今年も残りわずか。例年通り、無味乾燥なつまらない1年でした。あとちょっとの時間で逆転できるか?
「♪口にはだせない 恋をしていたね」(「BLUE TEARS」)
10月某日
街ゆく人びとはスマホを使いこなして人生を謳歌し、ハロウィンにはしゃぐ。そんなハッピーな連中にも、やがて時間は等しく老いの天誅を与えるであろう。
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10月某日
盛り土問題で渦中の石原慎太郎が2001年に発表した『僕は結婚しない』(文春文庫)を、近所の古本屋で見つけて読む。東京都知事をやりながら恋愛小説を書いていたわけで、作品の出来以前に面白い人物だなと感心。
何故かヨットの場面が長く、『太陽の季節』(新潮文庫)にも通ずるこのヨットへの執着は…? また、女性の登場人物の台詞が何かに酷似している。読み進めていたら、故・団鬼六(石原と同世代)の官能小説だと思い当たった。「ひどいわっ」とか。

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10月某日
ひとつ前のシングル(「世界には愛しかない」)では「最後に大人に逆らったのは いつだろう 諦めること強要されたあの日だったか」などと唄っていた欅坂46が、「大人」に「強要」されたナチス風衣装によって非難にさらされることに。ニヒリズムに汚染された大人たちと戦うみたいなことを標榜しておきながら、実態は大人の傀儡であるという欺瞞を自己暴露したというか何というか。ただ、そのような“虚像ぶり”は山田太一脚本『男たちの旅路』(1977)の「墓場の島」でも描かれており(虚像を演じることにいらだったスターが反逆を企てるという物語だった)、いつの時代でも同じなのだろう。
それはそうと最近、毎週日曜日の『乃木坂工事中』が面白い。橋本奈々未さん、卒業。駅にあるポスターで微笑む乃木坂46のメンバーも、見分けられるようになってきた。仕事で会う人にはあまり興味が湧かなくて、なかなか覚えられないのに。

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11月某日
久々に国会図書館に行って、資料をコピーしている待ち時間にかつて実相寺昭雄監督が余技で書いた『破恋痴タウン』(徳間書店)を借り出して読む。みながムズカシ的な書物に見入る中で官能小説を読んでいるのなんて自分くらいだろうと優越感に浸っていたら、ふと見ると隣のおっさんは『サラリーマン金太郎』を開いていて、国会図書館まで来て『サラ金』を借りる人がいるのか!と打ちのめされる。
暗くなってから出て、南北線の国会議事堂前駅まで歩くと、街路で政治バンド?ががなって警官隊が徘徊していた。

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11月某日
北川悦吏子脚本のNHKドラマ『運命に、似た恋』(2016)を見ていて、主人公が恋敵に嵌められてパーティーで恥をかくって何かで見たなと思ったら、過去の北川脚本の作品だった。ベテラン脚本家のシナリオはいささか焼き直しっぽいが、映像美は凝っていてつい見てしまう、ってやはりNHKでこの春にやっていた大石静脚本『コントレール 罪と恋』(2016)と同様。
『ドクターX』(2016)は第4シリーズということで、今回初めて見たけれども『水戸黄門』(1969〜2011)だった。それ以上でもそれ以下でもないが、人気シリーズということで勝手に過大な期待を持った当方が悪いのだろう。『水戸黄門』も、割り切って見れば佐野浅夫とか芸達者が揃っていて愉しめたし…。
『逃げるは恥だが役に立つ』(2016)、評判になっているので渋々見たら?面白い。ラストのダンスなど細かく詰め込まれた仕掛けは、演出の金子文紀や土井裕泰がかつて手がけた『木更津キャッツアイ』(2002)や『マンハッタンラブストーリー』(2003)を想起させる。ただ、劇中で過去の番組をねたにするのには苦笑い。昔、『ラブコンプレックス』(2000)が似たようなことをやっていた際には素直に爆笑したのに、自分も歳をとったのかな。
勢いで映画『私の男』(2014)も。ヒロイン役・二階堂ふみは、『逃げ恥』の星野源とつき合っていたそうな。奥尻島の老婆役の人は誰だろうと思ったら、向田邦子脚本『あ・うん』(1980)の吉村実子だった!!
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11月某日
ロシアでは、改革派のゴルバチョフの退陣後に反動的なエリツィンが現れた。青島幸男が都知事を退任して、先述の石原が十数年も猛威をふるった(田中康夫が長野県知事を辞した後も、保守派が当選)。そしてオバマの次はトランプ。いずこも同じ秋の夕暮れ。
11月某日
疲れ切って帰宅した夜、LINEの無料通話で知人と数年ぶりに話す(無料通話を使うのはあんただけだと言われた)。しばらく会わない間に結婚したとのことで、思わず「おめ…」と言いそうになったら、長くは持たずに離婚したと。言わなくてよかった。
ドアの外で、落ち葉が風にころがる音がする。