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根岸吉太郎監督 舞台挨拶 レポート・『永遠の1/2』

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 今年3月にフィルムセンターにて行われた、根岸吉太郎監督の自選特集。最終日、『永遠の1/2』(1987)、『乳房』(1993)の上映前に根岸監督の舞台挨拶が急遽行われた。

 『永遠の1/2』は、失業中の青年(時任三郎)がもうひとりの自分に翻弄される不思議譚。『乳房』は、無頼中年(小林薫)と病に倒れた年若い妻(及川麻衣)を描く中編作品。筆者は行けなかったのだが、この日の前日には『狂った果実』(1981)と『キャバレー日記』(1982)の上映とトークショーがあった(以下はメモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。

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根岸「本来(壇上に)上がる予定じゃなかったんですけど。昨日も上映とトークがあって、たくさんの人とお話しして。プログラムの裏に見た作品をチェックして、これだけおれは見たと説明してくださる方もいて。昼日中からロマンポルノで、裸を見てくださって(笑)。

 きょうの2本はぼくの中でも地味な作品で、大きなスクリーンで上映される機会がめったになくて。ぼくもこれから見ます。2本ともこぢんまりとしてますが、自分でやりたいと思ったもので。

 (『永遠の1/2』は)佐世保で1か月以上スタッフと泊まり込んで。体育館みたいなところを借りて、美術がセットを組んでくれて。合宿みたいにつくった、なつかしい作品です。もうひとり(主人公の分身)を演じたSABUは監督になっていますし、活躍していて。ぼくの映画を踏み台にして監督になって(笑)、嬉しいことで、これからもそういう人に活躍してもらいたい。

 今回見直して、見てくださった人と話して、自分も映画をつくる勇気が湧いてきました。

 自分も学生のとき、フィルムセンターにさんざん通って常連で。にっかつの助監督のとき、当時のフィルムセンターの係の方に“どうするの”って言われて、助監督になるって言うと、おめでとうって飲みに連れていってもらって。その後の主幹の方です。そんな大事なところで(特集上映を)やれて。またこれからがんばっていきたいと思います(拍手)」

 

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永遠の1/2 (集英社文庫)

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