『ビビを見た!』(ブッキング)などで名高い童話作家・大海赫の個展 “大海赫ワンダーランド” が板橋のカフェ百日紅にて開催中。大海先生がご自身で紙芝居を披露し、動画も上映されるイベントもあった。
トークもあり、主催のまりスティーヌ。氏が聞き手を務めている(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。
大海先生は「最近脳みそが蒸発しちゃって。何を始めるの?」と登場。「きょう、ぼくが初めてお会いする方いるの?」と言われ、手を上げた人と握手して「仕事何やってるの?」。
動画は未発表の「びっくりしたびっくりさん」。紙芝居は『大きくなったら、なにになる?』(復刊ドットコム)と『メキメキえんぴつ』(同)所収の「あなたのエラさはなんポッチ」。先生自ら演じた。
【創作について】
大海「こんなのばっかり考えているんですよ。頭いかれてると思いませんか。
(意外な展開は)そういうところが絵本のコツ。読者が思っている方向に行くとダメなんですよ。売れない。意外性がないと。(アイディアのもとは)何もないです(一同笑)。無心の状態から生まれてくるものが素晴らしいんですよ。自分で素晴らしいって(笑)。
『大きくなったら何になる』は残酷な童話ですね。ほんわかしたのなんて書きたくないんですよ。結構みなさんほんわかしたのが好きだからね。
「あなたのエラさはなんポッチ」はぼくがいちばん気に入ってる。ろくろっ首が好きだからね。
ぼくは死んだら天国の遊園地のプロデューサーになりたいんだけど、それを復刊ドットコムの左田野(左田野渉)さんに言ったら「地獄のほうがいいんじゃないですか」って(笑)」
茨城の防波堤にたくさんの市民が絵を描くという “1000人画廊” に大海先生も参加された。8月の酷暑のさなか、早朝に行って描いたという。
大海「神栖っていう茨城のいちばん南の都市があるんですよ。海に面してて、その防波堤にぼく描いたんですよ。2〜4メートルのおっきな絵。年内は何か市の事情で入れないけど、新年になってから入れますから、よかったら見てください。
夜明けのプランクトンっていう題です。みなさん、プランクトンは見たことないでしょ。見たことあるわけない。鯨のいちばん好きな食糧ですよ。いろんな魚がプランクトン食べて生きてる。ぼくは図鑑で見ました。まあ不思議なものでね、それを防波堤にでっかく描いた。命を救っていただいたプランクトンを無視しちゃ申しわけない。でっかく描いたのでそれを見ていただきたい!」
会場には大海先生によるチャールズ・チャップリンのリアルなイラスト(かるたの1枚)も展示された。
大海「町内の上映とかで「きょうチャップリンやってるからこないか」って言われて、そういうところでチャップリンを見たんですね」
本を何冊もお持ちのファンの方も来られていて、大海先生は次々サイン。「ぼくはいずれ死ぬことになるんで」「私も」とやりとりをされていた。
特製ケーキも凝ったもので、食べるのがもったいなかった。開催は今月25日まで!