私の中の見えない炎

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小池百合子 講演会 “持続可能な環境先進都市・東京の実現を目指して” レポート (2)

 ゼロウェイスティングの取り組みとしては、食品ロスの削減。SDGsの中に生産消費形態を持続可能なものにするという項目がございますが、まさしくこれです。使い捨てのプラスチックは、パリ協定が掲げる“今世紀後半の温室効果ガス実質ゼロ”を達成するためには、使い捨て型の大量消費から持続可能な資源利用への大胆な移行を先進国が主導していく必要がある。特にプラスチックは海洋生態系に大きな影響を与えていますので、注目を集めているところです。じゃあどうするかというアイディアを、学校などでも募集しています。“チームもったいない”と連携してキャンペーンも実施中ですので、是非エントリーしていただければと存じます。

 大気環境については、70年代と比べますとSPMやNO2の数値は改善しております。光化学スモッグを引き起こす光化学オキシダントPM2.5などまだ改善の余地もあるということで、原因物質の揮発性有機化合物の排出削減、ほかの地域の汚染物質の移入対策、大気中で二次的に生成されるメカニズムの解明などをしていきたいと思っております。

 東京都の奥多摩などには自然が広がっていますが、自然公園ビジョンを考えております。雲取山は2000メートル。行政区域の36パーセントが自然公園になっておりまして、自然を守っていきたいと思っております。明治の森高尾国定公園は、国定に指定されて50周年です。ぶっぽうそう復活プロジェクトも行う予定です。

 東京都にラムサール条約の湿地が登録されるということで、葛西海浜公園ですが、冬になると2万の渡り鳥が飛来するほか、カニや貝など多くの生きものを見ることができます。すぐそばにスラローム会場が設けられる予定で、ちょっと先に干潟が控えています。

 2020大会に向けて環境政策をいくつも進めているわけですが、国連の“持続可能な開発のための2030アジェンダ”というのがあります。IOCのバッハ会長のもと、2020アジェンダも定められていて、キーワードは持続可能性。2020大会も環境に最大限配慮しなければならない。

 昨年6月に“ホストシティTokyoプロジェクト推進本部”を立ち上げまして、5つのプロジェクトを推進しています。晴海に選手村がつくられますが、一角に水素プロジェクトを実行します。水素エネルギーの利用を通じて、メッセージとして発信していきます。 

挑戦 小池百合子伝

挑戦 小池百合子伝

 今年の暑さはひとつの災害と言われましたが、2年後は大丈夫だろうかとみなさんご心配かと思います。アスリートの方々は体を鍛えているわけですが、例えば競歩は皇居の外縁を25周回られるのですが、応援の方々は鍛えているかどうか判らない。外縁の松林は日陰をつくるわけにいかないということで、さまざまなトライをしています。道路の遮熱性舗装、街路樹の緑陰拡大ですとか。路面温度の抑制の実証実験も進めております。競技会場周辺でクールスポットをつくるなど、あらゆる面でハードとソフトの両面でサポートをしていきます。大変な暑さとともに各地を豪雨が襲いました。だからこそSDGsへの取り組みを進めるのが肝要だと考えております。

 開会式と閉会式の4日分は、キャップ&トレードを活用しまして、都内すべてのCO2をゼロにする取り組みをしています。4日間をゼロカーボンにする。一方で森(森喜朗)会長の組織委員会が目指しておられるのカーボンオフセットへの協力。

 リサイクルと言えば“みんなのメダルプロジェクト” 。大統領や首相、閣僚が東京へ行くときは、使い古しの携帯電話を持って行くことが大使館で合い言葉になっているかなと思うほど、みなさんにお持ちいただいています。金銀が詰まっているということで。投資ですよ、これで各国選手はメダルをお持ち帰りくださいと。先日は北京市長が来られた際、若干銀が足りないのであと1億台送ってとお願いしておきました(笑)。この“都市鉱山プロジェクト”は東京大会のレガシーになりつつあります。

 今年、日本の自治体として初めてグリーンボンドを発行いたしました。100億円規模で、即日完売。日本の機関投資家はパリのに投資されていたんですが、東京でやって東京の環境をよくしていただきたい。第三者的にも効果を検証していただいて、SDGsの調査機関にも評価をいただいております。

 

 環境先進都市の実現には、心技体が重要です。心は意識、技は技術、体はシステム。心技体が整って環境先進都市がつくられる。東京と東京大会が素晴らしいものになるように、みなさまがたのご協力をお願いして、私からの発信を終わらせていただきたいと存じます。