私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

雨宮慶太 × 井上敏樹 × 若松俊秀 × 岸田里佳 × 成瀬富久 × 三輝みきこ トークショー レポート・『鳥人戦隊ジェットマン』(1)

 次元戦団・バイラムの襲撃により地球防衛軍が壊滅。「バードニックウェーブ」を浴びた青年たち(田中弘太郎、岸田里佳、成瀬富久、内田さゆり、若松俊秀)がジェットマンに変身して戦うことを強いられるが、偶然戦士となった者たちは衝突を繰り返すことになる。

 スーパー戦隊シリーズ『鳥人戦隊ジェットマン』(1991)は愛憎や運命を生々しく描いた掟破りの衝撃作として、いまなお伝説的に語り継がれる。2024年6月に第50話・51話(最終話)の上映が池袋にて行われ、メイン監督の雨宮慶太、メイン脚本の井上敏樹、ブラックコンドル/結城凱役の若松俊秀の各氏のトークもあった(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。

 

雨宮「昔、文芸坐がここに移転する前、1回(『ジェットマン』の上映を)やってんだよ。移転するときに、8月24日がおれの誕生日なんだけど、その誕生日にオールナイトをやってくれたんだよ。『ゼイラム』(1991)とか『未来忍者』(1988)とか。『ジェットマン』も1話と最終話。文芸坐とはゆかりがあるっていうか」

若松「今回は50話と最終話」

井上「いいんじゃないですか(一同笑)。オッケーオッケー。3分間ラーメンの回(第10話「カップめん」)でもよかったけどな。おれのホンじゃないけど」

雨宮「あれ、井上じゃなかったっけ?」

井上「あれ荒川(荒川稔久)だよ」

雨宮「前の上映は1話と最終話で、なんか変で。1話は若松、出てないじゃん?」

若松「光をわーっと浴びただけ」

雨宮「その1話の次に最終話だと気持ちが乗らなかったんだよ。今回(の上映)は前編後編みたいな感じで、みなさん乗れたと思います。また台本がいいんだよね。ちょっと早すぎたかな」

井上「いや早くないよ(一同笑)」

雨宮「覚えてんの?」

井上「最終話は結婚式で、その前(第50話)はめちゃくちゃ戦う話だよな。若松はグレイ(日下秀昭)とだよな。面が割れるんだよな。盛り上がる話だったね」

雨宮「撮りやすいよね、井上のホンは」

井上「撮りにくいのがいたの?(一同笑)」

雨宮「うん…まあ、あんまり言うのは。井上とはお互い弱みを握ってるかもしれないからな」

井上「そうそう」

雨宮「どのカードを出すか、さぐり合ってる」

若宮「上(控え室)では結構ずっと喋ってたのに」

井上「言っていいことと言っちゃいけないことがあるからね」

若松「このご時世ね」

【企画段階】

 『ジェットマン』では雨宮氏も井上氏もメインに初就任。

 

井上「東映って昔は新人を排除するっていうかつめたいような空気感があったの。おれと雨宮が東映にエレベーターに乗ってたら、柄の悪いアクション監督系の誰かだと思うんだけど「おめえが雨宮か。次の戦隊やるんだって?」。雨宮は「やらせていただいております」。大人だなあと(一同笑)」

若松「私より6歳上だから、そのとき31ぐらい?」

雨宮「そうだね。その前は没企画をずっとやってた。(井上氏と)面識はあったよ」

井上「『ジェットマン』の前身じゃないけど、芽みたいなさ。すぐダメになったけどね」

雨宮「お金ももらってない。払わなくてもいい雰囲気があったね。絵も描いたんだけど」

若松「飲みながら?」

雨宮「違うよ。東映の本社へ呼ばれたんだから。何言ってんだよ(一同笑)」

井上「企画書も書いたもん」

雨宮「普段はサーカスにいるゴリラが、とか」

井上「おれ、そんなこと書いてた? 頭おかしいね(一同笑)」

雨宮「ヒーローなのに全員、形態が違うんだね。ゴリラとかマジシャンとか。これは無理だろうなと思った(一同笑)。その後で鈴木さん(鈴木武幸プロデューサー)に来年で戦隊が終わるからって呼ばれて。「井上くんとか雨宮くんとか若い人で」って」

井上「鈴木さん、そこでよくおれとあんたを選んだよな。なかなかの人だね(笑)」

 

 前作『地球戦隊ファイブマン』(1990)は前半の数字が低迷していた。

 

雨宮「そこで戦隊シリーズはお休みというのがうちうちで決まってるって。ちゃんと決まってたのかはわかんないよ。ただ7月くらいに大阪で『ファイブマン』の視聴率が上がって14パーセントだったって。鈴木さんに「つづけたほうがいいですよ」って言ったら、黙っちゃって。そこから攻防戦があった。だんだんきつくなってきたんだね。それまでは「最後だから」って言ってたのに、言わなくなってきた。つづける動きが出てきたんじゃないか」

 やがてキャスティングが行われる。

 

若松「われわれはオーディションで呼ばれるのが10月で」

雨宮「若松は井上が」

井上「若松じゃなきゃやらないって」

若松「ありがとうございます(笑)」

雨宮「おれはちょっと違うイメージもあったんだけど、はまってきたんだね」

井上「レッドの田中をブラックに推す人もいたんだよ。お前がレッドって人もいた」

雨宮「他にさわやかお兄さんみたいな人もいたんだけど、かなり明るいんだよ。弘太郎って暗いじゃん、顔が(一同笑)」

井上「体操のお兄さんみたいな顔だけどな」

雨宮「いや、あいつの中にどろっとしたものを感じたんだよ」

井上「確かに若松にやきもち焼いてたしな」

雨宮「撮影中にずっと「ブラックコンドルばっかりですよ」みたいな。おれは慰めて「いやお前は主役なんだからいいんだよ」「お前の顔は主役の顔だんだよ」って」

若松「上手いですね」

井上「ほんとに慰めてるのか(笑)」

雨宮「でも仲よくやってたんでしょ。現場の仲いい雰囲気が画にリンクしてる感じがしたんだよね」

若松「本来、仕切ってたイメージは奴です」

井上「そうだよね。あいつ、私生活でもレッドっぽかったよな」(つづく