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大森一樹 × 品田冬樹 トークショー レポート・『ゴジラvsビオランテ』(3)

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ビオランテと特撮現場 (2)】

品田「特撮のコンテが出なくて、ひどいときは当日の朝出る。(後半で)ゴジラをぶっさすというのは前日出て、太い鉄筋を尖らせて周りに蔦を巻きつけました。現場は秘密主義で、スチールも少ない。戦略もありましたけふぉ、コンテやデザインが上がるのも遅かった。出来上がるまでみんな、大丈夫かなという顔してました。

 樹液は(当初)作画も入ってなくて、ばしゃばしゃ。でも光線が入って。ぼくには生のほうがいい感じでいやらしかった」

大森「(笑)ビオランテは人入ってるの?」

品田芦ノ湖のは中に人が入って、首を動かす。怪獣の演技じゃない(笑)。軸があって、すわって動かすと花が動く。高校生くらいの子です」

大森「何で人が入ってんの」

品田「あれモーターでやると高くつくんですよ。でも人が入って日給じゃ同じかな。第2形態も人が入って首が動く。アメフトのプロテクター買って、下から支える。持ち上げると顔が上がる。芦ノ湖のを使って、ばらばらに切って、本来は五本足ですが人がワイヤー使って動かしてる」

大森「神谷とかそういうのがやってたんやな」

品田「あるとき誰もいないはずなのに、帰ってきたらビオランテが動いてる。驚いたら、中から川北(川北紘一)さんが。何してるんですかって言ったら、“何でもねえよ”(一同笑)」

大森「(中盤の)芦ノ湖から撮り始めて時間が足りなくなった。川北さんは反省して『ゴジラvsキングギドラ』(1991)ではクライマックスから」

品田「GMK(『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』〈2001〉)でも(中盤の)大涌谷から撮って、ラストは時間が短くて同じことになりました。でも最後を撮ってから最初をってのは大変。『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994)のモゲラはクライマックスの撮影でぼろぼろになって、中1日で新品に(笑)」

大森「(『vsキングギドラ』の)キングギドラとメカキングギドラは別やので(後半の)メカキングギドラから始めても問題なかった。ビオランテも別の出てくるけど、でも最終形態が決まらない」

 

 ビオランテは植物だが、ダイナミックに行動する。

 

品田「自力で壁破っているのが、最後に動く伏線に」

大森「(クライマックスで)ビオランテが突進するんですけど、あれはどうやって…」

品田「台車に載せてます」

大森「そういう意味じゃなくて!(一同笑)」

品田「根っ子張ってるのに」

大森「意味不明なとこいっぱいある」

品田「突進するのは迫力出したくて」

大森芦ノ湖にあるのは動かないから判るけど」

品田「自分で壁破って湖に行ってる。台本では窓ですけど、映画では壁破っててアクティヴな奴」

大森「どうやって動いてるか、考える前に先に行く」

品田「そこで白神博士(高橋幸治)が、は?ってことを言いますね」

大森「発声上映では野次飛んでましたよ。ビオランテが進化してるとか」

品田「最初のテレビ放映では、あそこカットになってたんですよ」

大森「そのとき編集やってて、そんなには切ってないですよ。6分ぐらい」

 

 芦ノ湖で桟橋をビオランテがひっくり返す場面は、さりげなく印象深い。大森監督が演出し、ロケとセット撮影を組み合わせたのだという。

 

品田芦ノ湖の桟橋を持ち上げる蔦をつくったり。あれ、いいシーンですね。やおらドーンときて、びっくりする」

大森ビオランテは、あれだけ自分で撮ったんや。芦ノ湖とプールとを編集しました。間が1か月空いてて、髪の毛を合わせるのも大変で」

品田「蔦を貸す貸さないというのもありました(笑)。本編と特撮とで融通が利かなかったですね。型とって本編用のをつくり直しました。本編用のほうが、よくしなってますね」

大森「板を破って持ち上げる。板もベニヤの板」

品田「あのシーンの蔦が日光江戸村のお化け屋敷にあるんですよ。驚いた記憶があります」

大森「蔦は部分部分で活躍してる。怪獣は普通1体で終わりですけど、ビオランテは部分部分」

品田「結構バックサイドの人が多い。怪獣造型も2、3人しか出てませんが20〜30人でつくっています。後のシリーズでは全員名前が出てますね」

大森「クレジット長いけど、まだ人数は少なかった。いまはあんなもんやないよね」

品田「毎日夜10時までやって、家に着くと11時。電車で1時間40分、自転車だと3〜40分。だから自転車で通いました、当時コンビニがないんで、11時半までにビールの自販機に買いに行って、翌日は9時にまた自転車で。『ビオランテ』が終わった途端、ペダルが壊れました(笑)」(つづく) 

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