私の中の見えない炎

おれたちの青春も捨てたものじゃないぞ まあまあだよ サティス ファクトリー

批評・感想

肝付兼太演出・出演『おしいひと』

7月11日に肝付兼太演出・出演の舞台『おしいひと』を見に行った。

山下典子とジェームス三木・『仮面夫婦 私が夫と別れる理由』

半年くらい前、岡田斗司夫の女性遍歴が話題をまき、かつて似たような事態を引き起こした人物として、脚本家のジェームス三木の名が引き合いに出された。大河ドラマ『独眼竜政宗』(1987)、『八代将軍吉宗』(1995)などの脚本を手がけてヒットさせた巨匠で…

武田鉄矢と久保田万太郎

昨年11月、映画『幸福の黄色いハンカチ』(1977)が珍しく地上波のテレビで放送された(主演した高倉健の追悼企画である)。この作品は刑務所帰りの主人公(高倉)が妻(倍賞千恵子)のもとへ戻る道中で若い男女(武田鉄矢、桃井かおり)と出会い旅するさま…

特撮武者たち・『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術』(2)

テレビドラマではシナリオライターが、イメージリーダーという扱いを受けることが多いけれども、もちろんひとりでつくっているわけではなくしがらみも多い。『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる』(朝日新聞出版)にて小林靖子氏は制約について述べる。 …

特撮武者たち・『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術』(1)

幼いころに多くの人が一度は通過しただろう、ウルトラマン、仮面ライダー、戦隊といった特撮物。稲田豊史編『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術』(朝日新聞出版)は、主に1990年代以降の子ども向け特撮ドラマを執筆した脚本家6人の…

野沢尚作品のラストの哀しみ・『恋愛時代』

シナリオライター・作家として活躍した故・野沢尚の小説作品『恋愛時代』(幻冬舎文庫)が、深夜ドラマ化されている。こってりした原作小説は軽めのタッチに改変されているが(脚本:藤井清美)、原作の発表から20年近くを経ての映像化は、筆者のようなマニ…

妻もやりました・猪瀬直樹『さようならと言ってなかった わが愛 わが罪』

オリンピック招致に尽力し見事成し遂げながらも、すぐに5000万円の資金借用問題が浮上して辞任に追い込まれた猪瀬直樹・前東京都知事。もともとノンフィクション作家だった猪瀬氏が文筆業に戻って発表したのが、『さようならと言ってなかった わが愛 わが罪…

水谷豊と萩原健一・『傷だらけの天使』以後のふたり

この数年来、『相棒』シリーズ(2000〜)の現場での主演・水谷豊の独裁ぶりが報じられてきた。そんな報道もあって、最近の水谷はすっかり『相棒』のイメージに染まってしまったけれども、以前にも映画『青春の殺人者』(1976)、テレビ『男たちの旅路』(197…

君塚良一の“ぐだぐだ性”について・『遺体 明日への十日間』

先日、東日本大震災をセミ・ドキュメンタリーふうに扱った『遺体 明日への十日間』(2013)と漫画家の故・赤塚不二夫を描いた『これでいいのだ!!』(2011)という2本の映画を見ていて、それなりに力の入った前者に感心しつつも、後者の出来のひどさ(さし…

偶像(スター)へのレクイエム・『シャツの店』『チロルの挽歌』

昨2013年、脚本家の山田太一のインタビューにおける木村拓哉についてのコメントが、ちょっと話題を集めた。(http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2013/09/post_4464/) 山田は、木村が壁にぶつかっているように思われるとして、こう評する。

伊東四朗と三谷幸喜・『吉良ですが、なにか?』

今年喜寿を迎えた伊東四朗主演( “伊東四朗生誕?77周年記念”と銘打たれている)の舞台『吉良ですが、なにか?』(2014)が、討ち入りの12月14日に千秋楽を迎えた。脚本は三谷幸喜で、伊東四朗とのコンビによる舞台は、『その場しのぎの男たち』(1992)から…

1992-1997 “自虐映画観”の時代 (2)

1995年、岩井俊二監督(フジテレビ製作)の『Love Letter』が、当時の日本映画にしては例外的に若い観客の支持を集めている。筆者がビデオレンタル店へ行ってもほとんど貸出中でなかなか見られず、当時の人気ぶりが伺えた(同時に季刊誌「映画芸術」の同年ワ…

1992-1997 “自虐映画観”の時代 (1)

幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました…と昔の詩(中原中也「サーカス」)に描かれているようにさまざまな時代があったわけだが、歳をとると過去といまとの落差に驚くことがある。もちろん戦中戦後などに比べればさしたる変化でもないけれども、1990年…

砂嵐へようこそ!・『ポルターガイスト』『魔法少女ちゅうかないぱねま!』(2)

『ポルターガイスト』(1982)におけるテレビは災厄をもたらす疫病神であり、ラストでは棄てられる。だがその一方でテレビの世界と交信し合う次女(ヘザー・オルーク)の恍惚とした表情などを見るに、作り手がテレビを憎んでいるわけではなく、不可思議な世…

砂嵐へようこそ!・『ポルターガイスト』『魔法少女ちゅうかないぱねま!』(1)

