【ISについて】
康「(アメリカの)トランプとサンダースの登場は、どんな専門家も予想できなかった。極右と極左がアメリカの大統領選に関係してくるとは驚くべきこと。これは歴史に残る。クリントンに負けても、次のトランプ、次のサンダースが出てきます。
ネオ・ファシズム、極左が活発になってきて戦争状態に入ってる。ISの動き、頻発するテロリズム。日本の識者、政治家は呆然としている。誰も対応できない。あしたどんな事件が起こるか判らない。ISが正しいか正しくないかは別にして、現れるべくして現れた。中田(中田考)君はジハードとか難しいことを言ってるけど、行き場を失った若者が何千万人もいる。日本は武器が禁止されているから秋葉原みたいにナイフで暴れるとか。銃器があれば乱射事件になったですよ。
世界は大きく動いてる。ISに惹かれて、日本にも行きたい人がいるでしょう。追いつめられたときに扇動を受けたら、フランス人もドイツ人も乗りますよ。
産油国のクウェートやサウジ、カタールのごく一部の流通経路を押さえてる富裕層、彼らとつるんでる石油資本は目がくらむような富を持っている。それを返せと言っても無理だから、そのうちのいくらかの微々たる金をISのフラストレーションを解消する方に使えば収まるでしょう。ジハードとかそういうことじゃない。
石油は血の一滴。石油のために日本も太平洋戦争をやって失敗した。いまも石油は世界を動かす。
ISは必ずつぶされます。でも次のISが出てきてそれは防ぎようがない。みかじめ料、落とし前をISは払ってる。大きなこと言ってても、要は分け前がほしい」
【原発について】
康「問題はね、平井(平井有太)くんが何を考えてどこに行こうとしているのか。彼は東京生まれの東京育ちで、ニューヨークにもいた、東京っ子でニューヨークっ子。それがいきなり福島とういうローカリティに飛び込む。そこでリベラルぼんぼんが変容していく。それはいいんじゃないですか。
ただぼくがきみに言ってるように、現実に原発は止められない。代替エネルギーはまだ確立されてない。ドイツは止めたけど、実はフランスから(電力を)買ってて、マンガじゃないか(笑)。彼らが現実に止めなきゃいかんという信念で動いたのは立派だけど。
ぼくが前にかわいがってた室井佑月、ミス栃木でAV女優やって、いまはコメンテーターで反原発の急先鋒。最近会ってないけど、室井が反原発の最前線になるとは感慨無量。彼女は愛嬌があるよね。でも室井は新宿の高層ビルに住んでて、電力がなければそこはどんなに暑くなるか。そういうことを言うと極端よって言われるけど、原発止めるってそういうこと。
ただ中国とインドの原発は絶対事故起こす。でも止めないだろうね。日本はあと1回事故が起きたら止めるでしょう。ただ止めたら大変。原子力というものに手をつけたら…」
平井「後には引けないと」
康「原子力が開発されて日本に原爆が落とされた。でも日本が先に原爆を開発してたらニューヨークかどこかに先に撃っていたと思います。ドイツも先に開発してれば、ヨーロッパに撃っていたかもしれない。
戦後は原子力の平和利用がテーマだね。原子力委員会の最初の議長は、共産党のシンパ、共産党員じゃないけど。戦時中は治安維持法違反で特高につかまって、戦後は平和利用が大事だと。安全だと自分に信じ込ませていたのかもしれないけど。後に法政大の総長になったね。誰だったかな(しばらく後に、康氏は有沢弘巳だと思い出す)。その後共産党は手を引いちゃった。これは大きな事実です。日本の軍備、自衛権を主張したのも共産党で、野坂参三とかね。いまは引っ込めちゃった。非難するつもりはないけど。
当時は立教大が原子物理学をリードしてて、理論物理学者の武谷(武谷三男)さんとか。吉本隆明は詩人である前に、もともと技術者。核は安全である、反・反原発という考え方でやってて、技術的な安全を保障しうると。
(「原発の父」と言われる)正力松太郎はビジネスマンだから、その立場から平和利用したいと。
福島の事故は誰も想像してなかった。世界中に予想できた人はいません。結果論で何か言うのはフェアじゃない。予想してない事故は起きるから、反原発の根拠になりますね。次の福島が世界中のどこで起こるか判らない。有沢さんは心から平和利用が可能だと思っていた。15年も獄に入ってましたから、お金では動かない」
【都知事選について (1)】
康「いまの自民党、民進党とかいろんな党、派閥があるのは超高度情報社会の必然ですね。
(都知事選は)小池(小池百合子)くんが自民党内で追いつめられてて、勝負に出た。勇敢と言えば勇敢、自暴自棄と言えば自暴自棄」(つづく)
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