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高橋洋(脚本家)トークショー レポート・『リング2』(1)

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 1998年、鈴木光司の同名原作(角川ホラー文庫)を映画化した『リング』と続編『らせん』の2本立てが大ヒット。数年つづくJホラーブームの幕開けであった。高校生だった筆者の周囲でも、『リング』の話題が盛り上がっていたのを覚えている。

 『リング』と続編『リング2』(1999)、『リング0 バースデイ』(2000)のシナリオを担当したのが、脚本家・高橋洋である。筆者は『リング』の数年前に、季刊誌「映画芸術」の年間ベストの選者として高橋を知っており、1995年度のベストに「上九一色村サティアン群」を挙げる(!)彼のことが印象に残っていた(『映画の魔』〈青土社〉に収載)。

映画の魔

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 『リング2』は、『らせん』と平行世界の続編という珍しい試みで、『リング』で脇だった人物(中谷美紀)が主人公。1作目の主演コンビ(松嶋菜々子真田広之)もゲスト的に出演している。サービス的に怖いシーンもあるが、暗躍するマッドな科学者(小日向文世)や主人公に取り付けられる変な装置などカルト色が強く、1作目よりも高橋洋脚本の個性が全開となった。高橋氏は、『リング2』は正調ホラーの語り口でなく、『エクソシスト2』(1977)のようなごった煮のトーンにしたいと当時のインタビューで話している。

 監督は、『女優霊』(1996)と『リング』1作目などで高橋と組んだ中田秀夫

 渋谷のユーロスペースにて、『リング2』のリバイバル上映と高橋洋氏のトークショーが行われた。聞き手は映画監督・脚本家の井川耕一郎氏(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。

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 1作目が終わった後、(主人公の)松嶋菜々子さんも子ども(大高力也)も生きてる。この後はどうなるんだろうと頭の中に(構想が)生まれていて、でも続編の話が来るとは思っていなかったです。(1作目が)ヒットしたんで角川が祝賀パーティーを開いた。そこで角川歴彦社長(現・会長)が、ぼくと中田さんを控え室に呼んで2をつくりたいと言うんで、「は?」。いや『リング2』だ、と。鈴木さんはいいんですか(笑)。この人、すごい商売人だな。ついては『リング2』のシナリオを一般公募したい、どのくらいのレベルのものが上がってくるか判らないからフォローしてくれと。公募は大々的にやって、かなり集まった。ぼくは1本も読んでないけど、該当作はなし。佳作は本になったけど、それすら読んでない。ぼくは、2のことは考えないようにしようと思っていたら、呼ばれてオリジナル(脚本)を書いて、と。だから発注が遅かった。

 『らせん』は中谷さんがヒロインなので、(2の主役に)中谷さんは考えてなかった。で、2が決まって、松嶋さんのスケジュールが取れない。え!(一同笑) どうするつもりだったんだろう(笑)。中谷さんは『らせん』とかぶっちゃうけど、そこで『らせん』のことは思い切った。ぼくは、『らせん』は飯田譲治監督の映画でいちばん好きなくらいなんだけど、『らせん』は忘れることにして、もうひとつのバージョンをつくると。でも脇の人が物語を乗っ取って主役になるって、そう言えば、ぼく好きだぞ(笑)。脇の人がセンターへ出てくるってかっこいいな、それでとにかく書きますって。

 ぼくは読んでないけど、万が一公募作とかぶっていると、「おれのだ」って反応はあり得るし。選考の人に、責任持って読んでかぶってたら指摘してくれと。(もし似ていたら)直すか、書いた人と話すか。結局、シナリオを書き上げて訊いたら、類似するのはないと。ほんとかな(笑)。

 

 ビデオテープのねたは1作目でやったから、繰りかえしても仕方ない。そこで“人間ビデオデッキ” 、(ビデオを)1回見た人は発信する体質になっているという。それが2のセントラルアイディア。いかにこの力を解放させるか。

 『ジョーズ』(1977)と同じで、(観客は)みな貞子を見に来る。終幕に貞子が出てくるという、ジャンル映画の常套的なやり方です。(つづく)

 

【関連記事】高橋洋 インタビュー(2000)・『リング0 バースデイ』『発狂する唇』

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