私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

番外・好きな映画の備忘録 日本編 (1)

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 体調が優れなくて、某シナリオライターのサイトをぼーっと見ていると、好きな映画とか本とかをそれぞれ40~50くらいずつチョイスしている欄があった。そこで気晴らしに、自分も真似してやってみることに…。

 まず好きな映画を日本に絞って、30本選んでみた。

 どうも古い映画が多い。別に古いのが好きなわけでもないのだが…。ジャンルが、恋愛もの(しかもドロドロ系)や青春ドラマに偏りすぎ。どうしても、個人的な好みが出てしまうのだろう。

 
クレしんは、『オトナ帝国の逆襲』か草なぎ剛主演で実写にもなった『アッパレ!戦国大合戦』か、どちらにしようか迷ったが、結局はなんとなく後者に。黒澤明なら『七人の侍』でなくて『椿三十郎』、山田洋次なら『たそがれ清兵衛』でなくて『なつかしい風来坊』、深作欣二なら『仁義なき戦い』でなくて『資金源強奪』、と大作を避けてややマイナーなのばかりを選んでいる。この点も、意味不明な癖と言うしかないなあ…。

 
というわけで、あまり当てにならないリストですが、一応どれも感動した作品ですので、気が向いたときにでもこの30本のどれかを見ていただけると幸いです。多分、ほとんどDVD化済みの筈。 



(後で全作にコメントをつけました。どんだけ青春ドラマを見ているんだと、自分の偏りに呆れる。)

 

◎『東海道四谷怪談』(1959) 


 戦慄の時代劇ホラー。怖いというより美しい。小心かつ冷酷な主人公・伊右衛門天知茂) の悪役ぶりも痛快。


 

◎『ガス人間第一号』(1960)

 
ガス人間にされた男(土屋嘉男)と落ちぶれた日舞の家元(八千草薫)の悲恋物語。題名で笑ってしまうけれど、見てみると涙がとまらない。

 


◎『黒い十人の女』(1961)

 プレイボーイの中年男(船越英二)を妻と愛人たちが結託して殺そうと企む。シニカルなサスペンス。モダニスト市川崑の面目躍如。

 

◎『椿三十郎』(1962) 
 

 黒澤監督が姉妹編の前作『用心棒』の反省から残虐シーンを抑えた結果、笑いが弾けた快作。黒澤映画でいちばん笑える。

 

◎『なつかしい風来坊』(1966)


  寅さんの原型を思わせる、山田洋次監督のほのぼのドラマ。意外なラストには驚く。 


 

◎『めぐりあい』(1968)

 携帯がない時代の青春ドラマ。登場人物たちが微笑ましい。酒井和歌子のかわいらしさ…。 


 

◎『八月の濡れた砂』(1971)


  真夏の湘南で暴走する青年たち。言葉にならない衝動をクールに描いたサスペンスタッチの青春ドラマ。

 

◎『』(1972)

 
いびつな人間関係を秘めた旧家が、崩壊へ向かう。『ウルトラマン』(1966)で知られる実相寺昭雄監督の怪作。画面が暗くて見えない。

 

◎『資金源強奪』(1975)

 
大金をめぐって一匹狼のやくざ(北大路欣也)、警察、暴力団が戦う。二転三転する展開が面白すぎる、B級アクションの最高傑作。深作演出に加えて高田宏治脚本も素晴らしい。

 

◎
『太陽を盗んだ男』(1979) 
 

 原爆をひとりで作った高校教師(沢田研二)が、政府を脅迫する。脱力した冒頭から凄まじい展開になっていくアクション巨編。 
長谷川和彦監督は、これ以後30年も新作を撮れず…。(つづく