若い人はもうご存じないかもしれないけれども、地上波のテレビがアナログ放送だった時代には、無数の白と黒の点がしゃーという音とともに現れるノイズ画面の流れることが頻繁にあった。いわゆる“砂嵐”である。無機質な画面と単調な音とは何となく無気味なも…

三谷幸喜の“作家性”について・『国民の映画』

昨2013年には原作・脚本・監督を務めた映画『清須会議』が大ヒット、今年は作・演出を手がける舞台(再演含む)が目白押し、2016年には大河ドラマの脚本を担当することが発表されるなど、三谷幸喜の人気ぶりは近年も相変わらずである。これほどの知名度を持…

女性万歳・磯村一路

1998年、ボートにかける女子高生たちを描いた、磯村一路監督の青春映画『がんばっていきまっしょい』が静かに登場した。愛媛のボート部を描いた傑作映画は、映画賞を総なめ。主演の田中麗奈を一躍スターダムにのしあげた。筆者にとってはオールタイムベスト…

円谷英二と真珠湾・『ハワイ・マレー沖海戦』『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』

69回目の終戦の日に、『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』(1960)を久々に見直してみた。この作品は、東宝の“815シリーズ”という太平洋戦争を主題にした連作のひとつで、特撮は円谷英二特技監督が手がけており、改めてその素晴らしさに感嘆した。

木皿泉 初心者のための主要作品レビュー テレビ編 (2)

3.『セクシーボイスアンドロボ』(2007) ロボットアニメが大好きなオタク青年(松山ケンイチ)と、七色の声を操る女子中学生(大後寿々花)。コンビを組んだふたりは、骨董屋店主(浅丘ルリ子)の指令で、不思議な事件に挑戦する。

木皿泉 初心者のための主要作品レビュー テレビ編 (1)

一話完結のテレビ『おやじの背中』(2014)は、巨匠シナリオライターたちがリレー方式で登板するという試みである。今後登場するのは、山田太一、池端俊策、三谷幸喜、井上由美子、木皿泉などの面々であるが、その多彩なライター陣の中で一、二を争うくらい…

東君平の連作詩・『へびとりのうた』『心のボタン』

詩人・童話作家・イラストレーターの故・東君平が遺した詩。

モノクロームの青春・東君平『二十一歳 白と黒のうた』『はちみつレモン 君平青春譜』

イラスト・グラフィックデザイン・詩・絵本・童話など多彩な作品を遺して、1986年に46歳で急逝した東君平。

“哀しみ”の演出家・深町幸男

演出家の深町幸男が逝去した。 深町は長年NHKに在籍し、向田邦子脚本『あ・うん』二部作(1980、81)と早坂暁脚本『夢千代日記』三部作(1981〜84)により知られている。その二者ほどの知名度はないかもしれないが、脚本家の山田太一とのコンビ作も多数で、…

向田邦子終戦特別企画(演出:久世光彦)全作品レビュー(2)

3.『蛍の宿』(1997)脚本:山元清多 蛍の宿 [DVD] 出版社/メーカー: TCエンタテインメント 発売日: 2005/08/12 メディア: DVD この商品を含むブログ (1件) を見る 海辺の町・風の浦で遊郭を営む母(岸惠子)とその娘(清水美砂、田畑智子 )。あるとき、航…

向田邦子終戦特別企画(演出:久世光彦)全作品レビュー(1)

故・向田邦子の遺した小説・エッセイをもとに、1985年から2001年まで継続した“向田邦子新春シリーズ” 。そちらと並行して、同じTBSのスペシャルドラマ枠で、1995年の夏に“向田邦子終戦特別企画”がスタート。新春シリーズと同じく、向田作品からヒントを得て…

ハロー宇宙人・『実相寺昭雄の不思議館/受胎告知』(2)

実相寺昭雄監督「受胎告知」はさほど知られていないが、『ウルトラセブン』(1967)や『シルバー仮面』(1971)の系譜に連なる宇宙人シリーズ。

ハロー宇宙人・『ウルトラセブン』『シルバー仮面』(1)

“ドラマ 吉祥寺店”のおもひで

先日、吉祥寺へ行った際にふと思い出したのが、レンタル店“ドラマ 吉祥寺店”の閉店だった。昨2013年10月いっぱいで閉店してしまったそうで(閉店の前後に吉祥寺を訪れることはあったのだけれど、忘れていた 爆)、“ドラマカフェ”という喫茶店になっており、…

悪い奴ほど手が白い・土曜ワイド劇場『白い手 美しい手 呪いの手』

名画座の“シネマヴェーラ渋谷”にて行われている岸田森特集の中で、かなりレアなのがテレビ『白い手 美しい手 呪いの手』(1979)である。

この娘は人殺し・火曜サスペンス劇場『可愛い悪魔』

この4月から5月にかけて、“シネマヴェーラ渋谷”にて岸田森特集が行われており、映画とテレビドラマの計18本が上映されている。故・岸田森は、岡本喜八、実相寺昭雄、藤田敏八、山本迪夫など名監督の諸映画に加えて、テレビ『帰ってきたウルトラマン』(1971…