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私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

長谷川圭一 × アベユーイチ × 川久保拓司 トークショー レポート・『ウルトラマンネクサス』(2)

テレビ

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【撮影の裏話 (2)】

 『ウルトラマンネクサス』(2004)にて、アベユーイチ監督はウルトラシリーズに初登板。

 

川久保「あの作品がウルトラ初って意外でしたね。初めての難しさってありました?」

アベ「短編やってフルCGアニメもやってたから(演出を)長くやってたし、恐れはなかった」

川久保「ぼくは(アベ監督の回で)遅刻して何十回もNG出して、思い出すと震えますね」

アベ「朝からキスシーンだって言ってたら、遅刻。ベンチで“うん”って言うシーン、ひとこと言えなくて46テイク。おれたちは昼休憩。午後にトライして何とかなった」

川久保「ぼくいま、若干汗出てます」

アベ「その後でキスシーン」

長谷川「遅刻したから筋金入れてやろうと?(笑)」

アベ「3%くらいあったかな(一同笑)。いや、ない。“うん”って結構難しい」

川久保「いろんな意味が込められてましたね」

 

 ナイトレーダーの秘密基地はダムにある。

 

川久保「基地がダムの奥底にある設定で、セットも大きくて冷たい雰囲気もあって、1日こもってるあの時間が好きで。序盤は隊員同士もドライで、撮影が進むとファミリーになって。あの基地に思い入れが深くて。隊長(石橋保)の「出動!」が好きで、最終回で隊長がひとりで出撃するところとか。隊長の歳にいまのぼくが近づいてる。目標は、いつか(ウルトラシリーズの)隊長をやることですね(拍手)」

アベ「基地の撮影では前もって打ち合わせしてリハに臨むけど、後半になると芝居が自由に動いていて、それを見てカメラの高橋創がカット割りを変えたり、思っていたのをいい意味で変えていけるようになって」

川久保「慣れると動き方にも工夫が出てくる。そんな基地を加藤(加藤厚成)さんにバラバラにされて、いたたまれない(一同笑)」

アベ「(監督を)やった話数が7本くらい? 真夏の暑いときに遊園地を撮っていて、リコがめっちゃ綺麗で(笑)」

川久保「ぼくは、木枯らし吹いて寒いってシーンが、その夏の最高気温の日でした(一同笑)」

アベ「暑いのに、リコ(中丸シオン)は顔に汗が出なかったね」

川久保「あの時点でリコは死んでた?」

長谷川「回想の(出会いのシーン)では生きてて、第1話ではもう死んでた」

川久保「(しみじみと)すげえストーリーだな…(一同笑)」

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【ストーリー展開と設定 (1)】

川久保「(いつ変身するかは)あいまいでした。展開を知らなくて、驚いたり悲しんだりしてして撮影が進んでいった。あのころのぼくは経験がなくて、すべてを知って芝居をするのは難しかった。少しずつ剥がしてくれて、台本もらう度にワクワクしてました」

 

 好きな怪獣について、質問があった。

 

川久保「ペドレオン断トツですね(一同笑)」

長谷川「あの触手プレイが(一同笑)」

川久保「最初にあの姿を見たときはめちゃくちゃ怖いって。でもそれすらストーリーに組み込まれていたと聞いたときは、驚きましたね」

長谷川「ノスフェルかな。いちばん嫌われてるけど、いちばん殺してて。10話くらい出たかな。ガルペロスとか正統派だけど、ネクサスでは仇役として象徴的なビースト。『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』(2007)でも出したかったな」

アベ「ぼくは自分でやってたからか、ゴルゴレム。ゴツゴツして怪獣っぽくてかっこいいなって。特撮はやってないですけど、カット割りはこんな感じでって提示していて。ほかの怪獣は気色悪くて(一同笑)」

 

 『ネクサス』では、1体の怪獣と数話戦う点も過去のシリーズと異なる。

 

長谷川「いろいろ悩むところがあって。平成になって昭和の怪獣と比べて、デザインや造型がよくても消費されてく感じがあって。予算の縛りもあって、何回も出てれば覚えてくれるかなと。でもラッシュで何話もまとめて見ると速いけど、毎週なかなか倒せないというのは…。昔の『マグマ大使』(1966)はこういう感じだなと(一同笑)」

アベ「毎週放送されるものの性ですね」

 

 第1話から25話までがひとり目の姫矢(桐島優介)が変身する姫矢編(厳密には24話まで)、26話からふたりめの憐(内山眞人)が変身する憐編。長谷川氏は25話までの脚本・構成を主に担当し、26話以降は太田愛氏がメイン脚本を務めた。

 

長谷川「太田さんは『ティガ』でのデビューがいっしょで。当時太田さんは塾の先生やって戯曲も書いてて、「出番だデバン!」のときは“そろそろ塾が”と。戦友で、飲んで喧嘩したりもしたけど。あの人は太田愛というジャンルですね。

 円谷プロと言えば路線変更みたいなイメージがあるので、『帰ってきたウルトラマン』(1971)とか『ウルトラマンレオ』(1974)とか。それを最初から組み込んでおけば、違うアプローチになるかなと。太田さんは、書いてなくても最初から会議に出てもらって。書いてないのに長い会議でかわいそうだった。丸投げに近かったけど、応えてくれて。太田愛らしさがいちばん出てました。キャラも愛してくれましたね」(つづく) 

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