私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

批評・感想

夕陽と男・『天使のはらわた 赤い教室』

俳優の蟹江敬三が逝去した。昨年に『あまちゃん』(2013)の祖父役で健在を示していたので、急死という感がある。

少女屹立・今江祥智 宇野亜喜良『あのこ』

先月、愛知県の刈谷市美術館にて開催中の“宇野亜喜良展 本にみる少女譚”を見る機会があった。イラストレーター・宇野亜喜良の初期作品から昨年の仕事まで、点数は多くないがその精力的な創作が展示されている。

上の空・『まど・みちお全詩集』

詩人のまど・みちおが逝去した。「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」、「ふしぎなポケット」、「一年生になったら」といった童謡はほとんどの日本人が知っているだろうし、教科書で「あさがくると」「イナゴ」などに触れた人も多いだろう。4年前に放送された…

向田邦子新春シリーズ(演出:久世光彦)全作品レビュー (5)

【『響子』~『風立ちぬ』(2)】 17.『小鳥のくる日』(1999)脚本:金子成人

向田邦子新春シリーズ(演出:久世光彦)全作品レビュー (4)

【『華燭』~『風を聴く日』(2)】 13.『風を聴く日』(1995)脚本:金子成人

向田邦子新春シリーズ(演出:久世光彦)全作品レビュー (3)

【『わが母の教えたまいし』~『女正月』 (2)】 8.『隣の神様』(1990)脚本:金子成人 隣の神様 [DVD] 出版社/メーカー: TCエンタテインメント 発売日: 2005/10/28 メディア: DVD クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 謎の人さらい・赤マントの噂が東…

向田邦子新春シリーズ(演出:久世光彦)全作品レビュー (2)

【『女の人差し指』~『男どき女どき』】 『女の人差し指』にて、田中裕子が初参戦。以後全作品の主演を務めた。小林薫も加わり、ナレーションも含めれば皆勤の加藤治子と合わせて田中 × 加藤 × 小林の黄金トリオが誕生する(『麗子の足』には、小林は不参加…

向田邦子新春シリーズ(演出:久世光彦)全作品レビュー (1)

シナリオライターとして『阿修羅のごとく』(1979)、『あ・うん』(1980)といった綺羅星のような名作を発表し、数々の優れたエッセイ・小説でも知られた向田邦子が事故で急逝したのは、1981年のことである。生前の向田と『寺内貫太郎一家』(1974)、『源…

ひこうき雲のそのあとに・『母娘監禁 牝』(2)

母(吉川遊土)が主人公(前川麻子)を迎えに来るが、母は娘の前で男たちに輪姦されてしまう。母親が声を上げ始めると、主人公は冷蔵庫の中へ逃げ込んで涙を流す。ようやく母とともに解放された主人公は、雨の中を走り出す。 この後、主人公が雨に濡れたせい…

ひこうき雲のそのあとに・『母娘監禁 牝』(1)

昨2013年に大ヒットしたアニメーション映画『風立ちぬ』に主題歌として使われたことで、荒井由実「ひこうき雲」がまた注目を集めた。この主題歌起用は宮崎駿監督ではなく、鈴木敏夫プロデューサーの発案によるものだった(「H」2013年7月号)。鈴木氏は主題…

ドラえもんと久世光彦・「浪曲ドラえもん」

テレビ『寺内貫太郎一家』(1974)などの演出を手がけ、エッセイ・小説などの文筆活動でも知られた故・久世光彦。久世がテレビや舞台などの演出業と執筆とを両輪とするようになったのは1990年前後のようで、物書きをしているとやや飽き気味だったテレビの仕…

岡田有希子とかしぶち哲郎

昨年12月、ムーンライダーズのボーカル・ドラマーとして知られる、かしぶち哲郎氏が世を去った。「リラのホテル」などの素晴らしさは、改めて本欄で言及するまでもないだろう。

繰りかえすということ・『杉山平一詩集』『くんぺい魔法ばなし』

脚本家の山田太一先生は、詩をシナリオやエッセイ、講演で時おり引用される。山田先生が引き合いに出される詩人のうち、中原中也や立原道造などは知っていても、こちらが無知で教えられた詩人もいる。

霧も雨も・谷川俊太郎『いつだって今だもん』

詩人・谷川俊太郎には、シナリオライターとしての顔がある。詩作をはじめ絵本、エッセイといった文筆の仕事は有名でも、映画や舞台にシナリオを提供してきたのは、あまり知られていないかもしれない。そういった仕事の片鱗に触れることができるのが、『いつ…

三谷ならどうする?・『三谷幸喜 創作を語る』(2)

長い年月を経たいま、三谷幸喜氏は「ファンタジー的で心温まるコメディじゃなくて、もっと“乾いた笑い”をやりた」かったのだが、やはり意思疎通ができていなかったゆえに『総理と呼ばないで』(1997)はうまくいかなかったと、『三谷幸喜 創作を語る』(講談…

