小池百合子 講演会 “持続可能な環境先進都市・東京の実現を目指して” レポート (1)

　9月に朝日新聞の主催する恒例の“朝日地球会議”が行われ、小池百合子・東京都知事の講演会が東京・内幸町であった。

　自民党時代には環境大臣も務めた小池氏は、やはり環境保全に関しては一家言あるようで、多彩な施策がプレゼンされた。筆者は別に小池都知事を都民として支持しているわけでもないが、ちょっと興味が湧いて聴講したのだった（以下のレポはメモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます）。ご了承ください。 

自宅で親を看取る　肺がんの母は一服くゆらせ旅立った

　この度の地球会議、冒頭に経団連の中西（中西宏明）会長のご挨拶があるということは、これは日本もいよいよ変わりだしたかなと期待するところでございます。環境大臣でした当時、環境と金融との歯車をいかに混ぜるか。閣議のときに金融大臣でいらした与謝野（与謝野馨）大臣にお声をかけて、金融に詳しい人は環境に興味がなくて、環境に詳しい人は金融にさっぱり。ここを結婚させたらどうですかという話で、もう昔ですけど。経団連会館で「金融と環境を語る」という会議を行なったことがございます。

　東京都としまして、金融賞というアワードを設けようと。中身はESG（環境・社会・ガバナンス）について。東京都も以前からキャップ&トレードをいち早く行うなど、国よりも先に行くケースがございます。アメリカではカリフォルニア州がペースセッターで、排気ガスの問題の厳しいカリフォルニアでホンダが努力されて。日本の自動車がエコであるというのを推し進めたのは、カリフォルニアで。そんな（厳格な）州法つくってどうなるのかとびっくりさせながら、世界を引っ張ってきました。東京都をお預かりする知事としましては、世界をリードする自治体でありたい。先だってサンフランシスコで国際会議が開かれましたが、東京都からも職員を派遣しております。東京から発信していきたい。

　東京都の環境についての政策をご紹介しておきたいと思います。目指しているのは3つのシティ、“セーフ シティ” “スマート シティ”“ダイバーシティ”です。ダイバーシティは若干スペルが違いますが（笑）。都市づくりのグランドデザインは、きょうのテーマのSDGs（持続可能な開発目標）をベースにしております。

　具体的にはゼロエミッション東京の実現をしてまいりたい。今年の夏は、エリザベス女王ではないですけど、ひどい年。災害にも一気に敏感になります。気候変動の影響もある。パリ協定という枠組みがありますけれども、それをどう実行するかが問われる。環境先進都市、スマート シティとしてゼロエミッション東京を目指します。

　ZEV（ゼロエミッション・ビークル）、電気自動車や燃料電池自動車の車種の拡大、技術の開発を自動車メーカーに要請すると同時に、都の政策を強化する。今年度は集合住宅への充電設備の導入・促進をいたしました。マンションでは充電設備がなくて電気自動車に変えられないということですので、補助をする。それから電動バイクですが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックではロードレースがございます。その先頭車は警視庁の車輌で、電動バイクで先導して正面から映すと、東京からの発信になるのではないでしょうか。警視庁の予算は知事が決めることになっております（笑）。中小事業者がEV・PHVを購入する際の支援を行ってまいりましたが、来年度はZEVのよさを実感していただけるように政策を準備しております。

　東京には島がいくつもありまして、ゼロエミッション・アイランドを徹底していきたいと。都と小笠原村、東京電力の三者で、母島で実証プロジェクトを検討しています。1年のうち半年程度、太陽光発電だけで島内に電気供給するというのを視野に進めています。自然遺産の小笠原ですので環境に配慮しまして、順調に進めば4年後に実証が開始できる予定です。

　ゼロエミ、日本人は4文字なんですね。カラオケとか、クールビズはちょっと伸びましたけど（笑）。4文字にすると流行る。

　キャップ&トレードは、昨年度にひきつづき、対象事業者の総CO2排出量は26パーセント削減を達成しています。それぞれの企業が一丸となって省エネ対策を進めた結果です。2020年からは第3計画期間に入りますけれども、削減義務率の検討をしているところです。

　家庭の省エネとしてはLEDの普及を進めているところでして、都内の地域家電店、量販店にご協力いただきまして省エネブームをつくると。LEDの能力も高まってまして、食べものがおいしく見えないとか課題もございましたが、いまは調整もできると。何よりも消費量が断然少なく済む。白熱灯を持ってこられた方にはLEDを1個差し上げるということで、計画を進めています。おうちの中を点検していただいて、エジソンさんがまだいたら中村教授（中村修二氏）に換えていただければと思います（笑）。（つづく） 

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