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柄本明 トークショー(新藤兼人映画祭)レポート・『生きたい』『ふくろう』『石内尋常高等小学校 花は散れども』(1)

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 脚本家・監督の新藤兼人が100歳で逝って5年。池袋にて第6回新藤兼人映画祭が行われ、柄本明氏のトークショーがあった。

 柄本氏は『生きたい』(1999)、『ふくろう』(2003)、『石内尋常高等小学校 花は散れども』(2008)、『一枚のハガキ』(2011)と新藤監督晩年の4本に登場。『石内尋常小学校』では主演を務めている。『一枚のハガキ』の上映後に、柄本氏のトークがあった。聞き手は共同通信編集委員の立花珠樹氏が務める(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。

 

柄本「『生きたい』は三國連太郎さんと大竹しのぶさんで。ぼく、あの、三國連太郎さんの先生の役です。出たんですけど、その前に今村昌平さんの『カンゾー先生』(1998)で(当初)1週間くらい撮ってまして、ぼくは他の役で出てます」

 

 『カンゾー先生』では、撮影中に主役の三國連太郎が降板。表向きの理由は足の不調だった。そこで別の役で出演していた柄本氏が、急遽代役を務めることに。

 

柄本「自分の初日に行って、撮影隊はもうクランク・インしてまして、行ったら三國さんと監督が…やってまして(一同笑)。まあぼくは初日だったんですけど、そのシーンが始まって、お昼に終わる予定が終わらなくて100テイクかな。97テイクぐらいまでいっちゃって、台詞が…。途中でぼくがやることになった。三國さんと今村監督は『神々の深き欲望』(1968)とかでお仕事なさって仲のいい方で。後から思うと多分、今村さんのお父さんがお医者さんで、オマージュ的な…。ぼくの推察ですけど、そこで食い違いがあったのかな。両方ともたぬきだから(笑)、他の人たちが疲れたでしょうね。ぼくもそうですけど。三國さんというわけにはいきませんけど、まあ何とか。

 ぼくと三國さんの間に何かあったわけでもありませんが(笑)、どうやって挨拶しようかなと思っていたら、大船の撮影所のトイレで会っちゃって。(『生きたい』の先生役は)『カンゾー先生』とは全然関係ないと思います」 

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 『生きたい』での新藤作品初起用の理由は、判らないという。

 

柄本「新藤監督の前ですけど、それより三國さんのことが気になっちゃって(一同笑)、今村組ではあんなだったのに、新藤組に行ったらベラベラ喋ってる。わあ…いろいろなことを感じましたけど(笑)」 

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 母娘(大竹しのぶ伊藤歩)が男たちを次々と殺していく『ふくろう』では、殺される男のひとりとして出演。

 

柄本「自分の役は覚えてないんですけど、カメラマンが三宅(三宅義行)さんって方で、そのときもう70代。ぼくは泡吹いて、こんなふうに死んじゃう。目あけて、ぶくぶくと。三宅カメラマンが、カメラ担いでぼくのところにこういうふうにやってくる。35ミリのカメラですからけっこう重量あると思う。70代で、助手の方がフォローしてもよたよた。それが怖くて(一同笑)。こうやって(顔のすぐ上で)撮るんで、ぼく死んでるんだけど、怖くて怖くて。とにかくこのカメラが落っこってきたらどうしよう(笑)、その想い出ですね」 

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 『石内尋常高等小学校 花は散れども』では、小学校教諭役で主演。

 

柄本「95歳で撮られた映画で、当初は“これでぼくの映画は終わりです”ということだったんですよ。新藤監督最後の作品のトップタイトルになるんだと思ったら、また撮ったんですよ(『一枚のハガキ』)。結局、トヨエツじゃねえか(一同笑)」

 

 自伝的な『石内尋常高等小学校』での新藤監督の若き日の役は、豊川悦司

 

柄本「監督、そんなに背はお高くないですからね。トヨエツはないんじゃないかってずっと思ってました(一同笑)」

 

 柄本氏は、前半では20代の主人公を演じた。

 

柄本「(若いころは)かつらです。すごい頭です。(若く見えたのは)かつらのおかげです。顔はどうにもならないんですが。カメラとメイクさんもやったんでしょうけど」(つづく) 

 

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