
【ドンブラザーズについて (3)】
井上「(『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』〈2022〉)つよし(鈴木浩文)も最初から上手かったね。劇団も持ってるし。
白倉(白倉伸一郎)が(前作『機界戦隊ゼンカイジャー』〈2021〉の)介人(駒木根葵汰)も入れてくれと。『ゼンカイジャー』見ようかなって言ったら、いや変な影響受けるといけないから見なくていいと。無口にしたら『ゼンカイジャー』と全然違うらしいね。書いてるうちに愉しくなってきて、めっちゃ出番多くなった(笑)。いい雰囲気してるんだよな」
若松「井上さんと久しぶりに飲み会の約束をして、その日にきょうは飲みだなと思って『ドンブラ』を見たら、いきなり「炎のコンドル」(井上氏作詞、若松氏歌唱の曲)が流れてびっくりした(一同笑)」
井上「びっくりしたのがタロウがオニシスターを変身後に殴ったり蹴ったりすんのよ。書いたけど、あんなに女の子を蹴ったりしていいんだろうかと思ったよ。鍛えるためなんだけどさ、監督がかなり」
若松「鈴木武幸さんが言ってたのは、殴ったり蹴ったりは海外から見るとダメだから本来はやっちゃいけないんだけどと」
井上「でも結局は戦うんだから仕様がないよ。ボクシングでパンチ出しちゃいけないっていうのと同じだよな。
(名乗りは)後に取っておこうと思った。映画で初めてやったんじゃないかな。狂った映画(『暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー』〈2022〉)でおれも見て唖然とした(笑)。
『ドンブラ』に関しては書くのが大変だった。ああいうスラップスティック系はアイディアがいっぱい必要なんだよ。カロリーが高かったね。ライダーはドラマにつながるから話をつくるのは結構らくなんだよ。ただ一概には言えないかな。『光戦隊マスクマン』(1987)はらくだった(一同笑)。
書くのは(戦隊でもライダーでも)どっちだっていいよ。おれ流に書く。いま書きたいのは、戦隊でレッドだけ3人いて決まってなくて毎週代わる。どのレッドがいいのかって話(一同笑)。海津は長官役。若松は長官に見えないから鬼コーチ。「キックはそうじゃねえんだよ」とか(一同笑)」
海津「こないだ『ドンブラ』終わってどう?って言ったら「赤字だよ」。何が赤字なのか(笑)。「終わったら飲むしかねえから赤字になったよ」って(一同笑)」
井上「やってるとあっという間。すごく苦しいんだけどさ。飲む暇は少ししかない。締め切り終わって2~3日は、狂ったように飲むもんね。計算したら赤字だった」
【俳優について】
若松「『鳥人戦隊ジェットマン』(1991)でも5人が主役っていうか」
海津「やってるときはおれが主役だなんて思わない。若松が言うように5人が主役」
井上「みんなおれが主役だと思ってるだろ。若いうちは特に」
海津「『マスクマン』の5人が主役で、おれはただのまとめ役」
井上「ああ、そう。大人だね。さすがサバ読んでるだけのことは(一同笑)」
海津「演技事務の怖い人、寺崎(寺崎英世)さんって覚えてます?」
井上「ああ、覚えてる。ゴルゴ13みたいな人だろ」
海津「もろにやくざみたいな(笑)。(低い声で)「海津くん、まとめて!」「まとまるのがきみの仕事だからね」とか最初に言われて。「みんな新人で何も知らないから」って」
井上「荷が重いよな。お前だって新人なのに」
海津「何本かやってたから。彼らは現場踏むのも初めて」
井上「お前もどっちかといえば親分肌っぽいからさ」
海津「面倒見ちゃう。井上さんも、困ってる人いたら突き放さないもんね」
井上「縁だからね(一同笑)」
海津「またぶっ込んで来たな。言われてみると深いというか味のある台詞」
井上「でも宅配の兄ちゃんに「縁ができた」って言われてもな。頭おかしいんじゃないか(一同笑)。
でもタロウ(樋口幸平)なんか、まとめようってよりもおれがおれがって感じ。おれが撮影所行くと「もっとおれを出してください!」。お前いつも出てるじゃねえか。「もっとおいしい話つくって」って。それでつくったのが、あいつがアンドロイドになる話。もともと考えてたんだよ。レッドの幅が広がらないかなって。で、あいつの面構えだとアンドロイドが似合いそうかなと。あとタロウを、二人羽織じゃないけどラジコンにして操るとか主役を飽きさせないようにね」
海津「(『マスクマン』で)鈴木(鈴木武幸)プロデューサーに、やってる途中でどんなのをやりたいかみたいなことを訊かれた。おれは三枚目がいいですって」
井上「ああ、お前言ってた言ってた。おれにも言ってたよ」
海津「そしたら来たのが泥棒に間違えられる話。曽田(曽田博久)さん脚本だったかな。井上さんじゃなかった」
井上「いや、おれは何を書いたか覚えてない(一同笑)」
海津「プロデューサーから言われたからで、こっちからは言えなかったけど」
若松「(『ジェットマン』で)凱が死ぬってアイディアがあるって聞いたときに、死にたくねえと。最終回の放送の4か月ぐらい前に井上さんと飲んだときに「ほら凱、死すってあったじゃない?」 ってその話を持ち出して」
井上「いや、でもお前に言われる前に殺すのはおれ決めてたよ。ああいうタイプの人間は死んだほうが(一同笑)」
海津「死んで余計かっこよくなったよね」
井上「田中弘太郎は「最後まで凱が…」って(笑)」
若松「井上さんと飲んでて、演じて思うことを言って、そういうような会話だった。後はうまいもの食って」
井上「金かかってるからな」(つづく)


