11月、阿佐ヶ谷にて漫画家のえびはら武司先生を中心にしたトークイベントが開催された。えびはら、のむらしんぼ両先生が故藤子・F・不二雄を語るというイベントが今年4月にあり、今回はその第2弾という位置づけである。
参加者は他に、漫画家の三浦みつる、浜田ブリトニー(前半のみ参加)、タレントの兎味ペロリナ、夏目亜季(後半のみ参加)、ジャンクハンター吉田、司会のIKKANの各氏であるが、筆者の能力の限界により漫画関連の話題に限ってレポしたい。
えびはら先生は藤子・F・不二雄(藤本弘)先生のもとでアシスタントを務め、前回はそのことが語られた。
ゲストで来られた三浦みつる先生は、1970年代に手塚治虫先生のもとでアシスタントを務めた。独立後、『The かぼちゃワイン』をヒットさせている。
浜田ブリトニー氏はタレント、漫画家として知られ、藤子不二雄A先生とも交流があり、A先生の『PARマンの情熱的な日々』(集英社)にも登場する(以下のレポはメモと怪しい記憶頼りなので、実際の発言と異なる言い回しや整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。
三浦「健全な青少年に悪い意識を植え付けた悪い漫画家ですね(笑)。ぼくはSF漫画家になりたくて、筒井康隆が好きで、SF・社会派で売ろうと思っていたんだけど…」
浜田「本性が出ちゃったんですよ。描いてるうちに性格で出ますよねー(笑)」
三浦「宮崎美子さんがCMやってたのが印象的でね。当時は童顔にダイナマイトボディが流行ってた。みんな、この手のが好きだった」
のむら「ぼくは小林麻美派ですよ。でもいま見ると、あんまりタイプじゃないな(一同笑)」

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【藤子・F・不二雄先生の想い出】
えびはら「日本テレビで『ドラえもん』をやっていて、人気はそこそこあったんだけど打ち切りになったという時期があって。その時期に安孫子(藤子不二雄A)先生は忙しくて、藤本先生の仕事はどんどん減っちゃった。藤本先生は、次のアニメがなかなか決まらなくて。
(日本テレビ版『ドラえもん』は)何も考えず、ぶっつけでつくっちゃったっていうところがあるね。この日テレ版の話を藤本先生の前ですると怒り出した。
藤子先生は優しくて、もうけたらみんなにどんどんあげようっていう(方針)。藤子プロはボーナスも海外旅行もあったしね」
『ドラえもん』ブームの時代に、藤子スタジオのチーフアシスタントも務めた方倉陽二氏によって『ドラえもん百科』(小学館)が描かれた。
えびはら「『ドラえもん』は、設定を何も決めずに見切り発車した。だから『ドラえもん百科』で方倉さんが設定をつくっておもしろく描いたら、人気が出てそれが公式設定になっちゃった」
のむら「方倉さんは『ドラえもん百科』の印税を80%もらったって?」
えびはら「貯めるのが厭で、藤本先生の絵で描いたので生活費にしたくないって。それでポルシェを買った。初心者マークがずっと貼ってありましたよ(笑)。
いじめっ子の名前だからってことでジャイアンの名前を決めずにいたら、名前は何だと投書が来て、結局えびはらくんの名前で、って思ったらしい。剛田はもともと決まっていたんですね。それで、“剛田武”。ジャイ子は、いまだに名前がないですね」

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えびはら「藤本先生に言われて、ぼくはクロッキーとかよく行っていました。それで女性を描くのが簡単になってきて、エッチな漫画に行っちゃったっていうのはある。
(モデルの女性が)ほんとに裸になっちゃうからいのかなって思うけど、みんな普通にしてるから、ひとりだけ騒ぐのもなって(一同笑)。
元アシスタントでエロ漫画描いてるのもいたけど、藤本先生はちゃんと買ってましたからね。アシスタントの仕事は気になるんだね」(つづく)