三谷ならどうする?・『三谷幸喜 創作を語る』(1)

今年大ヒットした映画『清須会議』(2013)の原作・脚本・監督を務めてまた注目を集めた感のある三谷幸喜。その三谷が、ロングインタビューで自らのキャリアを振り返ったのが『三谷幸喜 創作を語る』(講談社)である(聞き手:松野大介)。

やなせたかしと東君平・『くんぺい魔法ばなし』(2)

『くんぺい魔法ばなし』の連載について、「くんぺいさんがいいだして、自分で勝手に連載を始めた」(『くんぺい魔法ばなし 山のホテル』サンリオ)、「断りきれない」(『東君平の世界』同)などとやなせたかしは述懐しているので、もしかすると当初は編集長…

やなせたかしと東君平・『くんぺい魔法ばなし』(1)

先頃世を去ったやなせたかしは、漫画家、イラストレーター、作詞家などマルチな経歴で知られる。筆者も幼い頃にはテレビ『それいけ!アンパンマン』(1988~)を見ており、後年には大人向けに書かれたエッセイなども興味深く読んだ。

随筆家としての新藤兼人・『いのちのレッスン』

2012年に世を去った人の中で、最も強い印象を筆者に残したのは、脚本家・映画監督の新藤兼人であった。

『ドラえもんは物語る』は物語る・稲垣高広『ドラえもんは物語る 藤子・F・不二雄が創造した世界』

日本人なら誰もが知っている、国民的なキャラクター・ドラえもん。そのドラえもんは、2112年9月3日誕生という設定で、今年2012年に誕生100年前を迎えた。おめでとう!

木曜ゴールデンドラマ『魔性』(1984年、主演:浅丘ルリ子 脚本:池端俊策、矢島正雄 演出:鶴橋康夫)

原作:一色次郎 脚本:池端俊策、矢島正雄 演出:鶴橋康夫 音楽:坂田晃一 主演:浅丘ルリ子 『魔性』は1984年2月に、“木曜ゴールデンドラマ”という2時間ドラマの枠で流れた。

AKB48 PV考・「真夏のSounds good!」(2)

AKB48の最新シングル「真夏のSounds good!」のPVは眼目は、後半でメンバーがビーチにて水着姿で踊るシーン。

AKB48 PV考・「真夏のSounds good!」(1)

発売一週間で161.7万枚を売り上げたという、AKB48の最新シングル「真夏のSounds good!」。今年あたり、そろそろ終わるだろうとささやかれていたAKBブームだが、まだまだ勢いは衰えていないようで、メンバーや裏方たちの膂力には、まったく大したものだと感嘆…

悲しみだけが夢をみる・市川森一

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20111210-OYT1T00254.htm?from=yoltop 毒とロマンティシズム。 無残で味気なくて醜い現実への憎悪。 夢への憧憬と、夢を持つことのおそろしさ。 一筋縄ではいかない作家であった。

七瀬のおもひで・筒井康隆『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』(2)

いま『七瀬ふたたび』(新潮文庫)を読むと、あまりに救いのない結末に、カタルシスのなさや投げっぱなしのようなあっけなさを感じてしまうかもしれない。ここにも1970年代が影を落としているのではなかろうか。

七瀬のおもひで・筒井康隆『家族八景』『七瀬ふたたび』(1)

何気なくネットのニュースを読んでいたら、筒井康隆『家族八景』(新潮文庫)が、『家族八景 Nanase,Telepathy Girls’Ballad』と題して2012年1月からテレビ化されるとあって、ちょっとびっくりした。

諦観のやすらぎ・『天使のはらわた 赤い眩暈』

つい最近、ある子ども向け映画を見ていたら、全編に渡って「あきらめない」「あきらめるな」と連呼されて、うんざりした気分になった。もちろん、簡単にあきらめない心も人生には必要であろうが、一定量のあきらめも、また必要なのではあるまいか。そして、…

ふたつの愛・荻野目慶子『女優の夜』

1990年、女優・荻野目慶子の自宅マンションにて、荻野目と不倫関係にあった男性が自殺した。妻子ある身の彼は荻野目と交際していたのだが、よりにもよって有名人である荻野目の自宅を死に場所に選んだというのが衝撃的だったのであろう。

不思議時空発生・『トリック』

今年はテレビ『トリック』の第1シリーズ(2000)が発表されてから10周年だそうで、その1作目の第1~3話が年末に再放送されていた。第1シリーズはリアルタイムで見ていなかった筆者は、知人にあれ面白いよと聞かされ、翌年くらいに再放送で見た記憶がある。

番外・ダメな映画の備忘録

ダメな映画を覚えておく必要などないので、タイトルが形容矛盾である。 いままで見た映画で、特にいらっときた筆頭5本。見ないほうがいいですよ。