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橋口亮輔監督 ティーチイン&舞台挨拶 レポート・『恋人たち』 (3)

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【キャストの舞台挨拶 (2)】

 つづいて“太陽”の川瀬絵梨氏。“お母さんがいっしょにテレビ見ようって言ってた”とアツシ(篠原篤)に言うシーンは、思わず笑ってしまう。

 

川瀬「(見た人は)いい子に見えたよ、って言ってくれます。エチュードで私は、お母さんをだしに使って結婚に持っていく役。それを監督がうまく使ってくださいました」

橋口「つらい人生を抱えた人がオフィスワークをするのはきついですよね。“太陽”には裏表のない人がいるというふうにしたかった」

 

 アツシの義姉役の和田瑠子氏。妹を殺され、泣き笑いのような演技は強烈。

 

和田「舞台ではコメディーが多くて、こんな地つづきの役をやるのは初めてで、思ったより日常に影響を及ぼすんだなって。綺麗な景色を見ても涙が出ちゃうとか。終わったとき、撮影には終わりがあるけど、人生にはないんだなって…」

橋口「ほんわかした和田さんにやってもらうと、引き裂かれた感じが出るな、と。リハーサルではテンション高く臨んだけど、なかなか現場でそうはできなくて。でもいまのでよかった。映像のお芝居は、これぐらいのメリハリでやったほうが伝わるな」

 

 アツシの前で立ち小便をするカップルの女性役は、駒井温子氏。

 

橋口「女性役は、エチュードではぼくが強いダメ出しをした駒井さん。ワークショップの自己紹介が良くて、駒井さんで1本撮りたいと。バーッと立って、“私は彼氏ができなくて、初めてできて、やって、やったら連絡が来なくなって! で! それで、ああ私は女の子もいいなって”とぽろぽろ泣いてて、とってもかわいらしくて、この感じを出せたらいいなって思って出てもらいました」

 

 ヤクの売人役の遠藤隆太氏。そのリアリティは、半端ではない。

 

遠藤「メイクが良くて(自分だと)判ってもらえませんでした(一同笑)」

橋口「こう見えて繊細で、背が高くて、じっとこう(体を曲げて)話すんですよ。宇多丸さんがラジオで、あいつやばいよな、モノホンみたいだと。彼は、ほんとは繊細で気が小さい。看護師さんが好きだそうで(一同笑)」

 

 そして瞳子役の成嶋瞳子氏。台詞には成嶋氏の実際の職場での経験が入っているというのが興味深い。

 

橋口「成嶋さんのきょうの(衣装の)テーマは、ジェニファー・ロペス(一同笑)。最初は地味で、オーディションではこの人にやらせたいというのは全くなくて。でもエチュードでは、地味だけど感情が出てきて」

成瀬「私は働いていて新幹線のチケットも満足に取れない感じで、関空伊丹空港の違いが判らなくて(一同笑)。大阪に行けばいいと思ったら、大変なことに」

橋口「ほんとに仕事できなかったんだね(一同笑)」

成嶋「最近私間違えないでしょって言ったら、最近頼んでないよって(一同笑)。上司はまだこの映画を見てなくて、監督が登壇する回がいい、と。次回はいつか判らないけど…」

橋口「成嶋さんは思いもかけない表情をする」

 

 瞳子が屋外で小便をするシーンがある。

 

成嶋「そんなふうにやらないよねって言われて、まくったら、もう一度そんなふうにやらないよねって」

橋口「女の人もおしっこしたら振るんだな(一同笑)。本人は覚えてないみたいだけど。

 “雅子さまー”って叫ぶシーンは上野でロケしました」

 

 瞳子が働く弁当屋の旦那役の三月逹也氏。いらだつ妻役の岩野未知氏(舞台の都合により不在)との掛け合いには、ああこういう人いるなと…。

 

橋口エチュードがつまんなくて、岩野さんが乱入したらおもしろくなった。関西の人って言いわけがすごい」

三月「(エチュードで)竹村(竹村知美)さんとカップルでいちゃいちゃしていたら、監督が貧乏揺すりしていらいらしてて。2日目にはやめろって言われて、落ち込んで。そこで岩野さんが飛び込んでくれて、岩野さんに頭が上がらない」

橋口「弁当屋は岩野さんが引っ張ってくれた。“日本語わかります?”って台本にない。光石(光石研)さんが押されてました。台本にないので、おどおどしてる」

 

 四ノ宮役の池田良氏は、弁護士仲間・田川役の田川恵美子氏と結婚。ゲイの恋人・中山役の中山求一郎氏は複雑だったという。

 

中山「家に泊まったりしていていたのに、あとで打ち上げで知ってせつなくなりました」

橋口「彼がそんなに役づくりしてる最中に、やってたんだな(一同笑)」

田川「ワークショップが人生のどん底くらいで」

橋口「それでよくこういう男と発展したな」

田川「当時は不幸に食いつく人が多かったんですが、彼は無関心で。でも実は何に対しても無関心だったんですね(一同笑)」

 

橋口「いちばんぼくの映画に客が入ったのは『二十歳の微熱』(1993)で、今回はそれ以上かな。とっても嬉しい、愉しい時間を過ごすことができました。彼(篠原篤氏)は“ぼくの人生のピークです”って言ってたけど、これがスタートだよ、このバカが。これからもっと最高なことはあるよ。やっと人生が始まったんだ」

 

 終了後には、キャストが出入り口の階段にずらり揃って観客を見送ってくれた。

 

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