――エロが純粋なオナニーツールというより、一つの娯楽として受容されていたんですね。
切通 今でこそ、割と遅い時間でも外を子供連れて歩いてる大人っていますけど、僕が子供の頃は「夜9時過ぎたら大人の時間」という感覚がハッキリあって、そこに子供が立ち入ることはできなかった。今みたいに、アニメを深夜にやってるなんて考えられなかったわけです。大人の世界には女性のヌードも出てくるけど、とはいえ裸だけがただ写されてるっていうことでもない。裸やセックスばっかりっていうのは当時の表現規制からいっても難しかったし、一つの大人文化としてエロの存在があったんじゃないですかね。
――規制をうまくかわしていくためにも文化として成熟していく必要があったということでしょうか。