私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

飯島敏宏 × きくち英一 × 武幸作 × 荒井豊 × 西田俊憲 × 北野哲也 トークショー レポート・『LEDX-レッドエックス-』(2)

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【制作・撮影のエピソード (2)】

「(『LEDX-レッドエックス-』〈2016〉の)本編撮影は6日間で、特撮は7日間。こまごまやってました。もともとの予算から倍くらいになりました。クランク・インが遅れたり」

荒井「特撮(スタッフ)は青くなってましたよ。本編まだ(撮影に)入ってない、逆算すると特撮(の日数)どのくらいって。

 後でファンの方から言われたのは、いまの怪獣じゃないね、昭和の怪獣かなって。池袋のウルトラマンフェスティバルで人形劇をやってるウルトラPって会社の小林(小林英幸)さんが造型で、高山良策さんにインスパイアされたマニアの方で、柔らかい形を出せたかなと。

 怪獣は炎天下で大変。おれも熱中症になって“よーい、ああ…”って(笑)」

きくち「怪獣が動くとき、頭の上に機械が入ってそれで口が動いて目を閉じてじゃなくて、怪獣が動くと(その振動で)口が動く。機械が入ってるとうるさいし、重いし」

荒井「ミニチュアは使い回しもあったりして、ワンカットだけグリーンバックで、そこにミニチュアを合成するという。ミニチュアの空気感が好きなのですが、鶴川団地だったら実景がほしいなと。撮ってきて、そこにミニチュアを重ねる。一般の方でもできるような合成ですね」

飯島「ぼくは、特撮に関してはアマチュアに近いですから(笑)」

 

【俳優陣について】

 バラズ役の北野哲也氏を含め、メインの出演者はみな新人だった。

 

「ローバジェットですので、有名なキャスティングはできない。だったら芝居したことない人を集めて、ワークショップを。飯島先生にも毎週来ていただいて。おぼつかない人もいましたけど、何もやったことのない人を立ち上がらせたいと」

西田「練習にはかなり時間かけましたね」

北野「演技も全く初めてで」

飯島「彼はめきめき成長したよ」

荒井「きみの体型が必要でって、自衛隊の勧誘みたいに(笑)」

「キャストが多くて、弁当がすごくいっぱい…。3回も4回もスタッフが買いに行って。2、3個足りない(笑)」

 

 かつての防衛チームは、『ウルトラマン』(1966)にハヤタ隊員役で主演した黒部進、同作にてウルトラマンスーツアクターを務めた古谷敏、『帰ってきたウルトラマン』(1971)のスーツアクターだったきくち英一の各氏が演じる。

 

きくち「カタカナの台詞ばっかりで。ギャラもらったっけ?」

西田「払いましたよ! ぼくが払いました」

飯島「古谷くんにも電話して、もらったか確認しました(笑)」

「(老人たちは)最初から4人っていう設定でした」

荒井「ほんとは『ウルトラQ』(1966)、『ウルトラマン』、『帰ってきたウルトラマン』というはずだったんですけど、役者さんがご高齢で代わられました。

 黒部さんはナレーションですが、監督のこだわりで、ナレーションだけかと思ったら画面にも出てくると」

飯島「ちょっと心配した(笑)。黒部ちゃんとしてはがんばってるよね。ちょっと不得手だもんね(一同笑)」

荒井「(アフレコには)飯島監督にも来ていただいて、黒部さん緊張されてましたね。鶴川団地のシーンは人数も多かったんですけど、黒部さんは子どもさんとも仲良くされて、サインもしてくださって」

きくち「4人の中では黒部さんが隊長ですから、それで締まってた」

荒井「トラックの上に半分の戦車がつくってあって、結構高いんです。そこで黒部さんときくちさんに演技していただいて。マネージャーがいたら、はらはらですよ」

きくち「滑って落ちそうな(笑)」

荒井「その高さでバズーカを向ける演技で、スタッフはいちばん怖い」

きくち「私の遺作になるところでした。反動も自分でやりました」

荒井「リアルにやれば、後ろの黒部さんはまるこげですね。そこはなんちゃってで(笑)。ポーズはきくちさん考案です」

きくち帰ってきたウルトラマンは右がグーで、左がパー。今年は『ウルトラセブン』(1967)の50周年で、キングジョーの2本だけ出ております」

ウルトラマンダンディー―帰ってきたウルトラマンを演った男

ウルトラマンダンディー―帰ってきたウルトラマンを演った男

 

 Vシネマで知られる武蔵拳氏も友情出演。

 

「武蔵さんは脚本家からのオファーですね。いい方でしたよ」

飯島「何かのイベントで武蔵さんが、ぼくだいたい悪い役だけどこの映画はいいねって」

北野「モデルガンもむやみに触らず本物だという意識でやれば、画面に出るとアドバイスをいただきました」

飯島「すぐ本物を使いたがる。でも本物に見せるのが芸で」

 

 亡くなった科学者役で、飯島氏も写真出演。夫人の矢代京子氏も写真で登場する。

 

荒井「プロフィール用の写真を」

飯島「それを勝手に。皺を足したんじゃないか(一同笑)。

 (矢代氏は)女優として一応現役で、CMにも出てますから。矢代京子の芸名で出るとややこしくて、本当はお芝居をと言っていただいたんですけど

 

【その他の発言】

「昨年の7月27日に、町田市民ホールで0号試写でした」

荒井「7月6日まで特撮は撮ってました(笑)。青くなってた」

飯島「その後で、上映した反応を見て直しましたね。編集に時間がかかったのは、判りやすさを追求したから」

荒井「特撮は撮り足ししました」

「11月5日に“新進監督映画祭”がありました」

荒井「司会は石田純一さん。『ウルトラマンをつくった男たち』(1989)では飯島さんの役でしたね」

飯島「レッドカーペットをヴァベラと歩いて、しかも司会は石田くん。よくここまでたどり着いたなと」

 

 西田プロデューサーによるとこれから名古屋と大阪での上映を計画中で、パート2もつくりたいという。そして飯島氏は現代劇の映画を監督したいと構想中だと最後に明かされた。

 そして間近でみる怪獣ヴァベラはかわいらしかった(スーツアクターの方、お疲れさまでした)。

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