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私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

ひこうき雲のそのあとに・『母娘監禁 牝』(1)

昨2013年に大ヒットしたアニメーション映画『風立ちぬ』に主題歌として使われたことで、荒井由実「ひこうき雲」がまた注目を集めた。この主題歌起用は宮崎駿監督ではなく、鈴木敏夫プロデューサーの発案によるものだった(「H」2013年7月号)。鈴木氏は主題…

ドラえもんと久世光彦・「浪曲ドラえもん」

テレビ『寺内貫太郎一家』(1974)などの演出を手がけ、エッセイ・小説などの文筆活動でも知られた故・久世光彦。久世がテレビや舞台などの演出業と執筆とを両輪とするようになったのは1990年前後のようで、書く仕事をしていると、やや飽き気味だったテレビ…

岡田有希子とかしぶち哲郎

昨年12月、ムーンライダーズのボーカル・ドラマーとして知られる、かしぶち哲郎氏が世を去った。「リラのホテル」などの素晴らしさは、改めて本欄で言及するまでもないだろう。

繰りかえすということ・『杉山平一詩集』『くんぺい魔法ばなし』

脚本家の山田太一先生は、詩をシナリオやエッセイ、講演で時おり引用される。山田先生が引き合いに出される詩人のうち、中原中也や立原道造などは知っていても、こちらが無知で教えられた詩人もいる。

霧も雨も・谷川俊太郎『いつだって今だもん』

詩人・谷川俊太郎には、シナリオライターとしての顔がある。詩作をはじめ絵本、エッセイといった文筆の仕事は有名でも、映画や舞台にシナリオを提供してきたのは、あまり知られていないかもしれない。そういった仕事の片鱗に触れることができるのが、『いつ…

三谷ならどうする?・『三谷幸喜 創作を語る』(2)

長い年月を経たいま、三谷幸喜氏は「ファンタジー的で心温まるコメディじゃなくて、もっと“乾いた笑い”をやりた」かったのだが、やはり意思疎通ができていなかったゆえに『総理と呼ばないで』(1997)はうまくいかなかったと、『三谷幸喜 創作を語る』(講談…

三谷ならどうする?・『三谷幸喜 創作を語る』(1)

今年大ヒットした映画『清須会議』(2013)の原作・脚本・監督を務めてまた注目を集めた感のある三谷幸喜が、ロングインタビューで自らのキャリアを振り返ったのが『三谷幸喜 創作を語る』(講談社)である(聞き手:松野大介)。

やなせたかしと東君平・『くんぺい魔法ばなし』(2)

『くんぺい魔法ばなし』の連載について、「くんぺいさんがいいだして、自分で勝手に連載を始めた」(『くんぺい魔法ばなし 山のホテル』サンリオ)、「断りきれない」(『東君平の世界』同)などとやなせたかしは述懐しているので、もしかすると当初は編集長…

やなせたかしと東君平・『くんぺい魔法ばなし』(1)

先頃世を去ったやなせたかしは、漫画家、イラストレーター、作詞家などマルチな経歴で知られる。筆者も幼い頃にはテレビ『それいけ!アンパンマン』(1988~)を見ており、後年には大人向けに書かれたエッセイなども興味深く読んだ。 だが、筆者が初めてやな…

随筆家としての新藤兼人・『いのちのレッスン』

2012年に世を去った人の中で、最も強い印象を筆者に残したのは、脚本家・映画監督の新藤兼人であった。

『ドラえもんは物語る』は物語る・稲垣高広『ドラえもんは物語る 藤子・F・不二雄が創造した世界』

日本人なら誰もが知っている、国民的なキャラクター・ドラえもん。そのドラえもんは、2112年9月3日誕生という設定で、今年2012年に誕生100年前を迎えた。おめでとう! ドラえもんは、アニメやキャラクターグッズ、ブームの現象論のような切り口で話題にのぼ…

『魔性』(1984年、主演:浅丘ルリ子 脚本:池端俊策、矢島正雄 演出:鶴橋康夫)

原作:一色次郎 脚本:池端俊策、矢島正雄 演出:鶴橋康夫 音楽:坂田晃一 主演:浅丘ルリ子 『魔性』は1984年2月に、“木曜ゴールデンドラマ”という2時間ドラマの枠で流れた。

AKB48 PV考・『真夏のSounds good!』(2)

AKB48の最新シングル「真夏のSounds good!」のPVは眼目は、後半でメンバーがビーチにて水着姿で踊るシーン。

AKB48 PV考・『真夏のSounds good!』(1)

発売一週間で161.7万枚を売り上げたという、AKB48の最新シングル「真夏のSounds good!」。今年あたり、そろそろ終わるだろうとささやかれていたAKBブームだが、まだまだ勢いは衰えていないようで、メンバーや裏方たちの膂力には、まったく大したものだと感嘆…

悲しみだけが夢をみる・市川森一

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20111210-OYT1T00254.htm?from=yoltop 毒とロマンティシズム。 無残で味気なくて醜い現実への憎悪。 夢への憧憬と、夢を持つことのおそろしさ。 一筋縄ではいかない作家であった。

七瀬のおもひで・筒井康隆『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』(2)

