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私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

妄想族日誌(2015年10〜11月)

身辺雑記

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 10月某日

 都内某所を出て、別の某所へ引っ越した。赴任先(大阪)から戻って以来、8年ぶりの引っ越しになる。段ボールが100箱近くなり苦吟(だからどうだという話だが)。

 新生活の歌はいろいろ挙げられるけれども、引っ越しと言えばPerfumeワンルーム・ディスコ」だろう(つい最近の気がしたのに、2009年の曲でもう昔だな)。 

窓をあけても 見慣れない 風景

 ちょっとおちつかない けれど

 そのうち楽しくなるでしょ」(作詞:中田ヤスタカ

 

 引っ越し直後の情景を平易な言葉で巧みに描いた歌詞は、意外と他にないのでは?

 藤子不二雄Aまんが道』(小学館)でも、初めてトキワ荘へ引っ越す件りが忘れがたい。

 

 10月某日

 三谷幸喜監督『ギャラクシー街道』(2015)が公開され、おそらくネットで悪評が沸騰するだろうとは思っていたが、予想を上回る非難が吹き荒れている。かつての『ステキな金縛り』(2011)、『清洲会議』(2013)なども批判にさらされ、筆者もそれらはいまひとつだなと思っていたものの、今回のバッシングは過去のそれを凌ぐ勢い。ご愁傷さまというほかはない。

 君塚良一『「踊る大捜査線」あの名台詞が書けたわけ』(朝日新書)によると、君塚の師匠の萩本欽一は、結婚直後のディレクターの手がけたバラエティ番組は視聴率が下降している、奥さんの待つ家へ早く帰りたいゆえ編集が甘くなっているからだと指摘して君塚を唸らせたのだという。君塚自身も、結婚した時期と子どもが生まれたころの自作はよくなかったと述懐しているけれども、三谷監督も再婚した奥さんとの間に男の子が生まれたそうなので、『ギャラクシー街道』の制作中もどこか身が入らなかったのかもしれない(筆者は、『ギャラクシー』は未見)。

「踊る大捜査線」あの名台詞が書けたわけ (朝日新書)

「踊る大捜査線」あの名台詞が書けたわけ (朝日新書)

 

 『ギャラクシー』を見にいく気にはちょっとなれないが、三谷作品を見たくなって、脚本・演出のWOWOWドラマ『Short cut』(2011)を借りてきた。2時間近くワンカットの長回しで夫婦(中井貴一鈴木京香)の珍道中を描くという実験作で、1度もカメラを止めずに芝居がつづくのに驚かされる。三谷氏は、アルフレッド・ヒッチコック監督の全編ワンカットの『ロープ』(1948)などに言及して、自分もこういうのに挑戦したいと幾度も言っていたので、遂にやったという感がある。

 この『Short cut』ではラストの中井貴一の台詞で「この旅」で自分がどれほど成長したかというのがあり、それを表現するために中編・短編でなく2時間近い長さが必要だったのかとも思う。ただ、中井のうまさは驚嘆に値するけれども、作品としては「大変な撮影お疲れです」という以上にはないな。

WOWOW開局20周年記念番組 三谷幸喜「short cut」 [DVD]

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 10月某日

 二階堂ふみ星野源が交際とか。

 二階堂ふみは古い映画もいろいろ見ていて、最近の愛読書が室生犀星「性に眼覚める頃」(『或る少女の死まで』〈岩波文庫〉)だと。犀星原作の映画『蜜のあわれ』(2016)に出演したから読んだのだろうけれども、これは、文系のおじさんはやられるよ。星野源山本耕史に並んで、生涯の敵に認定だ…。

性に眼覚める頃

性に眼覚める頃

 

 

 10月某日

 ハロウィンの日、渋谷では仮装したリア充が跋扈していた。

 日本にハロウィンが普及したのは、この10年くらいだろうか。筆者は幼いころ、アメリカ映画『ハロウィン』(1978)を見て、「へえ、外国にはこんなのがあるんだ」と思ったものだった。子どもの筆者を最も魅了したのは『ドラえもん』などの藤子・F・不二雄作品やウルトラマン・戦隊・不思議コメディーシリーズといった特撮ドラマだが、クリスマスやお正月といった季節のイベントを頻繁に取り込む藤子・F作品にも特撮にもハロウィンはなかったような気がする。1996年の『ウルトラマンティガ』にてハロウィンのエピソードがあったが(第8話「ハロウィンの夜に」)、これは先駆的なものだろう。だが最近では『ドラえもん』のアニメでもハロウィンのエピソードが放送され、AKB48も新曲でハロウィンを取り上げていて、隔世の感がある(海外の風習を真似てはしゃぐのは、個人的にはどうかと思うけれど)。

 ちなみに筆者は、ロマンポルノの特集“小沼勝 わが映画人生”を見に、渋谷の名画座に出向いたのだった。世間と自分との隔絶を感じずには…。

 

 11月某日

 宮澤賢治生誕100周年を記念してつくられた、大森一樹監督『わが心の銀河鉄道 宮澤賢治物語』(1996)を見る。賢治の無邪気な部分にクローズアップした(ダークサイドを捨象した)つくりで、こんなに能天気だったのかよ、という気にもなるのだが、映画全般としてはプロのしたたかな技量を感じさせる佳品。わずかに出てくる動物(アニメ)の声はたてかべ和也。たてかべ氏のジャイアン声は聞いていてすぐ判り、思わず感動。

わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語 [DVD]

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