私の中の見えない炎

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荒井晴彦 × 成田尚哉P × 寺脇研 トークショー レポート・『残酷 黒薔薇私刑(リンチ)』(2)

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【『黒薔薇私刑』の悪口 (2)】

 トークショーに出るくらいだから、荒井氏はこの映画を評価しているのかと思ったら、見ないで引き受けたらしい。上映直後にその映画を罵るトークというのもちょっと珍しい。

 

荒井「このお兄さんは思想犯なのに、捕まってあっさり兵隊になるっておかしい。何で転向のところを端折ってるの?」

成田「そりゃ75分ですから(一同笑)」

荒井「お兄ちゃんはニューギニア戦線に行ったみたいだけど、これいつの話なの? 昭和10年代にあんなアカはいません。既に日本共産党は壊滅している」

寺脇「これはお客さんをそそる映画であって、考証するものじゃないから」

荒井「あの銃は、弾丸が何発入るの? どう見ても7発撃ってたよ(一同笑)」

 

 

 見せ場になるのが拷問シーン。

 

荒井「あんな吊るされ方、するの」

寺脇「なんかハンモックみたいな(一同笑)」

荒井「エロシーンは必要だけど、そこから発想するとね。谷ナオミを脱がせるために、特高持ってくるってのはどうよ? SMとか近親相姦とか材料はいっぱいあるけど、どうもな。特高は、拷問はするけどファックはしないよ」

寺脇「最終的には娯楽映画というか、商業映画だから」

荒井「商業ならデタラメでもいいの? 客が入るか入らないかってだけで、どんな映画も商業だよ。考証だけ(の問題)じゃなくて、何をやろうとしたのかなって。自分の中の世界観にしないと、作品どころか、商品にもならない」

 

【制作の背景】

成田「原案が団鬼六さんってなってるけど、多分名前だけ。この頃の団さんはSM作家のスーパースターで、谷ナオミさんとゴールデンコンビで映画化されてました。(谷ナオミ主演の)最初の『花と蛇』(1974)は、団さんは気に入らなくて逆鱗に触れたんですけど。その後『生贄夫人』(1974)とかもやって、『黒薔薇私刑』はそのスピンオフみたいなものかな。

 1年の番組を回さなきゃいけない。夏はいま流行りの海女ものにしようとか(一同笑)先に決めて、企画会議を通ってから、脚本家を決めて内容を考える」

荒井「伊藤プロデューサーは脚本が判る人で、『Wの悲劇』(1984)のときもお世話になった。澤井さん(澤井信一郎監督)の前でライターの味方してくれたんだけど、これ見て、こんな仕事もしてたのかって」

 

 結局、失明した兄は病んだ妹と無理心中。兄のことを好きだった女中は、特高を亡き者にしようと決意する。

 

成田谷ナオミは死ぬ気じゃない? でも最後は特高江角英明さんの死体で、ローリング(クレジットタイトル)」

荒井「ラストで特高の江角が、お前が好きな男は妹と死ぬのを選んだ、いっしょに死ぬのはお前じゃなかったって(台詞を)言う。あそこも、もう少しうまくやれるのに。愛と体は別だと。

 海岸で、兄妹でちょっと近親相姦してるね」

成田映倫が許さないから、近親相姦(の描写)はあれが限度。それくらい映倫は厳しいんですね」

荒井「この映画はどこで撮ってるのかな。三門?」

成田三門荘ってのはにっかつの保養所で、洋館や海岸が出てくると、ここ(一同笑)」

荒井谷ナオミ東てる美以外(の俳優)は、みんな大部屋だよね。下手だねえ、あいつら(一同笑)」(つづく)

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