いま『七瀬ふたたび』(新潮文庫)を読むと、あまりに救いのない結末に、カタルシスのなさや投げっぱなしのようなあっけなさを感じてしまうかもしれない。ここにはおそらく1970年代が影を落としているのではないだろうか。

七瀬のおもひで・筒井康隆『家族八景』『七瀬ふたたび』(1)

何気なくネットのニュースを読んでいたら、筒井康隆『家族八景』(新潮文庫)が、『家族八景 Nanase,Telepathy Girls’Ballad』と題して2012年1月からテレビ化されるとあって、ちょっとびっくりした。というのも、この作品は『七瀬ふたたび』『エディプスの恋…

諦観のやすらぎ・『天使のはらわた 赤い眩暈』

つい最近、ある子ども向け映画を見ていたら、全編に渡って「あきらめない」「あきらめるな」と連呼されて、うんざりした気分になった。もちろん、簡単にあきらめない心も人生には必要であろうが、一定量のあきらめも、また必要なのではあるまいか。そして、…

ふたつの愛・荻野目慶子『女優の夜』

1990年、女優・荻野目慶子の自宅マンションにて、荻野目と不倫関係にあった男性が自殺した。妻子ある身の彼は荻野目と交際しており、それ自体は別に珍しくもないけれども、よりにもよって有名人である荻野目の自宅を死に場所に選んだというのが衝撃的だった…

不思議時空発生・『トリック』

今年はテレビ『トリック』の第1シリーズ(2000)が発表されてから10周年だそうで、その1作目の第1~3話が年末に再放送されていた。第1シリーズはリアルタイムで見ていなかった筆者は、知人にあれ面白いよと聞かされ、翌年くらいに再放送で見た記憶がある。 …

番外・ダメな映画の備忘録

ダメな映画を覚えておく必要などないので、タイトルが形容矛盾である。 いままで見た映画で、特にいらっときた筆頭5本。見ないほうがいいですよ。

番外・好きな映画の備忘録 外国編 (1)

前回につづいて、今度は外国映画のベスト30です。 無意識に、古いのを多く選んでいる。マイナー志向ではあるけれど、日本編の偏りに比べれば、まだしも客観的なセレクトかと…。

番外・好きな映画の備忘録 日本編 (2)

番外・好きな映画の備忘録 日本編 (1)

体調が優れなくて、某シナリオライターのサイトをぼーっと見ていると、好きな映画とか本とかをそれぞれ40~50くらいずつチョイスしている欄があった。そこで気晴らしに、自分も真似してやってみることに…。

白と黒の熱情・稲垣高広『藤子不二雄Aファンはここにいる』

藤子不二雄コンビ(藤子・F・不二雄、藤子不二雄A)と言えば、55歳以下の日本人で彼らの作品を見たことも聞いたことも全くないという人はおそらくいないであろう、漫画界の巨匠である。しかし、彼らの作品世界について論じた本は意外なほど少ない。筆者のよ…

白い霧・中原みすず『初恋』(2)

岸によって綿密に練られた犯罪計画。実行犯に指名されたみすずは、彼による特訓を経て、いよいよ三億円奪取に挑みます。奪取はあっさり成功(事実に即しているのだから当然ですね)。 中盤は、みすずと岸とが両思いだったがすれ違うという、ちょっと少女マン…

白い霧・中原みすず『初恋』(1)

1968年12月、東京・府中で、白バイ警官に変装した男によって東芝社員のボーナスを載せた現金輸送車から約三億円が盗み出される事件が起きました。その警官(犯人)は「あなたの銀行の巣鴨支店長宅が爆破され、この輸送車にもダイナマイトが仕掛けられていま…

時は…・長谷邦夫『漫画に愛を叫んだ男たち』

足かけ50年前、若き漫画家たちが集った豊島区のアパート“トキワ荘”。住まいにしたのは、すでに売れっ子の手塚治虫をはじめ、無名だった藤子・F・不二雄、藤子不二雄A、石ノ森章太郎、赤塚不二夫などの漫画家たち。彼らがブレイクすると、トキワ荘は巨匠を生…

三十年後・早乙女勝元『パパママバイバイ』

1977年9月27日、横浜市に米軍ジェット機が墜落、一般人9人が死傷した。早乙女勝元『パパママバイバイ』(日本図書センター)は、その事故に材をとった絵本である。小学生のころに読んだ筆者にとって、忘れられない一冊だった。

哀のうた・『スワロウテイル』

「止まった手のひら ふるえてるの 躊躇して この空の 青の青さに心細くなる」(「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」)

小津の余白に・今村昌平

映画監督の今村昌平が逝去した。体調不良だとはこの数年、断続的に聞こえてきたので驚きはしないけれど。少々遅くなってしまったが、悼んでみたい。 田山力哉『小説 浦山桐郎・夏草の道』(講談社文庫)はタイトル通り、映画監督の浦山桐郎を追った評伝だが…

ケチャップ!?・『ドラえもんプラス』(2)

ライオン「おれはひじょうに腹ぺこだ。(…)お前(のび太)、うまそうだなあ」

ケチャップ!?・『ドラえもんプラス』(1)

故藤子・F・不二雄先生の代表作『ドラえもん』(小学館)は、26年に渡って連載されており、雑誌に載ったまま、単行本に収録されずに埋もれている作品が多々あります。