私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

坂本浩一 × 野口彰宏 × 小池達朗 × 横山誠 × 佃井皆美 × 高寺成紀 × 鈴村展弘 トークショー レポート (2)

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【アクションの演者 (2)】

 佃井皆美氏は海外向けの映画『芸者vs忍者』(2008)を経て、『さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン』(2008)の娘役を演じた。『仮面ライダーW』(2010)の第37・38話(坂本浩一監督が担当)ではイナゴの女役を怪演。

 

佃井「イナゴを、相当食べました。咥えてるやつはほんとに食べないと。しかも私、食べられるって言っちゃって。絶対無理って思ったんですけど。結構ぶっとんでる役が多くて、アクションやる役も奇抜だったり。ほんと久しぶりに特撮に帰ってきた感じで、緊張してて。知ってる先輩が多かったです。アクション監督は宮崎さんで、変身後(のスーツ)に入ってくれたのは藤田(藤田慧)って同期で、もう感動でしたね。“お前がー!”って感じで(笑)。

 『仮面ライダー鎧武』(2014)では(スーツにも)一部入りました。すごく難しかったです。最初は苦戦して。いちばん壁にぶちあたったのは、スーツを着てお芝居すると普段より大きくやらないと判らないとか。首を動かすとか、先輩に訊いてやってましたね。

 最初にアクションをやったのが、佐野岳くんとの1対1の戦い。岳くんがすごくアクション上手で、やりやすかったです。戒斗くん(小林豊氏)は、柔らかい感じの方(一同笑)」

 

 坂本監督は、佃井氏が「大好きですよ」とのことで、『芸者vs忍者』から目をつけていたという。

 

坂本「すごく真面目に、一生懸命練習してくれる。愉しいですよ。いつもスムーズです」

佃井「(今後は)強い女性だけじゃなく、弱い役もやりたいですね」 

 

【監督とプロデューサー】

 『非公認戦隊アキバレンジャー』(2012)などの鈴村展弘監督。

 

鈴村「(『アキバレンジャー』は)セルフパロディを東映でやれないか、と。(当初は)ミッドナイトレンジャーみたいな感じだったけど、全然変わって、公認の戦隊じゃできないことを。『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011)が35周年で、あれ1本で終わるのはもったいない、もう少し戦隊のお祭りができないか。そこで海賊版戦隊でいけないか、と。それで『アキバレンジャー』に。ステレオタイプのおたくもやめよう、いまはユニクロもあっておたくの人もかっこよくなってるし。

 田崎(田崎竜太)監督も後に入られて。取材として日笠(日笠淳)プロデューサーと田崎監督と脚本の荒川(荒川稔久)さんとメイド喫茶へ行きました。荒川さんはくじの当たりでメイドにキックされてた。田崎さんは外れでびんた。おやじ4、5人ではずかしいなって」

 つづいて『激走戦隊カーレンジャー』(1996)や『仮面ライダークウガ』(2000)などの高寺成紀プロデューサー。元東映社員(現在は角川大映スタジオ所属)だが、子どもの時分はウルトラシリーズのほうが好きだったのだという。

 

高寺「記憶にあるのは、『ウルトラQ』(1966)のラゴンの回。暗闇にラゴンの目が光って、漁村に現れて、光る目が歩いてくる。怖くて、机の下に潜り込んで見てました。幼稚園児だった記憶があります。

 『ウルトラマン』(1966)が原点ですね。ちびっ子にとっては、カラーで見やすい。活劇になってて。『ウルトラセブン』(1967)のほうが大人になって見るとSF性が高くていいけど、正直な気持ちとしては『ウルトラマン』の牧歌的な感じがいい。『マン』は怪獣が多いし、ゴモラとかバルタン星人とか、あの形がいい。成田亨さんは人を驚かそうとしていて、その発想が自分的には…。宇宙忍者とは何だろうってなったらこうだ、と。いま言語化すると、そう考えてつくったのに心をつかまれたのかな。

 ぼくは『帰ってきたウルトラマン』(1971)のサータンが嫌いで、宇宙大怪獣ベムスターの次の話なのにただのじじい。忍者怪獣って肩書きはすごいけど。それでだんだん見なくなってきて。物語より怪獣を見てるから。だんだん着ぐるみに見えてきて、『ウルトラマンエース』(1972)は見てない。(『帰ってきたウルトラマン』の)ウルトラ5つの誓いも、説教っぽくて厭なんですよ。ぼくは説教好きと思われてますけど(一同笑)」

 

 小学生のころに、ウルトラの母の似顔絵コンテストにて優秀賞に選ばれたことも。

 

高寺「似顔絵コンテストであって、デザインコンテストではないんです。そのころ親父が新聞の告知を見せて、やってみればって。でも怪獣やヒーロー好きには女の人が描けない。親父が見かねて、女の人だから髪の毛はこうじゃないかと、マザープレスとか。子どもだからごてごて描いて。当時『奥様8時半です』っていうワイドショーに、祭日に呼ばれて、出ました。テレビの裏側を垣間見た。厭だなと思いましたよ。ウルトラの母に入ってるのが男で。小学5年生だから判っていたけど、大人の世界のショービズというか。呼ばれて嬉しいけど、ただの小学生なんでリハしない。多分おふくろに取材したんだろうけど、“高寺くん、理科得意ですよね”ってプロのアナウンサーに言われて、いいえとも言えない。それが厭で、後で淀む感じが…。

 ぼくはウルトラの母に対して複雑な思いで、男の子としておっぱいがあるウルトラ戦士って。いまとなっては思い入れがあるので、フィギュアを集めたり(笑)」

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 高寺氏プロデュースの『大魔神カノン』(2010)では、鈴村氏が監督、小池達朗氏がアクション監督を務めた(極力アクションを排しているとしか思えない内容であったが)。

 

小池「大変でしたよ、アクションができない」

高寺「打ち上げで大変だったと言われました。アクション監督としては、アクションの面白さを伝えたかったと。

 基本的に和む話にしたかったんです。東映ではやれないことをやりたかった。深夜にアクションでないドラマ主体の作品をやりたい」

小池「あまり想い出がない…(一同笑)」

高寺東映のヒーロー物だとアクションパートがあるのに対して、ドラマの延長上でアクションをするというのを目指していた」

鈴村「オンバケはボディペイントです。着ぐるみにしないのは、肌(という設定)なのにシワが厭だと。『仮面ライダー響鬼』(2005)でそれを言ってて、最終的に『カノン』ではボディペイント。それなら確かにシワが出ない」

小池「色が落ちてくるんで、タイツとかも使いました」

 

 アクション指導の方々や急遽参加したという人見早苗氏らのアクション実演もあり、すぐ目の前で行われる激しいアクションに思わず涙が滲んだ(笑)。

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