日でした」

若松「33年のときを経ましたが、昔見てた人、いま見始めた人もいろいろいらっしゃいますのでありがたい限りです」

井上「ずっと長い間ひとつの作品を愛してくれる人たちに会えて、またこういう作品を遺さなきゃいけないなという思いを噛みしめつつ、これからも頑張ります。みなさんもよろしく」

雨宮「この会は急に決まってばたばたしたけど、若松が頑張ってくれて。またこういうことをやってみたいと思います」