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私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

石井隆監督 × 竹中直人 × 安藤政信 × 福島リラ トークショー レポート・『GONINサーガ』(1)

石井隆 映画

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 かつて、はみ出し者5人が暴力団の裏金を強奪するも壮絶な報復を受けるという事件があった。それから19年後、その関係者の息子の世代(東出昌大、桐谷健太、柄本佑土屋アンナ)が、組織の3代目(安藤政信)からやはり金を奪おうと画策。だが、組織はヒットマン竹中直人)を放ってくる。

 

 カルト的な支持を集める傑作映画『GONIN』(1995)のその後を描いた続編『GONINサーガ』(2015)。前作と同じく石井隆が脚本・監督を務め、竹中直人佐藤浩市根津甚八鶴見辰吾、飯島大介など前作のキャストも出演。新顔の出演者も加わって、円環がめぐるかのように、ふたたび血で血を洗う抗争の幕が切って落とされる。 

 公開から1か月近くを経た10月、新宿にて石井隆監督、竹中直人安藤政信、福島リラのトークショーが行われた。当初は監督のみの予定だったけれども、竹中・安藤両氏の参加も後で決まり、当日は福島氏も急遽駆けつけるという嬉しいサプライズだった(筆者は4年前にも『GONIN』のリバイバル上映とトークショーを観覧しているのだが、それにしてもまさか続編がつくられてトークもあるとは思ってもみなかった)。司会は、二宮直彦プロデューサーが務める(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。

 

二宮「本日は満席で、ありがとうございました。『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』(2010)から3作品、(石井監督と)ご一緒して、3年前に満を持して『GONIN』の続編をつくろうとお話しして、いろいろあって、とうとう封切ることができて幸せです」

石井「(クレジットが)ひとりだけ最後に止まって偉そうに。あれは全部責任を取るという意味で、いまは亡き相米慎二さんの教えです。ひしひしと責任を感じております」

 

 『GONINサーガ』は第34回バンクーバー映画祭でも上映された。

 

石井バンクーバーでは、うーん…。一応みんな最後に死んじゃって、ずしっとくるかなと思ったら、笑い声とか起きて、手を叩いてわーわー言う。竹中さんが撃たれて落ちたのに死んでないからゾンビだって。ぼくは挨拶に困っちゃって。でも映画っていろいろな見方があるから(笑)。ぼくは悲劇、オペラみたいなものを撮った、突っ走った気持ちだったけど、ゾンビだって喝采する人もいる。愉しんでもらえたのかな。勉強になりました、はい」

 

 石井監督は劇画家を経て、『天使のはらわた 赤い眩暈』(1988)にて監督デビュー。劇画のファンだった竹中直人氏が主演した。以来、竹中氏は石井作品の顔で、『ヌードの夜』(1993)、『フリーズミー』(2000)、『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』、『甘い鞭』(2013)など大半の作品に出演している。『GONIN』1作目ではサラリーマン役、『サーガ』では不気味なヒットマン役を演じた。

 

竹中「高校生くらいのとき、海辺の廃船にエロ本が捨てられていて、めくっていたら石井隆という名前が(笑)。その後、石井さんの監督デビュー作から、石井作品に参加できて、めちゃくちゃみなさんに感謝しております」

 

 安藤政信氏は、『キッズ・リターン』(1996)、『バトル・ロワイアル』(2000)、竹中直人監督『自縄自縛の私』(2013)など多彩なキャリアを持つが、石井作品は初登場。

 

安藤「満席じゃねえか、毎日こうじゃないのかって(笑)。石井監督、竹中さん、リラも、終わってからこう何度も会うとは思わなくて。おれも責任取ります、あとで監督を抱きしめますよ」

 

 福島リラ氏は、竹中氏演じるヒットマンに付き従う女性役。モデルを経て、映画『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)に出演。映画『テラフォーマーズ』(2016)も待機中だという。

 

福島「急遽(トークに)参加させていただくことに。私も出演できて光栄で、去年大河ドラマ(『軍師官兵衛』〈2014〉)で竹中さんとご一緒したとき、石井隆さんに会ってみませんかって言ってくださったのがきっかけです。土屋アンナちゃんとか素晴らしい人たちにお会いできて、ほんとに想い出に残る作品になりました。ありがとうございます」

 

【『GONIN』1作目と『サーガ』(1)】

 石井監督は、『GONIN』1作目の撮影中に続編を構想していたという。

 

石井「助監督の子が(撮影の)佐々木原保志さんの乗っている台車を押して行って、殺戮の場に近づいていく。そこで止まっちゃってカット。“もっと行かなきゃだめだよ”って言ったら、“あんなにいっぱい人が死んでて、行けないです”と。ぼくなんか、人がいっぱい死ぬ映画を撮っていて、鈍くなったのかな。殺される人にも家族があって、人生がある。こっちでなく、そっちから見るとこの世界はどう見えるかなって。(敵役の)鶴見くんや永島敏行さんから見たら、どう見えるかな。そういう構想を現場で抱いたんですね」(つづく)

 

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